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オモリの号数とグラムは1号3.75gで決まる|換算表とガン玉・割りビシの早見ガイド

船宿の予約ページに「オモリ80号統一」と書いてあった。ネットで買おうとしたら商品ページの表記は「300g」だった。同じものなのか、別物なのか——海釣りを始めて最初につまずくのが、この号数とグラムの二重表記です。

結論から言えば、答えは1行で終わります。1号=3.75g。号数に3.75を掛ければグラム、グラムを3.75で割れば号数。80号は300gですから、さっきの船宿とネット通販は同じオモリを指しています。ここまでは掛け算と割り算の話です。

ただし、この式が通用しないオモリが釣具店の棚には並んでいます。ガン玉の「3B」、割りビシの「大大」。これらは3.75の世界の外側にある独立した規格で、号数の感覚のまま買うと重さを2倍も3倍も間違えます。さらに同じ80号でも、鉛とタングステンでは水中でのサイズがまるで違う。この記事では、換算式そのものよりも「換算式が効く範囲と効かない範囲」を軸に、号数選びを整理していきます。

💡 押さえておきたいポイント

この記事でわかること
・号数とグラムの換算式と、1号から80号までの早見表
・ガン玉のB/G規格、割りビシの大小に「×3.75」が効かない理由
・サビキから船のテンヤまで、釣り方別に必要な号数の帯
・鉛とタングステンで同じ号数でもサイズが変わる仕組み

目次

オモリの号数とグラムは「1号=3.75g」だけでつながっている

最初に、標準的な釣り用オモリの換算ルールを固めておきます。ナス型、六角、丸玉、小田原型——形は違っても、号数表記が使われている一般的な海釣りのオモリは、すべて同じ換算式の上に乗っています。ここを暗記ではなく仕組みで理解しておくと、店頭で見たことのない号数に出会っても迷いません。

掛けるか割るか、それだけ。号数×3.75=グラム

号数からグラムを出すときは号数に3.75を掛けます。グラムから号数に戻すときは3.75で割ります。参照した換算解説でも「号数からグラムへ直す場合は号数に3.75を掛け、グラムから号数へ戻す場合は重さを3.75で割ります」と説明されており、この一本の式で標準型オモリは全部処理できます。

実際に使う値を並べると、5号は18.75g、10号は37.5g、20号は75g、30号は112.5gです。船釣りでよく指定される帯なら、40号が150g、50号が187.5g、80号が300g。ここで気づいてほしいのは、号数が2倍になれば重さも正確に2倍になるという点です。10号から20号へ上げるということは、水中で受ける重さを37.5gから75gへ倍にするということ。号数を1つ2つ動かす感覚と、実際に竿へかかる負荷の変化量は必ずしも一致しません。

初心者がやりがちなのは、グラム表記のルアーロッドに号数表記のオモリを合わせようとして桁を見誤るパターンです。適合ルアーウエイトが40gまでの竿に、「15号くらいなら軽いだろう」と付けてしまう。15号は56.25gですから、表示の上限を超えています。号数の数字が小さいと軽く感じますが、換算すると意外に重い——これが号数表記の落とし穴です。

現場での確認方法はシンプルで、迷ったら3.75を掛けてから竿の表示と見比べる。竿には号数で書かれているもの(磯竿・サビキ竿)とグラムで書かれているもの(ルアーロッド)があるので、単位を片方に揃えてから比較するのが鉄則です。

なぜ3.75gという半端な数字なのか、答えは「匁」にある

3.75という数字は、釣り具メーカーが計算しやすさで決めたものではありません。日本の伝統的な重さの単位である「匁(もんめ)」に由来していて、1匁がおよそ3.75gです。日本国内で釣り具を製造していた時代に、匁ベースの重量設定がそのまま業界の標準として定着し、現在まで残っています。

ここで押さえておきたいのは、号数がJIS規格のような公的規格ではないという点です。あくまで各メーカーが採用してきた業界慣行であり、法律で決まった重さの単位ではありません。実際、経済産業省は計量法について「計量法では第8条第1項において『法定計量単位以外の計量単位(非法定計量単位)は、第2条第1項第1号に掲げる物象の状態の量について、取引又は証明に用いてはならない。』と、定めており、72の物象の状態の量について、取引又は証明において非法定計量単位の使用を禁止している」と説明しています(経済産業省「取引又は証明における規制」)。匁は法定計量単位ではないので、号数は「重さの単位」ではなく「商品の呼び名」として生き残っている、と理解するとすっきりします。

この背景を知っていると得をする場面があります。海外メーカーの製品や輸入シンカーには号数表記がなく、グラムやオンスだけで書かれていることが珍しくありません。号数が日本の釣り文化に固有の呼称だと分かっていれば、「号数が書いていない=規格外の粗悪品」ではないと判断でき、グラム表記から自分で号数に戻して選べます。

注意点として、匁由来という出自ゆえに製品ごとの実測値には多少の幅があります。3.75という数字は換算の基準であって、1個ずつ計量された保証値ではありません。号数を厳密に守りたい釣りでは、後述する船宿指定のルールが効いてきます。

📖 用語チェック

匁(もんめ)=日本の伝統的な重さの単位で、1匁がおよそ3.75g。五円玉1枚の重さがちょうど1匁にあたる。釣りのオモリの号数は、この匁をそのまま持ち込んだ業界慣行の呼称で、法定計量単位ではない。

「1号=4g」の丸めが許される場面と、許されない場面

現場では3.75ではなく「1号≒4g」で暗算しているアングラーも多くいます。10号なら40g前後、20号なら80g前後という具合です。実務上これで問題にならない理由は、釣りにおいては水温・潮流・風といった自然条件の変動幅のほうが、数グラムの差よりはるかに大きく効くからです。

実は、ここが号数選びで一番誤解されている部分でもあります。号数を細かく詰めることに時間をかける人ほど、その日の潮の速さや風向きを見ていない。20号を22号に変えても仕掛けの入り方はほとんど変わりませんが、潮が二枚潮に変わればどんな号数でも同じようには沈みません。号数は「その日の条件に合わせて動かす変数」であって、正解が1つ決まっている定数ではない——この視点を持つと、現場での判断が速くなります。

一方で、丸めが許されない場面もはっきりしています。ひとつは軽量域です。1号を4gと丸めると誤差は0.25gですが、これが5号になると1.25gの差になり、ガン玉の3B近い重さが上乗せされる計算になります。ウキの浮力に対してオモリを合わせるフカセ釣りでは、この差でウキが沈んでしまいます。

もうひとつは、複数個を足すときです。10号を2個で20号のつもりが、4g換算だと80gと考えて実際は75g。1個ずつでは無視できた誤差が、個数分だけ積み上がります。軽い釣りと、足し算をする釣り。この2つでは3.75で計算すると覚えておけば十分です。

号数とグラムの早見表|1号から80号まで一気に見渡す

換算式が分かっていても、現場でスマホの電卓を叩くのは面倒です。ここでは実際に釣具店の棚に並ぶ号数を、使う場面ごとの帯に分けて表にしました。数値はすべて「号数×3.75」で算出した換算値です(海釣りの教科書調べ)。

📊 号数×グラム換算早見表

号数 重さ 号数 重さ
1号 3.75g 15号 56.25g
2号 7.5g 20号 75g
3号 11.25g 25号 93.75g
4号 15g 30号 112.5g
5号 18.75g 40号 150g
6号 22.5g 50号 187.5g
8号 30g 60号 225g
10号 37.5g 80号 300g
12号 45g 計算式 号数×3.75=重さ

1〜10号は堤防の主力帯。サビキとちょい投げが全部ここに入る

3.75gから37.5gまでの帯は、堤防や漁港で使う釣りのほとんどをカバーします。サビキ釣りで使われるのは4〜8号、つまり15〜30gが基本。ちょい投げのキス釣りやヒラメ狙いは5〜15号、初心者向けの堤防釣り全般では10〜15号が扱いやすい範囲とされています。

この帯が主力になる理由は、堤防の水深と潮の速さにあります。足元から10mも沈めない釣りで重いオモリを使うと、着底が速すぎて魚がエサを見る時間がなくなる。サビキならコマセが煙幕を作っている層に仕掛けを漂わせたいので、軽いほうが理にかなっています。軽めから始めて現場で微調整するのが定石なのは、この「漂わせる時間」を長く取りたいからです。

失敗しやすいのは、隣の人が飛ばしているのを見て安易に号数を上げるケースです。同じ堤防でも、遠投カゴ釣りの人と足元サビキの人では釣りの前提が違います。カゴ釣りが20号を投げていても、サビキで20号を使えば仕掛けが立たず、コマセと同調しません。

号数を決めるときの判断材料は、飛距離ではなく「仕掛けが立つ最小の重さ」です。潮に押されて糸が斜めになりすぎるなら1段階上げ、着底が速すぎてアタリが出ないなら1段階下げる。数字を先に決めず、水中の状態から逆算します。

15〜30号は船の胴付きとオモリグが動く帯

56.25gから112.5gまでは、堤防の遠投と船釣りの入り口が重なる帯です。長距離キャストが必要な投げ釣りでは20〜30号、イカを狙うオモリグでは20〜30号(75〜112.5g)が基準になります。

この帯で理解しておきたいのは、重さが増えるほど「潮に流されにくくなる」わけではないという点です。オモリの重さは水中で下向きに働きますが、横方向の潮に対して効くのは重さだけでなく形状と、道糸が受ける水の抵抗です。同じ25号(93.75g)でも、細長い形状のものと丸いものでは流され方が変わります。PEラインの号数を細くするほうが、オモリを重くするより潮の影響を減らせる場面は珍しくありません。

ありがちなのが、船で「潮が速いから」と自己判断で号数を上げてしまうケースです。船釣りでは全員が同じ号数で揃えることでオマツリ(仕掛け同士の絡み)を防いでいるので、1人だけ重くすると自分の仕掛けだけ手前に落ちて隣とクロスします。

判断のコツは、船の上では号数を「自分で決める数字」だと思わないこと。堤防なら自由に動かしていい変数ですが、乗合船では共有ルールです。ここを切り替えられるかどうかが、堤防から船へステップアップするときの分かれ目になります。

40〜80号は深場と速潮でしか出番がない帯

150gから300gまでの帯は、水深のある船釣り専用と考えて構いません。タチウオテンヤは40〜50号(150〜187.5g)が基準、タコ釣りは40〜60号(150〜225g)で潮の速さに応じて変更、というのが目安です。80号(300g)ともなると、東京湾や相模湾の深場を狙う乗合船で指定される号数になります。

なぜここまで重くする必要があるのか。理由は水深と潮流の掛け算です。水深50mの場所で船が潮に乗って流れていると、道糸は真下ではなく大きく斜めに入ります。オモリが軽いと底を取れないまま流され、仕掛けが上ずってタナが合わなくなる。300gという数字は「重い」のではなく、その水深で底を感じ続けるために必要な最低限、という位置づけです。

この帯で初心者が驚くのは、竿と電動リールへの負担です。150gを超えるオモリを一日中上下させると、手巻きのリールでは腕が持ちません。オモリの号数指定が40号を超える釣りは、電動リールが前提になっていると考えたほうが現実的です。

持ち物を準備する段階での確認事項は2つ。竿のオモリ負荷が指定号数を含んでいるか、そしてリールが指定号数を巻き上げられるかです。オモリだけ買い足しても、タックル全体が対応していなければ釣りになりません。

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ガン玉のBとGに「×3.75」が通じないのはなぜか

ここからが本題です。釣具店のウキ釣りコーナーに行くと、「B」「2B」「G3」といった、号数でもグラムでもない表記のオモリが並んでいます。これらは3.75の世界とは別の規格体系に属しており、換算式をそのまま当てはめると重さを大きく読み違えます。

B規格は数字が大きいほど重い。ただし2BはBの倍ではない

ガン玉のB表記は、B、2B、3B……と数字が増えるほど重くなります。具体的な重量は、Bが0.55g、2Bが0.75〜0.80g、3Bが0.95〜1.00g、4Bが1.20〜1.25g、5Bが1.75〜1.85g、6Bが2.20〜2.30gです。

ここで最初の落とし穴が「2BはBの倍ではない」という点です。参照した解説でも「ガン玉は『2BはBの倍の重さではない』という重要なポイントがあります。B規格で表記され、独立した規格体系を持ちます」と明言されています。Bが0.55gなら2Bは1.10gになりそうなものですが、実際は0.75〜0.80g。号数のように「数字×基準値」で計算できる規格ではないのです。

この規格が生まれた背景には、ガン玉が散弾(銃弾の粒)の規格を基準に設計された小型オモリだという事情があります。糸を挟み込むための割れ目が入っていて、指やペンチで簡単に付け外しできる構造。もともと釣り用に3.75g刻みで設計されたものではないので、号数と噛み合わないのは当然と言えます。

実際に困るのは、ウキの表記と合わせるときです。ウキには「3B」「5B」といった浮力表示があり、これはその号数のガン玉を背負えるという意味。ここで「3Bだから3号くらい?」と考えて11.25gのオモリを付ければ、ウキは一瞬で沈みます。ウキのB表記とオモリのB表記は同じ土俵の数字で、号数とは別の世界だと切り分けてください。

G規格(ジンタン)は数字が大きいほど軽くなる逆順

もう一段細かい調整に使うのがG表記、いわゆるジンタンです。こちらはB規格と逆で、数字が大きいほど軽くなります。G1が0.40〜0.45g、G2が0.33〜0.35g、G3が0.25g、G5が0.16g、そしてG8が0.07gで最軽量です。

この逆順ルールを知らないまま「G8のほうが数字が大きいから重いだろう」と選ぶと、意図した重さの5分の1以下のものを付けることになります。0.40gと0.07g——比率にすれば6倍近い差です。ウキ釣りの微調整域では、この差が仕掛けの入り方を完全に変えます。

使い分けの目安は、G5〜G2が表層から中層を風の穏やかな日に探るとき。Bになると中層狙いが主体になり、2B〜3Bは遠投したいとき、潮が速いとき、深場を狙うときに出番が来ます。表層をゆっくり漂わせたいのに2Bを打てば、エサだけ先に沈んで仕掛けのバランスが崩れます。

現場で迷ったときの見極め方は、ウキの浮き方を見ることです。ウキのトップが水面から出すぎているなら1段階重く、沈み気味なら1段階軽く。Gの数字は「大きいほど軽い」と口に出して確認してから箱を開ける習慣をつけると、取り違えが減ります。

メーカーで小数点以下が違う。表記だけを信じない

ガン玉の重量には、メーカーごとに若干の差があります。第一精工、YO-ZURI、FUJIWARAといった主要メーカーで同じ「2B」でも実重量に幅があり、この記事で示した数値に0.75〜0.80gのような幅があるのはそのためです。

差が出る理由は、ガン玉が公的規格ではなく、散弾規格を出発点にした各社の製品仕様だからです。号数と同じ構図で、業界内でおおむね揃ってはいるものの、1個ずつ計量された統一値ではありません。

実害が出るのは、複数のメーカーのガン玉を混ぜて使っているときです。ケースAの3BとケースBの3Bで0.05gの差があり、それを2個打てば0.1gの差になる。軽い仕掛けほど、この差が浮力バランスに直結します。

対策は単純で、ウキ釣りで使うガン玉は同じメーカーのケースで揃えること。それだけで、少なくとも自分の中では重さの基準が一貫します。銘柄をまたいで買い足すときは、前と同じ表記でも当たりが変わる可能性を想定しておくといいでしょう。

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割りビシとガン玉、噛ませるならどちらを選ぶか

ウキ釣りのコーナーには、ガン玉の隣に「割りビシ」という別のオモリも並んでいます。こちらは号数でもB表記でもなく、「極小」「中」「大大」といった大きさの呼び名で売られています。同じように糸に噛ませる小型オモリですが、役割は微妙に違います。

割りビシは極小から特大までの7段階

割りビシの重量は、極小が0.2g、小小が0.25g、小が0.4g、中が0.75〜0.80g、大が0.9〜1.00g、大大が1.35g、特大が2.1gの7段階です。ガン玉のG3(0.25g)と割りビシの小小(0.25g)のように、重さが重なる部分もあります。

呼び名が漢字なのは、これも古くからの業界慣行の名残です。号数のような計算式は存在せず、7つの呼び名と重量を対応で覚えるしかありません。ただし段階数が7つと限られているので、ガン玉のB規格・G規格を合わせて覚えるより負担は軽いはずです。

使い始めで戸惑うのは、ガン玉と重さが重なる帯でどちらを選ぶかという問題です。0.25gが必要なとき、G3を打つか小小を打つか。答えは重さではなく、次に説明する形状で決まります。

買うときの注意点として、割りビシもメーカーによって重量に差があります。第一精工、YO-ZURI、アルカジックといった各社で同じ「中」でも実重量に幅があるため、ガン玉と同じくケース単位で揃えておくのが無難です。

📊 3つの規格を比較

項目 標準オモリ(号数) ガン玉(B・G) 割りビシ
表記の意味 号数×3.75=重さ Bは数字が大きいほど重い/Gは逆に軽い 極小〜特大の呼び名で7段階
重さの範囲 3.75g(1号)〜300g(80号) 0.07g(G8)〜2.30g(6B) 0.2g(極小)〜2.1g(特大)
形状 ナス型・六角・丸玉など用途別 球形に割れ目 楕円形・卵型に割れ目
主な用途 船釣り・堤防・投げ釣り全般 フカセ釣りの微調整 大型ウキ・電気ウキの負荷調整

楕円形が潮を受ける。だから潮が効く日は割りビシ

割りビシとガン玉の最大の違いは形状です。ガン玉が球形なのに対し、割りビシは楕円形または卵型をしています。この形の差が、水中での挙動の差になります。

楕円形は水の受け方が球形と異なり、潮が効いている日に安定感が出ます。大型ウキや電気ウキを使う釣りで割りビシが多用されるのは、この安定性が効いてくるからです。逆に、ほとんど潮が動かない凪の日に細かく重さを刻みたいなら、球形で付け外しが速いガン玉のほうが手数を稼げます。

チヌ狙いの落とし込みや、磯・波止でのウキ釣りは割りビシの得意分野です。夜の電気ウキ釣りのように、ウキ自体が大きく浮力が強い仕掛けでは、ガン玉の微調整域では足りず、割りビシの「中」「大」あたりでまとめて負荷をかけるほうが理にかなっています。

選ぶときの基準を1つに絞るなら、「潮が動いているか」で決めるのが分かりやすいでしょう。潮が効いていて仕掛けを安定させたい日は割りビシ、潮が緩く0.1g単位で詰めたい日はガン玉。重さが重なる帯で迷ったら、この基準で切り分けます。

失敗パターン①:いきなり表記どおりの重さを噛ませる

ウキ釣りで最も多い失敗が、ウキの浮力表示に合わせていきなりぴったりの重さを打ってしまうことです。3Bのウキだから3Bのガン玉、と機械的に付ける。これで釣れないまま一日が終わる人が少なくありません。

原因は、ウキの浮力表示が「その重さまで背負える」上限であって、その日の最適値ではないからです。仕掛けにはハリスもハリもエサも付きますし、ウキ止めやシモリ玉の重さも乗ります。表示どおりに打てば、実際には上限を超えてウキが沈み気味になり、アタリが出ても分かりません。

参照した解説でも「『表記どおりに合わせるより、軽めからスタートして現場で微調整する』が失敗を減らせます」と述べられています。軽めから始めれば、足りなければ足せばいい。逆に重すぎて沈んだ場合、水中でガン玉を外す作業は手間がかかり、その間に潮も時合も流れていきます。

具体的な進め方は、まず表示より1〜2段階軽いところから入り、ウキのトップの出方を見て足していくこと。潮が速くなれば号数を上げ、緩めば下げるという調整を、その場で繰り返します。ガン玉と割りビシが「付け替えが簡単な構造」になっているのは、そもそも現場で動かすことが前提の道具だからです。

⚠️ 失敗しやすいポイント

ウキの浮力表示は「背負える上限」であって推奨値ではありません。3Bのウキに3Bをそのまま打つとハリス・ハリ・エサの重さが上乗せされて沈み気味になり、アタリが読めなくなります。1〜2段階軽いところから始めて、ウキの出方を見ながら足していくのが正解です。

釣り方別に「何号を持っていくか」は理屈で決まる

換算表と規格の違いが分かったら、次は実際に何を買うかです。釣り方ごとに使う帯はほぼ決まっていて、その理由も水深・潮・仕掛けの構造で説明がつきます。

堤防なら4〜15号を数個ずつ。これで大半は足りる

堤防で成立する釣りの号数は、サビキ釣りが4〜8号、ウキを使う軽いキャストが6〜15号、キス釣りやヒラメ狙いが5〜15号、初心者向けの堤防釣り全般で10〜15号という整理になります。グラムに直せば15gから56.25gの範囲です。

この帯で足りる理由は、堤防の水深がおおむね数mから10m前後で、足元から中距離までしか探らないからです。仕掛けが立って底が取れれば目的は達成できるので、それ以上重くしても飛距離が伸びる代わりに着底が速くなり、エサを見せる時間が減ります。

買い方で失敗しやすいのは、同じ号数を1個だけ買うパターンです。根掛かりでオモリを失うのは堤防でも日常的に起きるので、主力の号数は複数個ずつ持っていないと、根掛かり1回で釣りが終わります。

準備の目安としては、よく行く釣り場の水深に合わせて中心の号数を決め、その前後1段階を含めて3種類を数個ずつ。これで潮の変化にも根掛かりにも対応できます。

船釣りは20〜80号。指定号数はグラム換算で代用しない

船の釣り物別に見ると、オモリグが20〜30号(75〜112.5g)、タチウオテンヤが40〜50号(150〜187.5g)、タコ釣りが40〜60号(150〜225g)で潮の速さに応じて変更、という目安になります。

ここで重要なのが、乗合船で船宿から号数の指定がある場合の扱いです。参照した解説では「船宿から号数指定がある場合、グラム換算値での代用は避け、指定号数を優先してください。製品によって素材や形状により若干の重量差が生じる場合があります」と明記されています。80号指定に対して「300gだから同じ」と別規格の300gシンカーを持ち込むと、形状が違えば水中での抵抗が変わり、周囲と沈下速度が揃いません。

船で号数を揃える目的は、全員の仕掛けを同じ速さで同じ角度に沈めてオマツリを防ぐことです。1人だけ形状の違うオモリを使えば、重さが同じでも入り方がずれます。これは自分だけの問題ではなく、隣の釣り人の仕掛けまで巻き込みます。

予約時に確認すべきことは、号数の指定があるか、レンタルや購入が船で可能か、電動リールが必要かの3点です。指定がある釣り物では、オモリは「自分で選ぶ道具」ではなく「船のルールに合わせる消耗品」だと考えてください。

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失敗パターン②:竿の適合オモリ負荷を超えて使う

号数選びで竿を壊す原因になるのが、適合オモリ負荷の超過です。オモリ選択の基本は「ロッドの適合オモリ負荷を最優先。見合わないと当たりが取りにくくなる」という点にあります。竿の性能が出ないだけでなく、キャスト時の破損リスクも上がります。

なぜ表示があるかというと、竿は特定の荷重域でしなるように設計されているからです。設計より軽ければ竿が曲がらずアタリを弾き、重ければ曲がりすぎて合わせが入らない。表示は「使える範囲」ではなく「性能が出る範囲」だと理解すると、守る理由が腑に落ちます。

起きやすいのは、磯竿1.5号のような「竿の号数」とオモリの号数を混同するケースです。竿の号数はハリスの適合を示す別の指標で、オモリの重さとは意味が違います。竿の号数が1.5号だからオモリも1.5号、という理解は誤りです。竿に書かれた「オモリ負荷○号」の欄を見る必要があります(シマノの初心者向け解説でも、ロッドにはオモリ負荷や適合ルアーウエイトが表示されていると説明されています/SHIMANO「ロッド(釣り竿)とは?」)。

確認手順は、竿のバット部分(手元寄り)の印字を読むだけです。「オモリ負荷10〜25号」なら37.5g〜93.75gの範囲。この数字とこれから買うオモリの号数を突き合わせてから購入すれば、竿とオモリのミスマッチはほぼ防げます。

⚠️ 失敗しやすいポイント

磯竿の「1.5号」はハリスの適合を示す竿の号数で、オモリの号数とは別物です。竿に印字された「オモリ負荷○〜○号」の欄を読まずに買うと、負荷オーバーで破損したり、軽すぎて竿が曲がらずアタリを弾いたりします。買う前に竿の印字とオモリの号数を必ず突き合わせてください。

迷ったときの決め方は3ステップで足りる

釣り方が決まっていない段階で号数を選ぶなら、順番を固定してしまうのが早道です。竿の表示、釣り場の条件、当日の潮——この順に絞り込めば、選択肢は自然に数個まで減ります。

順番が大事な理由は、条件から入ると答えが発散するからです。「潮が速いから重く」と考え始めると上限がなくなりますが、竿の適合オモリ負荷という物理的な天井を先に置けば、その中でしか動かせません。制約から入るほうが判断は速くなります。

船宿の指定がある場合は、この3ステップの前に指定が来ます。指定号数がある釣り物では、竿のほうを指定号数に合わせて選ぶのが正しい順序です。オモリを竿に合わせるのではなく、竿をオモリに合わせる——船釣りだけ逆になる点に注意してください。

🔧 見極めの手順

Step1:竿の「オモリ負荷○〜○号」を読み、使える上限と下限を確定する(船宿の指定号数があればそれを最優先)
Step2:釣り場の水深と釣り方で中心の号数を決める(堤防のサビキなら4〜8号、深場の船なら40号以上)
Step3:当日は中心より軽いほうから入り、糸の角度と着底の速さを見て1段階ずつ上げ下げする

同じ号数でも大きさが違う|鉛・タングステン・亜鉛・鉄

ここまでは重さの話でした。しかし水中で魚が見ているのは重さではなく大きさです。そして同じ重さでも、素材が変われば大きさは変わります。この差を無視すると、換算表どおりに選んでも結果がついてきません。

比重の差が、そのままサイズの差になる

釣り用オモリに使われる主な素材の密度は、鉛が11.3、タングステンが19.3、亜鉛が7.1、鉄が7.87です。同じ重さなら密度が高いほど体積は小さくなるので、タングステン製は鉛製より明確に小型になります。逆に亜鉛や鉄は鉛より大きくなります。

この差が効く理由は、水中での抵抗にあります。体積が大きいほど水を押しのけながら沈むので、沈下は遅く、潮に押される面積も増えます。同じ40号(150g)でも、タングステンならすとんと落ち、亜鉛ならゆっくり流されながら落ちる。「号数を合わせたのに隣と沈み方が違う」という現象は、素材が違うときによく起こります。

初心者が戸惑うのは、通販でオモリを買ったときのサイズギャップです。写真だけ見て買うと、届いた実物が想像より大きかったり小さかったりする。号数は重さの表記であって、大きさの表記ではありません。

選ぶときの見方は、素材名を必ず確認することです。同じ号数の棚に鉛とタングステンが並んでいれば、価格も大きさも別物。用途に対してどちらの挙動が欲しいのかを先に決めてから、素材を選びます。

📊 素材の違いを比較

項目 タングステン 亜鉛・鉄
密度 11.3 19.3 亜鉛7.1/鉄7.87
同じ号数での大きさ 標準 小さい 大きい
価格の傾向 安価で加工しやすい 鉛の数倍 低コストな鉛代替品
向いている場面 数を消費する釣り全般 底の感知と感度が要る釣り 環境負荷を抑えたい場面

タングステンが効くのは、底を感じ続けたい釣り

タングステンの利点は、同じ号数でより小型化できることと、ボトムの感知能力が上がることです。感度が求められる釣りに向いていると整理されています。

感度が上がる仕組みは、体積が小さいことで水の抵抗が減り、底の起伏や魚が触った振動が道糸を通して手元に伝わりやすくなるためです。硬い素材そのものが振動を伝えやすいという性質も加わります。根の上を引いてくる釣りや、船で底を叩き続ける釣りでは、この差が釣果の差になります。

一方で課題は価格です。タングステンは鉛の数倍で、根掛かりでロストすることを考えると、初心者や本数を消費する釣りでは負担が大きくなります。根の荒い場所で1日に何個も失う釣りに投入するのは、割に合いません。

使い分けの判断は「そのオモリを失う確率」で決めるのが実践的です。ロストが少ない砂地の釣りや、底の情報が釣果を左右する釣りにはタングステン。根掛かり前提の釣りや、数を投げる釣りには鉛。この線引きで、道具代と釣果のバランスが取れます。

鉛からの移行は、釣り人側ではなく環境側から進んでいる

鉛は安価で加工しやすく、比重も高いという釣り具にとって都合のいい素材ですが、水中で溶け出したときの生態系への影響が指摘されています。この懸念から、タングステン・亜鉛・鉄の採用が増え、メーカー側の製品切り替えも進んでいます。

行政の動きも続いています。環境省は「鳥類の鉛中毒の防止」の取り組みとして検討会を設置しており、公式ページには「鳥類の鉛汚染対策検討会 調査や評価とともに、全国的な規制に向けて、社会実装、規制に伴う対策検討に重点を置いた検討を行うため、検討会名を『鳥類の鉛汚染対策検討会』として検討を行います」と記載されています(環境省「鳥類の鉛中毒の防止」)。同ページには影響評価検討会の資料も年次で公開されています。

釣り人として今すぐできることは、規制を待つことではなく、失う量を減らすことです。根掛かりでオモリを海に残すのは、鉛をそのまま置いてくるのと同じ。捨て糸を細くして仕掛け全体ではなくオモリだけを切る、根の位置を覚えて同じ場所に入れないといった工夫で、ロスト量は確実に減らせます。

今後の見通しとして、素材の主流が変われば「同じ号数でも大きさが違う」場面はさらに増えます。号数を重さの指標として理解しつつ、素材と大きさは別の軸として確認する——この2軸の見方が、これから長く効いてきます。

号数選びで迷ったときのQ&A

ここまでの内容を、実際に聞かれることの多い疑問の形で整理します。読者のタイプによって最初に押さえるべき数字は違うので、自分の釣りに近いところから読んでください。

タイプ別に、最初に覚える数字はここだけでいい

家族で堤防サビキをする人が覚えるべきは4〜8号(15〜30g)の帯だけです。この範囲を数個ずつ持っていれば、サビキ釣りの号数で困る場面はほぼありません。換算式すら、店頭で表を見れば足ります。

フカセ釣りに進む人は、号数ではなくB規格とG規格の並びを優先します。Bが0.55g、2Bが0.75〜0.80g、3Bが0.95〜1.00g、そしてGは数字が大きいほど軽くなること。ウキの浮力表示と同じ土俵の数字なので、ここを外すと仕掛けが成立しません。

船釣りに行く人は、まず船宿の指定を確認し、その号数に対応した竿とリールを用意します。40号を超える釣り物では電動リールが前提になりやすい点も、準備段階で織り込んでおくべきです。

共通して言えるのは、全部を一度に覚える必要はないということ。自分がやる釣りの帯だけ覚え、他は必要になったときに換算表に戻る。この使い分けで十分回ります。

「重くすれば飛ぶ・沈む」は半分しか正しくない

号数を上げれば飛距離が伸びる、という理解は途中までは合っています。しかし竿の適合オモリ負荷を超えた瞬間、竿が反発を返せなくなり、飛距離はむしろ落ちます。遠投したいときにオモリを重くするより、フォームの改善や適切な竿の選択のほうが効くのはこのためです。

沈下についても同じ構図があります。重くすれば速く沈むのは事実ですが、道糸が潮を受けて膨らんでいる状態では、オモリを重くしても糸の抵抗が支配的で、思ったほど真下に入りません。ラインを細くする、風上に立ち位置を変えるといった対処のほうが効果が出る場面は多くあります。

やりがちなのは、底が取れないときに号数だけを2段階3段階と上げていくパターンです。仕掛けは重くなり、竿は曲がりっぱなしになり、アタリは分からなくなる。原因が糸の抵抗にあるなら、オモリをいくら重くしても解決しません。

見極め方は、着底時に糸がどれだけ出続けるかを見ることです。オモリが着いているのに糸が出続けるなら、潮に流されているのはオモリではなく糸のほう。この場合は号数ではなくラインを見直します。

Q
ルアーロッドの「適合ルアーウエイト40g」に、オモリは何号まで使える?
A
40gを3.75で割ると約10.6号なので、10号(37.5g)までが目安です。12号は45gで超過します。グラム表記の竿に号数のオモリを合わせるときは、必ず片方の単位に揃えてから比べてください。

号数が中途半端なときと、複数個で足すときの考え方

棚に欲しい号数がないとき、たとえば7号が欲しいのに6号(22.5g)と8号(30g)しかない場合は、原則として軽いほうを選びます。軽ければ足す余地がありますが、重すぎるオモリは現場で軽くできないからです。

理由は仕掛けの構造にあります。オモリを足すのはガン玉や割りビシを1つ噛ませれば済みますが、重いオモリを削ることはできません。選択肢を残す方向に倒すのが、道具選びの基本です。

複数個で目的の重さを作る場合は、必ず3.75で計算します。5号を2個で10号相当(37.5g)、10号を3個で30号相当(112.5g)という具合です。ここで4g換算の暗算を使うと、個数分だけ誤差が積み上がって無視できない差になります。

注意したいのは、複数個に分けると水中での形状が変わる点です。1個の30号と、10号3個を並べたものでは、水の抵抗も仕掛けの姿勢も違います。船で号数を揃えるルールがある場面では、分割で数字を合わせるのは避け、指定どおりの1個を使ってください。

まとめ

⚡ この記事の結論

オモリの号数は1号=3.75g、掛ければグラム・割れば号数です。ただしガン玉と割りビシはこの式の外にある別規格です。

✅ 要点チェック

  • 換算式:号数×3.75=グラム。80号=300g
  • ガン玉:Bは数字が大きいほど重い
  • ジンタン:Gは数字が大きいほど軽い逆順
  • 竿の表示:オモリ負荷の範囲を先に確認する
  • 船の指定:グラム換算での代用はしない

号数とグラムの関係は、覚えるべきことがはっきり分かれています。標準オモリは3.75という数字ひとつで全部つながり、ガン玉と割りビシはそこから切り離して並びを覚える。そして竿のオモリ負荷という天井を先に確認してから、その中で当日の潮に合わせて動かす。この3層で考えれば、店頭でも船上でも迷いません。最初の一歩としては、自分の竿を1本手に取って、バット部分に印字された「オモリ負荷○〜○号」を読み、その上限と下限を3.75倍してグラムに直してみてください。自分が使える範囲が数字で見えた瞬間から、オモリ売り場の見え方が変わります。

なお、ガン玉や割りビシの実重量はメーカーによって幅があり、素材の主流も鉛からタングステン・亜鉛・鉄へ移りつつあります。号数の指定や規格の最新情報は、竿・オモリのメーカー公式表記と、乗る船宿の案内でご確認ください。

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この記事を書いた人

海釣りの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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