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エギの重さは3.5号20gが基準|水深と沈下速度から号数を決める早見表つき

釣具店のエギ売り場で、3.5号と3.0号のパッケージを両手に持ったまま5分が過ぎた——エギングを始めた人がほぼ全員通る場面です。号数は書いてある。でも「何グラムなのか」「自分が行く堤防で使えるのか」は、そのパッケージを見ただけでは判断できません。

結論から書きます。エギの重さは号数でほぼ決まり、標準的な3.5号は20g前後です。ただし本当に見るべきは重さそのものではなく、パッケージの端に小さく書かれた沈下速度(秒/m)のほう。同じ3.5号でも約3秒/mの製品と約8秒/mの製品があり、この差が「底が取れない」「根掛かりが止まらない」の原因になります。

この記事では、号数と重さの対応をメーカー公式スペックで確認したうえで、水深から必要な重さを逆算する考え方、季節でサイズを変える理由、そして重さを決める前に確認すべき禁漁期間まで通しで整理します。号数の数字が「長さの単位」だと知るだけでも、売り場での迷い方が変わるはずです。

💡 この記事でわかること

・号数別のエギの重さ早見表(2.0号6g〜4.5号33g)とメーカー公式スペックの実数
・同じ号数でも重さと沈下速度が変わる理由と、パッケージのどこを見ればいいか
・水深から必要な重さを逆算する「20〜40秒」の考え方
・秋2.5〜3.0号・春3.5〜4.0号という季節の使い分けの根拠
・重さを選ぶ前に確認すべきアオリイカの禁漁期間と釣り場のルール

目次

エギの重さは号数で決まる|3.5号20gが基準になる理由

号数は重さの単位ではなく、もともと「長さ」の単位

エギの号数は、重さではなく長さを表す単位です。1寸=約3cmという尺貫法の「寸」がそのまま号数になっていて、3号なら約9cm(正確には9.09cm)、3.5号なら約10.5cmという計算になります。重さは、その長さの木やプラスチックのボディに鉛のシンカーを付けた結果として後からついてくる数字です。

なぜこの理解が必要かというと、「号数を上げる=重くする」ではなく「号数を上げる=エギ全体を大きくする」だからです。号数を1つ上げるとイカに見せるシルエットが大きくなり、狙うイカのサイズ帯そのものが変わります。重さだけを増やしたいのに号数を上げてしまうと、秋の小さな子イカには大きすぎて反応が落ちる、ということが起こります。

実際、ヤマシタの公式スペックを見ると全長は2号が60mm、2.5号が75mm、3号が90mm、3.5号が105mm、4号が120mmと、号数×30mmできれいに並びます。長さの単位だという理解が数字で裏付けられる並びです。

売り場で迷ったときは、まず「自分が狙うイカの大きさに対して、このシルエットは適切か」を先に考えてください。重さの話はその次です。

号数別の重さ早見表|2.0号6gから4.5号33gまで

一般的なエギの号数と重さの対応は下の表のとおりです。エギは製品ごとに数グラムの幅がありますが、標準的な帯として覚えておけば売り場での判断は速くなります。

📊 号数×重さ×沈下速度の早見表(海釣りの教科書調べ)

号数 全長 標準的な重さ 沈下速度の目安
2.0号 60mm 6g
2.5号 75mm 10-11g 5-6秒/メートル
3.0号 90mm 15g 3.5-4秒/メートル
3.5号 105mm 20-22g 3-3.5秒/メートル
4.0号 120mm 25-28g 2.5-3秒/メートル
4.5号 33g

並べてみると、号数が0.5上がるごとに重さが5g前後ずつ増えていく構造が見えます。そして沈下速度は逆に短く(速く)なります。2.5号の5-6秒/メートルと4.0号の2.5-3秒/メートルでは、同じ水深でも着底までの体感がまったく違います。

この表を頭に入れておくと、「今日は水深があるから3.5号」「浅いから3.0号」という判断が、感覚ではなく数字で回せるようになります。

なぜ最初の1本は3.5号なのか

エギングを始めるなら、まず3.5号を基準に揃えるのが合理的です。理由は3つあります。ひとつ目は、20-22gという重さがエギングロッドの設計上いちばん扱いやすい帯であること。ふたつ目は、3-3.5秒/メートルという沈下速度が堤防の平均的な水深に噛み合うこと。そして3つ目が、製品ラインナップとカラーバリエーションがこの号数にいちばん集中していることです。

春の大型狙いでは3.5号が標準的なサイズとされ、浅い場所では3.0号に落とし、大物を狙うときは4.0〜4.5号に上げる——という組み立てになります。つまり3.5号は「上下どちらにも振れる真ん中」であり、基準として持っておくと自分の判断の物差しになります。

逆に、いきなり2.5号だけを買うと重さが足りずに沖の底が取れず、4.0号だけを買うと浅場で根掛かりが止まらなくなります。真ん中から始めて、釣り場の様子を見て上下に振るのが遠回りに見えて最短です。

なお「基準=いつも正解」ではありません。秋の子イカが多い時期は3.5号では反応が薄いこともあるので、次の見出し以降のサイズ調整の考え方まで含めて判断してください。

⚠️ 失敗しやすいポイント:号数だけ見て買い足す

「前に使った3.5号がよかったから」と別メーカーの3.5号を買い足したら、フォールが速すぎて根掛かりが増えた——エギングで最も多い買い方の失敗です。原因は、号数が同じでも重さと沈下速度が製品ごとに違うこと。パッケージには号数の近くに重さ(g)と沈下速度(秒/m)が必ず書かれているので、買い足すときはこの2つの数字を前の1本と見比べてください。号数は「大きさ」であって「沈み方」ではありません。

同じ3号でも12gと18gの製品がある|メーカー差という落とし穴

標準値から離れている製品は実在する

号数別の早見表は目安であって、規格ではありません。同じ3号でも、製品によって12gから18gまで幅があるとされています。3号の標準は15g前後ですから、軽いほうと重いほうでは実に6gの開きがあることになります。

具体例を挙げると、ダイワのエメラルダスダートIIは2.5号が9.5g、3号が13.5g、3.5号が18.5gで、いずれも標準値より軽めの設定です。一方でヤマシタのエギ王Kは3.5号が22g。同じ「3.5号」と書かれた2つのエギの間に、実際には数グラムの差があります。

この差が現場で効いてくるのは、飛距離と着底時間です。軽いほうは風に押されて飛距離が落ちますが、フォールがゆっくりでイカに見せる時間を稼げます。重いほうは向かい風でも投げ切れて、深場でも底が取れます。どちらが優れているという話ではなく、狙う場所によって使い分ける前提の設計です。

売り場でパッケージを裏返す習慣をつけてください。号数の下に重さが必ず併記されています。

メーカー公式スペックで見る、号数と重さの実数

推測ではなく公式の数字を確認しておきます。ヤマシタのエギ王LIVEエギ王Kの公式スペックは以下のとおりです。

📋 メーカー公式スペック(ヤマシタ)

エギ王LIVE 2.5号 全長75mm・10g・沈下速度約5.5秒/m
エギ王LIVE 3号 全長90mm・15g・沈下速度約3.5秒/m
エギ王LIVE 3.5号 全長105mm・21g・沈下速度約3秒/m
エギ王K 3.5号ベーシック 全長105mm・22g・沈下速度約3秒/m
エギ王K 3.5号シャロー 全長105mm・20g・沈下速度約6秒/m
エギ王K 3.5号スーパーシャロー 全長105mm・19.5g・沈下速度約8秒/m

注目してほしいのは最後の3行です。エギ王Kの3.5号は、ベーシックが22g、シャローが20g、スーパーシャローが19.5g。重さの差はわずかなのに、沈下速度は約3秒/mから約8秒/mまで開いています。

つまりメーカーは、重さを大きく変えずに沈下速度だけを作り分けています。重さの数グラムを気にするより、沈下速度の表記を見るほうが釣りの結果に直結する、という話がここから始まります。

「号数が同じなら同じ動き」は成立しない

号数はシルエットの大きさ、重さは飛距離、沈下速度は水中での落ち方——3つはそれぞれ別の役割を持っています。これを1つの数字で代表させようとするから混乱します。

たとえば同じ堤防で、隣の人が3.5号でイカを掛けているのに自分の3.5号には反応がない、という場面。号数が同じでも、相手がスーパーシャローで約8秒/mかけてゆっくり見せているのに対し、自分がベーシックで約3秒/mで通過させていれば、イカが抱く時間そのものが違います。号数を疑う前に沈下速度を疑うのが正しい順番です。

判断のコツは、釣り場に着いたら「まず何秒で底に着いたか」を数えること。この実測が、次に何号の何タイプを結ぶかの根拠になります。

エギそのものの選び方や、どのカラーを最初に揃えるかは別記事で詳しく整理しています。

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グラムより先に見るべき「沈下速度」という数字

秒/mという表記の読み方

📖 用語チェック:沈下速度(秒/m)

エギが水中を1メートル沈むのにかかる秒数のこと。「約3秒/m」なら1メートル沈むのに3秒、「約8秒/m」なら8秒かかる。数字が小さいほど速く沈み、大きいほどゆっくり沈む。速度なのに数字が大きいほど遅い、という直感に反する表記なので読み違えに注意。

この表記を読めるようになると、水深と掛け算するだけで着底までの時間が出せます。水深5メートルの場所で約3秒/mのエギを使えば、単純計算で15秒前後。約8秒/mなら40秒前後です。

この差は釣りのテンポそのものを変えます。1キャストあたりの時間が倍以上違えば、同じ2時間でも投げられる回数がまるで変わる。逆に、イカにじっくり見せたい低活性の日は、あえて時間をかけるほうが結果につながります。

初心者がやりがちな失敗は、この数字を読まずに「重いほうが飛ぶから」とベーシックばかり買うこと。浅い堤防で約3秒/mのエギを使うと、シャクってすぐ底、また底、で藻に絡んで終わります。

パッケージの沈下速度は、号数と同じくらい大きく書かれている製品もあれば、裏面に小さく記載されている製品もあります。買う前に必ず探してください。

同じ3.5号でも約3秒と約8秒の製品がある

前の章で見たとおり、エギ王Kの3.5号にはベーシック(約3秒/m)、シャロー(約6秒/m)、スーパーシャロー(約8秒/m)の3タイプがあります。重さは22g、20g、19.5gとほとんど変わりません。

なぜ重さがほぼ同じで沈み方だけ変えられるのか。答えは浮力とボディの形状です。同じ重さでも水の抵抗を受ける形にすれば、ゆっくり落ちる。飛距離を犠牲にせずにフォールだけ遅くできる、というのがシャロータイプの設計思想です。

この構造を知っていると、釣り場での選択肢が一気に増えます。「浅いから軽いエギ」ではなく「浅いから、同じ重さのままシャロータイプ」。飛距離を落とさずに沖の浅場を攻められます。

特に藻場のある浅い堤防では、この使い分けができるかどうかで根掛かりのロスが変わります。エギを1本失うたびに釣りが中断することを考えれば、タイプ選びは投資対効果の高い判断です。

シャロー・ベーシック・ディープの三段構え

タイプ選びの基準を整理します。水深3メートル以内の浅場ならシャロータイプ(沈下速度6秒/メートル程度)、標準的な水深ならベーシック、水深5メートル以上ならディープタイプ(沈下速度2.5〜3秒/メートル程度)というのが基本の対応です。

この3タイプを同じ号数で揃えるのが、ボックスの組み方としては効率的です。3.5号のベーシック・シャロー・ディープを1本ずつ持てば、号数を変えずに水深に対応できます。カラーを増やす前に、まずタイプを揃えるほうが釣果につながりやすい構成です。

初心者がやりがちなのは、同じベーシックタイプでカラーだけ10本揃えてしまうこと。同じ場所を同じ速度で通し続けることになるので、水深が合っていなければ何色でも結果は変わりません。

現場での見極め方は単純で、着底までを数えて「速すぎる」と感じたらシャロー、「いつまでも着かない」と感じたらディープに変える。それだけです。

実は、重いエギほど速く沈むとは限らない

意外と知られていませんが、重さと沈下速度は比例しません。エギ王Kの3.5号ベーシックは22gで約3秒/m、3.5号シャローは20gで約6秒/m。重さの差は2gなのに、沈む速さは2倍近く違います。

一方で号数をまたぐと話は変わります。2.5号の10-11gは5-6秒/メートル、4.0号の25-28gは2.5-3秒/メートル。号数を上げれば確かに速く沈みます。つまり「号数を上げる」と「タイプを変える」は、沈下速度への効き方がまったく違う操作です。

ここを混同すると、「もっとゆっくり見せたいから号数を下げる」という判断をしてしまいます。号数を下げればシルエットも小さくなり、狙うイカのサイズ帯まで変わってしまう。ゆっくり見せたいだけなら、号数はそのままでシャロータイプに変えるのが筋の通った操作です。

号数は「大きさ」、タイプは「沈み方」。この2軸で考えるだけで、エギ選びの解像度が上がります。

水深別|底が取れるエギの重さは20〜40秒で逆算する

「水深×1〜2秒+α」で必要な重さが決まる

現場で使える計算式があります。水深(メートル)×1〜2秒+αで着底までの時間を見積もり、20〜40秒程度で底が取れるエギを選ぶ、という考え方です。この帯に収まっていれば、釣りのテンポとイカに見せる時間のバランスが取れます。

🔧 重さの決め方 3ステップ

Step1:釣り場の水深を把握する。堤防なら足元で沈めて秒数を数えるか、釣り場情報で事前に調べておく。
Step2:水深×沈下速度で着底時間を計算する。水深5メートル×約3秒/mなら15秒前後。
Step3:20〜40秒の帯に収まるようタイプを調整する。短すぎればシャロー、長すぎればベーシックやディープへ。

注意したいのは、この計算はあくまで無風・潮が緩い条件での机上の値だということ。実際には潮に流されて着底が遅れるので、計算より長めにかかると考えておくのが安全です。

初心者の失敗パターンとして多いのが、着底を待たずにシャクり始めてしまうこと。エギが中層を漂ったまま回収されるので、底付近にいるイカにはそもそも見えていません。まず「底を取る」ことが、重さ選びの目的です。

水深3メートル以内の浅場|シャロータイプで時間を稼ぐ

足元から浅い堤防や、藻が生えた磯際では、水深3メートル以内という場面がよくあります。ここで約3秒/mのベーシックを使うと10秒足らずで着底し、シャクる前に藻へ潜り込みます。

対策はシャロータイプ(沈下速度6秒/メートル程度)に変えること。水深3メートルなら18秒前後かけて落ちる計算になり、イカがエギを見つけて追いつく時間が生まれます。号数は3.5号のままで構いません。

春のアオリイカは海草が生える浅い水域や、ブレイク(深度変化)で産卵準備をするメスが集まる場所が狙い目とされます。まさにこのシャロー帯が主戦場になるので、春に浅場へ行く人ほどシャロータイプの重要度が上がります。

見極めのコツは、着底の合図が「10秒以内に出るかどうか」。早すぎるならタイプを変える。この1判断で根掛かりのロスが目に見えて減ります。

水深4〜5メートル|3.5号ベーシックがそのまま噛み合う

一般的な堤防の中ほどから沖にかけては、水深4〜5メートルという場面が多くなります。この帯は3.5号ベーシック(20-22g・3-3.5秒/メートル)が素直に噛み合うレンジです。

水深5メートル×約3秒/mで15秒前後、潮の影響を足しても20秒台に収まります。前述の20〜40秒の目安にきれいに入るので、テンポよく探れます。3.5号が「最初の1本」として推される理由の実務的な裏付けがここにあります。

ただし同じ堤防でも、先端と付け根では水深が倍近く違うことも珍しくありません。ポイントを移動したら着底の秒数を数え直す癖をつけてください。前のポイントの感覚のまま投げ続けるのが、移動後に釣れなくなる典型的な原因です。

号数を変えずにタイプだけ入れ替える運用にしておくと、移動のたびの調整が数十秒で済みます。

水深5メートル以上と、風・潮による補正

水深5メートルを超える深場や、潮が速い日にはディープタイプ(沈下速度2.5〜3秒/メートル程度)の出番です。ここで軽いエギを使うと、潮に流されて斜めに落ち、着底の感触そのものが取れなくなります。

風の補正も同じ考え方です。向かい風で飛距離が出ないときは、号数を上げるより先に「同じ号数でより重いタイプ」を試すほうが、狙うイカのサイズ帯を変えずに済みます。4.0号(25-28g)まで上げるのは、深場かつ大型狙いのときに限る、と決めておくと迷いません。

判断の注意点として、ラインが風で膨らんでいる状態では、エギが着底していてもラインが張らず気づけません。糸フケを風下側に流しすぎないよう、竿先を下げてラインを水面に近づける操作をセットで覚えてください。

なお「水深に対して何グラム必要か」を数字で決める発想は、他の釣りでも共通します。テンヤ釣りでは水深1メートルあたり1グラムが号数選びの基準になっており、考え方の骨格は同じです。

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秋は軽く春は重く|季節でエギのサイズを変える理由

秋は2.5〜3.0号|相手が手のひらサイズだから

秋のエギングで使うのは2.5〜3.0号、重さでいえば10-11gから15gの帯です。理由は単純で、狙う相手が小さいから。秋は春から夏に生まれた子イカが手のひらサイズまで成長した時期で、その数釣りが楽しめるシーズンです。

秋イカは9月初旬の時点で胴長15cm程度にしか成長していないとされます。胴長15cmのイカに対して全長105mmの3.5号を投げると、シルエットが体長に対して大きすぎて、追ってきても抱ききれないことが起こります。

2.5〜3.0号の軽いエギで丁寧に誘うのが秋の基本です。軽いぶん飛距離は落ちますが、秋の子イカは岸近くにいることが多いので、遠投の必要性そのものが下がります。

初心者に秋のスタートが勧められるのは、この「軽いエギ・近い距離・数が多い」という条件が揃うからです。掛かる回数が多ければ、シャクリとフォールの感覚を覚える速度も上がります。

春は3.5〜4.0号|大型に見合うシルエットを出す

春は前年の春から夏に生まれた個体が1年かけて成長した親イカが対象になります。水温が16℃を超えると産卵のため浅場に集まってくるとされ、胴長30cmを超える個体も出てきます。

この相手に2.5号では、シルエットが小さすぎて視認されにくく、掛かってもフッキングが甘くなります。春エギングでは3.5号を基本とし、浅い磯場では3.0号、大物狙いでは4.0号まで上げるという幅の中で組み立てます。

ただし春は浅場のシャロー帯が主戦場になるため、号数を上げつつ沈下速度は遅くしたい、という一見矛盾した要求が出てきます。ここで効くのが前章のタイプ選びで、4.0号シャロー(24g・約6秒/m)のような組み合わせが答えになります。

春に釣れないときは、号数ではなくフォール時間を疑ってください。大型のイカほど警戒心が強く、速いフォールでは見切られます。

📊 季節別のエギ選び

項目 秋エギング 春エギング
推奨サイズ 2.5号〜3.0号 3.5号〜4.0号
重さの目安 10-11g〜15g 20-22g〜25-28g
狙うイカ 胴長10〜20cm程度の子イカ 胴長30cm以上の親イカ
釣りの性格 数釣り・初心者向き 大型狙い・長いフォール
カラーの目安 ピンク・オレンジ・グロー ピンク・オレンジ・グロー

イカの体格とエギの大きさは釣り合わせる

サイズ選びの根っこにあるのは「イカが抱ける大きさか」という一点です。アオリイカのサイズは俗称で語られることが多く、コロッケサイズが胴長13〜15cmで150g程度、とんかつサイズが胴長15〜18cmで200〜300g程度とされます。

コロッケサイズのイカに全長105mmの3.5号は、体の3分の2ほどもある物体です。抱きにいっても腕が回らず、触っただけで離す。これが「アタリはあるのに乗らない」の正体であることは少なくありません。

逆に胴長30cmを超える春の親イカに全長75mmの2.5号を投げても、餌として認識される距離まで寄ってこないことがあります。相手の体格に対して7割前後のシルエットを目安にすると、極端な外しは減ります。

釣り場で1杯釣れたら、そのサイズを見て次のエギを決める。これが最も確実な調整方法です。

夏と冬|「釣らない選択」も含めて考える

夏は産卵期にあたり、後述するとおり多くの地域で禁漁期間が設定されます。エギの重さを検討する以前に、その海域で釣っていいかどうかの確認が先です。

冬はイカが体力を蓄える重要な時期とされ、自己記録の更新を狙う人が磯に立つ季節でもあります。ただし水温低下でイカは深場に落ちるため、ディープタイプや号数を上げた重いエギが必要になります。同時に、冬の磯は風と波のリスクが最も高い時期でもあります。

読者タイプ別に言えば、堤防から始めた初心者は秋、ステップアップしたい人は春、装備と経験が揃った人だけが冬——という順序が現実的です。夏は道具を整える時期と割り切るのも選択肢です。

季節を無視して同じエギを投げ続けるより、季節ごとに号数と重さを入れ替えるほうが、同じ本数のエギでも釣果は変わります。

シャクリとフォールから考える、ちょうどいい重さ

イカが抱くのはシャクリ中ではなくフォール中

💡 押さえておきたいポイント

イカがエギを抱く瞬間は、シャクリの動作中ではなくほぼ確実にフォール(落下)の最中です。シャクリはイカの注意を引く道具であり、実際の食いはフォール時間に起こります。だからこそ「どれだけの時間フォールさせられるか」を決める沈下速度が、重さそのものより重要になります。

この前提が理解できると、エギの重さを選ぶ目的がはっきりします。重さは「イカに見せる時間をコントロールするための道具」であり、飛距離のための数字ではありません。

速く沈むエギはフォール時間が短く、1回のキャストでイカに見せられる時間が少なくなります。それでも深場では速く沈まないと底が取れない。このトレードオフの中で、その日の水深に対して最も長くフォールさせられる重さを選ぶ、というのが本質です。

釣れない日にカラーを変え続けるより、沈下速度を変えて見せる時間を延ばすほうが、答えに近づくことが多いのはこのためです。

1段シャクリと2段シャクリ|フォール秒数の使い分け

シャクリ方によって、必要なフォール時間も変わります。1段シャクリはエギが縦に大きく跳ね上がる動きで、フォール時間は3〜5秒程度。振り上げる幅を小さくすればエギの跳ね上がる距離も調整できます。

2段シャクリは最も多用されるアクションで、1段シャクリより高く跳ね上げられるぶん、フォール時間は6秒程度と長めに取ります。イカにしっかりアピールしたい場面で効きます。

ここで重さとの関係が出てきます。約3秒/mのエギで6秒フォールさせれば約2メートル沈む。約6秒/mなら約1メートルです。つまり同じ2段シャクリでも、エギのタイプによってレンジの下がり方がまったく違います。

水深3メートルの浅場で約3秒/mのエギを2段シャクリで使えば、2回で底に着いてしまう。ここでもタイプ選びが効いてきます。シャクリ方とエギの沈下速度はセットで考えてください。

軽すぎるエギでシャクリが決まらない

⚠️ 失敗しやすいポイント:軽さを求めすぎてエギが動かない

「ゆっくり見せたい」と2.5号(10-11g)まで軽くしたのに反応が出ない——これは重さ不足でシャクリの力がエギに伝わっていない状態です。エギングロッドは20g前後のエギを跳ね上げる前提で作られているので、軽すぎるエギではラインを弾いただけで終わり、ダートしません。原因は「軽い=ゆっくり見せられる」という誤解。ゆっくり見せたいなら号数を落とすのではなく、同じ号数のシャロータイプを選ぶのが正解です。

もうひとつ、軽いエギは風とラインの抵抗を強く受けます。横風の日に2.5号を投げると、ラインが膨らんでエギが手前に寄ってきてしまい、狙ったコースを通せません。

秋に2.5号を使うのは相手が小さいからであって、「ゆっくり沈めたいから」ではない。この区別をつけておくと、号数選びとタイプ選びを混同せずに済みます。

複雑に考えすぎる必要はありません。初心者ならフリーフォール(ラインを緩めて落下させる)で十分な効果が得られます。まずはシンプルな動作を繰り返して、着底の感触を覚えるほうが先です。

重さで解決しない場面は、カラーと光量を疑う

沈下速度を調整しても反応が出ないときは、水の濁りと光量を確認します。濁り潮のときはシルエットが膨張して見えるピンクやオレンジのソリッドカラー(ベタ塗り)、そして光でアピールするグロー(夜光)が効きます。濁りが強い日は、日中でもグローを発光させて使うのがセオリーとされます。

逆に澄み潮では、ブルー系やブラウン系などベイトフィッシュのナチュラル系・ダーク系の自然色に寄せます。同じ重さのまま色だけ替えて反応を見る、という手順です。

マズメ時やナイトではグロー系が最初の1投目に効きますが、2〜3投後には無視されることが多いとされます。同じ場所で粘るなら、色をローテーションする前提で複数本を用意しておくのが現実的です。

優先順位としては、着底が取れているか→フォール時間は足りているか→カラーは合っているか、の順で潰していくと迷いません。重さの問題を色で解決しようとすると、いつまでも答えが出ません。

重さを決める前に確認したい、釣り場とルール

アオリイカには禁漁期間がある|地域ごとに期間が違う

エギの号数を検討する以前に、そもそもその海域でアオリイカを釣っていいかを確認する必要があります。産卵期の資源保護のため、多くの地域で採捕禁止期間が設定されています。

📊 アオリイカの禁漁期間(例)

地域 期間 対象
東伊豆(静岡県) 4月1日〜9月30日 宇佐美港、伊東港、川奈港、富戸港、八幡野港、赤沢港
壱岐市 郷ノ浦地区(長崎県) 令和8年4月1日〜6月30日 郷ノ浦町全域
壱岐市 箱崎地区(長崎県) 令和8年5月1日〜7月31日 芦辺町谷江川以北
壱岐市 石田地区(長崎県) 令和8年4月1日〜6月30日 石田町全域

東伊豆の禁止区域では、釣り方を問わずイカ類の採捕が禁止されています。漁業法に基づく規制で、違反すると1年以下の懲役、50万円以下の罰金もしくはその併科の対象になるとされています。禁止区域内でも、イカ類の採捕を目的としない魚釣りは問題ないとされていますが、区域と期間はいとう漁協の公式ページで必ず確認してください。

長崎県壱岐市も地区ごとに期間が異なり、市の公式ページで地区別の期間が公表されています。同じ市内でも地区で1か月ずれるので、「島全体で同じ」と思い込まないことが大切です。

禁漁期間は自主規制として更新されることがあり、年によって期間が変わります。行く前にその年の掲示を確認するのが確実です。

堤防と磯で、重さの選び方は変わる

釣り場の性格によっても重さの選択は変わります。堤防は足場が安定していて釣りが認められている場所から始めると安全とされ、フラットで滑りにくい状態のため周囲を観察しながら釣りができます。足場が高い堤防はエギングのステージになり、タモ網を使うときにも有利です。

堤防では足元から沖まで水深が段階的に変わるので、同じ号数でタイプを替える運用が機能します。一方、磯は足場が悪く、海底に仕掛けが掛かることも多いベテラン向きの釣り場です。海藻や貝類が多く魚の棲み家になりますが、根掛かりのリスクは堤防の比ではありません。

磯で重いエギを使うと、根に入り込んだときに回収がほぼ不可能になります。磯の浅い場所ではむしろシャロータイプで浮かせ気味に通すほうが、エギの消耗を抑えられます。

初心者には堤防でのスタートが勧められており、磯釣りは十分な準備と経験が必要な上級者向けです。磯釣り全般の考え方は下の記事で整理しています。

安全装備は重さの話より優先度が高い

磯では、落水時や転倒時に身体を保護できるライフジャケット、滑りにくい磯靴などの専用アイテムが必須とされます。潮位を気にしないと帰れなくなる場所もあり、装備の不足がそのまま事故につながる釣り場です。

ライフジャケットは種類によって適用できる釣りの範囲が決まっており、国が定めた基準に適合したものには桜マークが付いています。エギングは夜間に行うことも多く、単独釣行になりがちな釣りでもあるので、ここは省略しないでください。

堤防でも足場が高い場所では、落水すれば自力で這い上がれません。「堤防だから大丈夫」という判断が最も危ないパターンです。

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Q
エギは何号を何本持っていけばいいですか?
A
まずは3.5号のベーシックとシャローを各1本、加えて秋なら3.0号を1本という構成で足ります。カラーを増やすより、同じ号数で沈下速度の違うタイプを揃えるほうが、水深の変化に対応できます。
Q
小さいイカが釣れたら逃がすべきですか?
A
胴長12cm以下、または13cm以下をリリース対象とする地域が多いとされます。地域ごとに基準が異なるので、現地の掲示や自治体・漁協の公式ページを確認してください。基準が示されている海域では、それに従うのが原則です。

まとめ|号数は大きさ、タイプは沈み方で選ぶ

⚡ この記事の結論

エギの重さは号数でほぼ決まり、標準の3.5号は20-22gです。重さより沈下速度を見て、水深に合わせてタイプを替えてください。

✅ 要点チェック

  • 号数の正体:寸=長さの単位。3号は約9cm
  • 基準の1本:3.5号20-22g・3-3.5秒/メートル
  • 着底の目安:20〜40秒で底が取れる重さを選ぶ
  • 季節で変える:秋2.5〜3.0号、春3.5〜4.0号
  • 釣行前の確認:地域ごとの禁漁期間と現地の掲示

エギ選びで迷ったら、号数と沈下速度を別々の軸として扱うところから始めてください。号数はイカの体格に合わせるための数字、沈下速度は水深とフォール時間に合わせるための数字です。この2つを混同している間は、何本買っても状況に合わせられません。最初の一歩としては、次の釣行で3.5号を1本結び、キャストしてから着底までの秒数を実際に数えてみることをおすすめします。その秒数が20〜40秒に入っていなければ、次に買うべきはカラー違いではなくタイプ違いだと判断できます。

※禁漁期間・禁止区域・リリース基準は地域ごとに設定され、年によって更新されます。釣行前に自治体・漁協の公式情報と現地の掲示を必ずご確認ください。

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海釣りの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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