PEラインを巻いたリールを買って、いざルアーを結ぼうとしたとき。ネットや店員さんに「先にリーダーを結んでね」と言われて、手が止まった人は多いはずです。ラインはもう巻いてあるのに、なぜもう1本別の糸がいるのか。しかも号数だの長さだのノットだの、覚えることが急に増えます。
結論から書きます。ショックリーダーとは、PEラインの先端に足す1〜1.5mほどの別素材の糸のことで、PEが苦手な「衝撃」と「擦れ」と「結び」の3つを肩代わりするためのパーツです。付けないと、キャストした瞬間や魚が突っ込んだ瞬間に、仕掛けごと持っていかれます。逆に言えば、この1本を足すだけでラインブレイクの大半は防げます。
この記事では、なぜリーダーが必要なのかという仕組みの話から、フロロカーボンとナイロンの選び分け、号数と長さの決め方、覚えるべき結び方までを、メーカー公式のスペックと規格表をもとに順番に整理します。号数と糸径の対応表も、ライン専業メーカーの公式規格表から起こして載せました。買い物カゴに入れる前の5分で、自分の釣りに必要な1巻きが決まる状態を目指します。
・ショックリーダーの役割と、PE直結で強度が落ちる仕組み
・フロロカーボンとナイロン、どちらを何号買えばいいか
・釣り物別の長さ(アジングからジギングまで)の取り方
・電車結びとFGノット、どちらを先に覚えるべきか
ショックリーダーとは、PEラインの先に足す「1mの保険」
まず言葉の定義をはっきりさせます。ここを曖昧にしたまま号数の話に進むと、店頭で「リーダー」「ハリス」「先糸」が並んでいて混乱します。
メインラインとルアーの間に入れる、素材の違う1本
ショックリーダーとは、リールに巻いてあるメインライン(PEラインやエステルライン)と、ルアーや仕掛けの間に結束する糸のことです。エサ釣りの世界では「ハリス」とも呼ばれます(出典)。素材はナイロンかフロロカーボンで、リールに巻いてあるPEとは別物を使うのがポイントです。
なぜ別素材かというと、PEラインと役割を分担させるためです。PEは細くて強く、伸びないので感度に優れます。ただしその長所と引き換えに、擦れに弱く、結びに弱く、衝撃を吸収できません。そこで先端の1mだけを、擦れに強くて伸びのある素材に差し替える。これがショックリーダーの発想です。
初心者がやりがちなのは「PEもリーダーも糸なんだから、同じもので長さを稼げばいい」と考えることです。実際にはPEを何十mも先に垂らしても擦れには勝てませんし、リーダー素材をリールに満タン巻くと今度は飛距離と感度が落ちます。適材適所で、先端だけ差し替えるのが合理的なのです。
判断のコツは、リーダーを「消耗品」と割り切ることです。ラインシステムの中で最初に傷むのは必ず先端側。だからこそ交換前提の短い区間として設計されていて、市販品も30m単位で売られています。
役割は3つ|衝撃吸収・根ズレ対策・結束強度の回復
ショックリーダーの仕事は、大きく分けて3つです。1つ目はキャスト時やフッキング時の瞬間的な衝撃を和らげること。2つ目は根ズレやラインブレイクの防止。3つ目は、PEの弱点である結束強度の回復です。
1つ目の衝撃吸収は、PEがほとんど伸びないことの裏返しです。伸びない糸は、魚が首を振った力をそのまま針の刺さり口に伝えます。リーダーが魚の引きや波の力を吸収してくれることで、バラシや口切れが減ります。
2つ目の耐摩耗性は、素材そのものの差です。ナイロンやフロロカーボンは、多少ラインが擦れてもある程度持ちこたえてくれる粘り強さがあります(出典)。堤防の壁、テトラの角、魚の歯、砂底の貝殻。海の中は擦れる相手だらけです。
3つ目については次のH2で詳しく扱いますが、要点だけ先に書くと、PEは結び目で大きく強度を落とします。リーダーを介した専用ノットにすることで、その落ち幅を取り戻せます。3つとも「PEの穴を埋める」という一点で共通しているのが分かると思います。
エサ釣りの「ハリス」と何が違うのか
呼び名が2つあるせいで混乱しやすいのですが、物理的にはどちらも「先端に結ぶ別素材の糸」で同じです。違うのは選ぶときの発想です。
ハリスは、魚に見切られないよう喰わせ重視で細くしたり、根掛かりしたときに仕掛けを回収しやすいよう幹糸より細くしたりと、あえて弱く作る場面があります。対してショックリーダーは、ラインブレイク防止が主目的なのでメインラインより太めを選ぶのが基本です(出典)。同じ「先糸」でも、狙っている効果が逆方向を向いているわけです。
船の吹き流し仕掛けで「ハリス3号」と言われて、ルアー用リーダーの感覚で太くすると食いが落ちることがあります。逆にルアー釣りでハリスの感覚で細くすると、キャスト切れを起こします。同じ号数の糸でも、名前が変われば設計思想が変わると覚えておくと事故が減ります。
ショックリーダー=メインラインとルアー・仕掛けを結束する先糸。エサ釣りでは「ハリス」とも呼ばれる。ハリスが喰わせや根掛かり回収のためにあえて細くすることがあるのに対し、ショックリーダーはラインブレイク防止のためメインラインより太めを選ぶ。
PEに直結すると何が起きる?強度が半分になる仕組み
「面倒だからルアーを直結でいいのでは」と考えたことがある人へ。ここが一番の山場です。数字で見ると、直結は想像以上に不利な選択だと分かります。
結び目で約50%落ちるPE、専用ノットなら80〜90%以上
PEラインには「結びに弱い」という明確な欠点があります。直結では約50%の強度低下が生じますが、専用のノットを使用することで80〜90%以上の強度を発揮できるとされています(出典)。つまり直結は、買ってきたラインの半分の性能で釣っている状態です。
理由は繊維の構造にあります。PEは極細の原糸を編み込んだ集合体で、1本の均質な糸ではありません。結び目で急角度に曲がると、外周側の原糸だけに力が集中して順番に切れていきます。しかも表面が滑るため、締め込みが甘いと結び目そのものがズレて抜けます。
ここで効いてくるのがリーダーです。リーダー素材は単一素材の「棒」に近い構造なので、結び目に力が集中しても粘ります。PE側は、リーダーに巻き付けて摩擦で固定する(結び目を作らない)ノットにすることで、急角度の折れ曲がりを避けられます。だから合計の強度が上がるのです。
判断のコツは、ラインのパッケージに書いてある強度表示を「直結なら半分」と読み替えてみることです。PE1号の表示強度がいくつであれ、直結ではその半分で切れる前提の釣りになります。ドラグ設定もその半分に合わせざるを得ず、大きい魚には何もできません。
伸びないPEは、衝撃を逃がす場所がない
2つ目の問題は伸びです。PEラインは伸びが少ないため、リーダーが魚の引きや波の力を吸収する役割を担っています。この吸収材がないと、力の逃げ場がなくなります。
具体的に困るのは、足元まで寄せてからの突っ込みです。ラインが短く出ている状態では、糸の伸びによる緩衝がほとんど期待できません。伸びないPEだけで受け止めると、針穴が広がって身切れするか、瞬間的な力がノットにかかって高切れします。40cmを超えるシーバスやイナダを掛けたときに、抜き上げ寸前でバレるパターンの多くはここです。
キャスト時も同じです。重いルアーを振り抜く瞬間、ロッドとラインには一気に力がかかります。伸びないラインは、この立ち上がりの衝撃をそのままノットに伝えます。リーダーが1mでも入っていれば、その区間が伸びて衝撃の角が取れます。
注意点として、ショック吸収を狙いすぎて長く取りすぎるのも問題です。長さの話はH2-5で扱いますが、リーダーがガイドの中に何回転も入る長さになると、キャスト時のガイド抜けが悪くなり、かえってトラブルが増えます。
スレに弱いPEは「一瞬の接触」で終わる
3つ目は耐摩耗性です。PEはスレや傷に弱く、テトラの角に一瞬触れただけ、魚の歯が一度当たっただけで、あっさり切れます。編み糸なので、外周の1本が傷つくとそこから連鎖的に破断します。
フロロカーボンは、根ズレや歯ズレに強く、岩礁帯での釣りやタチウオなどの歯が鋭い魚を狙う場合に適しています(出典)。堤防の壁際を探るヘチ、テトラ帯のロックフィッシュ、磯際のヒラスズキなど、障害物に触れる前提の釣りではリーダーの有無が釣果ではなく「回収できるかどうか」を決めます。
歯の鋭い魚を狙う釣りでは、リーダーの太さと長さの取り方がそのまま仕掛けの設計になります。タチウオのように歯が武器の魚では、船釣りでも太めのフロロを長めに使うのが定番です。

確認のコツは、釣行後に指の腹でリーダーを扱いてみることです。ザラつきや白化があれば、その日のうちに切って結び直します。見た目が無事でも、擦れた区間は強度が落ちています。
「今日は様子見だから直結でいい」と始めた日に限って良型が出ます。直結では約50%の強度低下が起きるため、ドラグを締められず、掛けても寄せきれません。さらにキャスト切れでルアーが飛んでいくと、回収不能なゴミを海に残すことになります。原因は「リーダーを結ぶ時間を惜しんだこと」の一点。対策は、釣り場ではなく自宅の机で結んでおくことです。明るい室内で落ち着いて組めば、現場の10分の1の労力で済みます。
フロロとナイロン、どちらを買えばいい?
売り場で最初にぶつかる二択です。値札も性格も違うので、何が変わるのかを先に押さえておくと迷いません。
フロロカーボンは「沈む・擦れに強い・硬い」
フロロカーボンの最大の特徴は比重です。水の比重1に対して1.78〜1.80と重いため、水中にしっかり沈みます(出典)。沈むということは、リーダー部分が水面に浮いて弧を描かないということ。ルアーとロッドが一直線に近づくので、アタリが伝わりやすくなります。
硬質でキズがつきにくく、初期伸度が低いのもフロロの特徴で、根ズレなどの耐摩耗性や感度の良さが求められる釣りに適しています(バリバス公式)。ボトムを取る釣り、岩礁帯、歯の鋭い魚。この3条件のどれかに当てはまるならフロロです。
弱点もはっきりしています。硬いため結びにくく、ノットの締め込みで手こずります。低温時はナイロンよりさらに硬くなる傾向があり、真冬の朝は巻きグセが取れずに扱いにくくなります。飛距離もやや落ちやすい傾向です。
初心者がやりがちな失敗は、硬いフロロを太番手で買って結べずに諦めるパターンです。最初の1巻きなら、扱いやすさを優先してソフトタイプを選ぶ手もあります。フロロでも柔軟性に振った製品はあり、シワは引っ張って除去できる仕様のものもあります(ヤマトヨテグス公式)。
ナイロンは「伸びる・結びやすい・安い」
ナイロンはフロロより強度が10〜20%ほど高く、柔軟性に優れ、低温でもしなやかさを保ちます。標高が高い地域や雪国で好まれるのはこのためです(出典)。伸びがあるためショック吸収性に優れ、キャスト時のトラブルも少なくなります。
見落とされがちなのが価格です。ナイロン製ショックリーダーはフロロリーダーの半額以下とされ、練習用に何度も結び直す段階ではこの差が効きます。結束の練習を100回やるつもりなら、まずナイロンで手を慣らすのは理にかなっています。
もう一つの利点が太さです。同じ強度を求めたときにナイロンのほうがフロロよりも細くできるため、より抵抗を減らした繊細な釣りができます(出典)。表層のプラグを流す釣りや、潮の抵抗を嫌う場面では、この細さが効きます。
弱点は感度と耐摩耗性で、どちらもフロロに劣る傾向です。伸びる分だけアタリはぼやけ、擦れにも相対的に弱い。ボトムをネチネチ探る釣りには向きません。
迷ったらフロロ、ナイロンを選ぶのはこの2場面
結論としては、海のルアー釣りの入り口ならフロロを1巻き買っておけば大きく外しません。堤防でも磯でも船でも、底や障害物、魚の歯に触れる可能性が常にあるからです。
ナイロンを積極的に選ぶのは2つの場面です。1つは、表層系のプラグやフロートリグなど、沈ませたくない釣り。もう1つは、真冬や寒冷地でフロロが硬くて結べないとき。柔軟性と低温特性で明確に上回ります。
逆張りの視点を1つ。実は「フロロは高感度だから初心者向き」とは限りません。硬いフロロは巻きグセが強く、ノットが甘いと締め込み中に食い込んで傷が入ります。結束が安定しないうちは、ナイロンで100%結べる方が、フロロで70%しか結べないより実釣強度は上です。素材の性能表より、自分の手が出せる再現性で選ぶ方が結果につながります。
| 項目 | フロロカーボン | ナイロン |
|---|---|---|
| 比重・沈み方 | 1.78〜1.80。水中にしっかり沈む | フロロより軽く、沈みにくい |
| 耐摩耗性 | 根ズレ・歯ズレに強い | フロロより劣る傾向 |
| 感度・伸び | 初期伸度が低く感度が高い | 伸びてショックを吸収する |
| 結びやすさ | 硬いため結びにくい | 柔軟で結びやすい |
| 向いている釣り | 底〜中層、岩礁帯、歯の鋭い魚 | 表層系、寒冷地・低温時、練習用 |
号数はPEの何倍にする?太さの決め方と3つのバランス
ここが一番の迷いどころです。ただし基準は1つだけ覚えれば足ります。
基準は「メインラインと同程度の強度」
ショックリーダーの太さは、メインラインと同程度の強度を選ぶのが一般的です。たとえばPEライン0.8号を使用している場合、ショックリーダーは3〜4号程度が目安になります(出典)。号数だけを見ると「4倍以上も太くするのか」と驚きますが、素材が違うので号数はそのまま比較できません。見るべきはLB表示(強度表示)です。
もう1つの覚え方が「PEラインの4〜5倍の太さ」という換算です。PE1号なら4〜5号が目安になります。強度で合わせても倍率で合わせても、だいたい同じところに着地するので、店頭ではこちらの方が早いでしょう。
初心者が失敗しやすいのは、号数の数字だけを見て「PE1号だからリーダーも1号」とやってしまうことです。これではリーダーが細すぎて、根ズレどころか普通のファイトで先に切れます。号数はあくまで太さの単位で、素材が違えば同じ号数でも強度は変わります。
判断のコツは、パッケージのLB表示を必ず確認することです。号数とLBの対応はメーカーが明記しており、たとえばフロロリーダーでは3号が12LB、4号が16LB、5号が20LB、8号が30LBといった具合に整理されています。
公式規格表から作った「号数・糸径・対応PE」早見表
ここで、ライン専業メーカーが公開している規格表の糸径をもとに、対応表を作ってみます。糸径の数値はサンライン公式のナイロン・フロロカーボン・エステルライン規格表から引用し、リーダー号数は前述の「同程度の強度/4〜5倍」の基準で当てはめた、海釣りの教科書調べの一覧です。
| メインPE | リーダー号数 | 糸径(公式規格表) | 主な釣り |
|---|---|---|---|
| 0.4〜0.6号 | 1.5〜2号 | 0.205mm〜0.235mm | アジング・メバリング |
| 0.8号 | 2〜2.5号(エギング)/3〜4号(強度基準) | 0.235mm〜0.330mm | エギング・ライトゲーム |
| 1号 | 2.5〜3号(エギング)/4〜5号(強度基準) | 0.260mm〜0.370mm | シーバス・エギング |
| 1.5号 | 5〜6号 | 0.370mm〜0.405mm | ショアジギング |
| 2号 | 7〜8号 | 0.435mm〜0.470mm | オフショアジギング・青物 |
エギングだけ2列に分かれているのは、実釣で使われている号数が強度基準より細めだからです。エギングでは号数1.75〜2.5号くらいが中心で、春イカや根ズレが強い場所では少し上げるという運用が一般的とされています(出典)。狙いが「飛距離とエギの動き」寄りか「強度」寄りかで、同じPE0.8号でも答えが変わるということです。
PE1.5号を使うショアジギングでは、リールの番手やラインキャパシティとセットで考えると号数が決めやすくなります。

PEとリーダー、どちらを先に切るか決めておく
号数を決めるとき、実はもう1つ考えるべき軸があります。「トラブルが起きたとき、どちらが切れてほしいか」です。組み合わせは3パターンに整理できます(出典)。
1つ目はPEとリーダーの強度が同等のパターン。結束強度が高くなる反面、結び損じがあるとPE側から高切れしやすくなります。高切れするとリーダーごと失うので、被害が大きくなります。
2つ目はPEよりリーダーを弱くするパターン(例:PE0.8号にリーダー2号)。根掛かりしたときにリーダー側が切れるので、再結束が簡単に済みます。根掛かりが多い釣り場では経済的です。
3つ目はPEよりリーダーを強くするパターン(例:PE0.8号にリーダー5号)。太いリーダーが擦れに強く、歯の鋭い魚に対応できます。ただし根掛かり時にPE側が切れるため、再結束の手間がかかります。根掛かりが少ない釣りならこの組み合わせで問題ありません。
判断のコツは、その日の釣り場を思い浮かべることです。捨て石やテトラで頻繁に引っかかる堤防なら2番、砂浜や沖の潮通しのいいポイントなら3番。この選択を意識するだけで、1日の手返しが変わります。
号数選びの基準は「メインラインと同程度の強度」または「PEの4〜5倍の太さ」。PE0.8号ならリーダー3〜4号、PE1号なら4〜5号が出発点です。そこから、根掛かりが多い場所ではリーダーを細めに、歯の鋭い魚や岩礁帯では太めに振ります。
太ければ安心、とは限らない
意外と知られていませんが、リーダーを太くするほど釣果が落ちる場面があります。太いリーダーは潮の抵抗を受けやすく、軽いルアーの姿勢を崩します。ジグヘッドが漂う角度が変われば、アタリの出方も変わります。
糸径の数字で見ると分かりやすいでしょう。2号が0.235mm、5号が0.370mmですから、5号は2号の1.5倍以上の直径です。水の抵抗は直径に比例して増えるので、1gのジグヘッドを吊るす場合、この差は無視できません。
さらに、太いリーダーはノットの結び目も大きくなります。結び目が大きいとガイドへの干渉が増え、キャスト時に引っかかって飛距離が落ちたり、最悪はガイドを傷めたりします。
だから号数は「これ以上細くすると切れる」というラインを見極めて、そのすぐ上を使うのが正解です。安心料のつもりで2番手上げると、アタリが減って原因が分からなくなります。
長さは50cmから4.5mまで|釣り物で変わる取り方
太さの次は長さです。ここは釣り物によって10倍近い差があるので、自分の釣りの数字だけ覚えれば十分です。
釣り物別の基本値|アジングは50cm、シーバスは1ヒロ
ライトソルトゲームやエギングなどの基本的なルアーフィッシングでは、ショックリーダーを1〜1.5m程度取ることが多いとされています(出典)。ここを起点に、釣り物ごとの目安を並べると次のようになります。
アジング・メバリングは50cm程度。シーバスは1ヒロ(150cm)。エギングは80cm前後。ジギングは3ヒロ以上(4.5m以上)。青物のキャスティングは2〜3ヒロ(3〜4.5m)が目安です(出典)。ライトゲームとオフショアで、これだけ差が開きます。
なぜ差が出るかというと、対象魚の大きさと、ラインが触れる相手が違うからです。20cm前後のアジ相手に4mのリーダーは要りません。逆に大型の青物が突っ込む釣りでは、魚体そのものにラインが擦れる区間が長くなります。
エギングで80cm前後という短めの設定になるのは、エギの動きを殺したくないからです。エギの号数選びとセットで考えると、リーダーの太さと長さの意味が見えてきます。

長さを決める4つの要因
釣り物別の目安から外れる場面もあります。そのときは4つの要因で判断します。キャスティング性、魚の体長、釣り場環境、ルアー操作性です。
キャスティング性は、竿の長さと振りやすさの問題です。リーダーが長すぎてノットがリールに巻き込まれる状態だと、キャスト時にガイドで引っかかります。目安として、垂らしを取ったときにノットがロッドの中間より上に来ないくらいに収めると扱いやすくなります。
魚の体長も判断材料です。背びれが鋭い魚や歯の鋭い魚を狙うときは、体長より長くするのが基本。魚が反転したときに、魚体の長さぶんはラインが体に触れるからです。
釣り場環境では、障害物が多い場所ほど長めに設定します。テトラ帯や磯場では、足元の岩に触れる区間をリーダーでカバーします。ルアー操作性の観点では、深いポイントを狙うときに長めにすると操作しやすくなります。
シーン別の使い分け|自分がどのタイプか決める
読者タイプごとに、最初に買う1巻きを提案します。まず「堤防でサビキとちょい投げから始めたい人」。この段階ではPEを使わない仕掛けも多いので、リーダーは急ぎません。ルアーに手を出す段階で、フロロの2〜3号を1巻き用意すれば足ります。
次に「アジング・メバリングから入る人」。長さ50cm程度なので、細番手の30m巻きで何十回も結び直せます。0.8〜1.5号あたりの細い番手が中心になります。
「エギングをやりたい人」は、フロロの2〜2.5号を80cm前後で。PE0.6号なら1.5〜2.0号、PE0.8号なら2.0〜2.5号、PE1.0号なら2.5〜3.0号が目安です。
「船で青物を狙いたい人」は、太番手を長く使うので消費量が多くなります。ジギングでは最低でも1m、一般的には2〜3ヒロ(3〜4.5m)以上を取るため、5号以上を長巻きで持つのが現実的です。相模湾のような大型青物が出るエリアでは、3〜5号程度の太めが推奨されます。
ルアー交換のたびに切って結び直していると、1〜1.5mで組んだリーダーが気づけば30cmになっています。この状態は「ノットがガイドの外に出っぱなし」で、キャストのたびに結び目がトップガイドに当たります。原因は、結び直すたびに数cmずつ短くなることを計算に入れていないこと。対策は、ルアー交換3回ごとに残り長さを目視することと、リーダーが穂先から出る長さまで縮んだら潔く全部組み直すことです。
結び方は2つ覚えれば足りる|電車結びとFGノット
ノットは無数にありますが、海のルアー釣りで最初に覚えるべきは2つだけです。
まずは電車結び|ユニノットを2つ並べるだけ
電車結びは、ユニノットを2つ利用した結び方で、慣れれば短時間で結べます。ライン同士の結束でもっとも一般的な方法とされています(出典)。PEとリーダーを並べて、それぞれの端糸で相手の糸にユニノットを作り、最後に引き寄せて2つの結び目を密着させます。
ユニノットの結び方はとても簡単で覚えやすく、結ぶ時間もかからず、誰が結んでも比較的安定した結節強度が得られます。ラインを巻き付ける回数は5〜6回がベストとされています。この「5〜6回」を守るかどうかで、締め込み時の抜けやすさが変わります。
初心者がやりがちな失敗は、巻き付け回数を3回程度で済ませることです。PEは表面が滑るので、回数が足りないと締め込み中にスルッと抜けます。逆に10回以上巻くと結び目が大きくなり、ガイド抜けが悪化します。
判断のコツは、締め込む前にノット全体を湿らせて、しっかりと締め込むことです。乾いたまま締めると摩擦熱で糸が傷み、見た目は組めていても強度が出ません。
PE1号以上ならFGノットに進む
次のステップがFGノットです。FGノットは結束強度が高く、結び目は小さく細く仕上げることができるので、ロッドガイドへの干渉も少なくて済みます(出典)。PE1号以上の高強度結束ではこちらが基本になります。
電車結びと構造が根本的に違うのがポイントです。電車結びはPEに「結び目」を作りますが、FGノットはPEをリーダーに編み込んで摩擦で固定します。PEに急角度の折れがないぶん、PE側の強度低下が小さくなります。
デメリットは習得コストです。編み込みの手順が多く、最初の数十回はまともに組めません。ただし習熟すれば強度を保ったまま結べるので、遠投する釣りや大型を狙う釣りをするなら投資に見合います。
他にも、細いライン向けのトリプルエイトノット、ガイド抜けの良いノーネームノット、ダブルラインでループを作るビミニツイストなどがあります。ノットの手順図はライン・ルアーメーカーが公開しており、バリバスのノット一覧のような公式ページで確認できます。
締め込みの失敗を見抜く3つのサイン
結べたつもりで釣り場に立って、1投目で切れる。この事故は締め込み不良が原因です。組み終えた直後に3点だけ確認します。
1点目は、結び目に白い部分がないか。摩擦熱で樹脂が傷むと白化します。白くなっていたら組み直しです。2点目は、両手でゆっくり引いてズレないか。ズレる感触があれば巻き付け回数か締め込みが足りていません。3点目は、端糸の処理です。切り残しが長いとガイドに引っかかり、短すぎると結び目が抜けます。
現場でのやり直し判断も決めておきましょう。根掛かりを外したあと、大型を掛けたあと、テトラ際で擦った直後。この3つのタイミングでは、切れていなくてもリーダーを触って確認します。
やり直しに抵抗があるなら、自宅で予備のリーダーを何本か作っておく方法もあります。必要な長さに切って小分けしておけば、現場ではリーダーとルアーを結ぶだけで復帰できます。
買う前に迷う4つの疑問|巻量・価格・交換時期
最後に、売り場と釣行後で迷いやすいポイントをまとめます。
30m巻きと50m巻き、どちらを買うか
市販のショックリーダーは30m単位で販売されているものが多く、複数回の交換に対応できる長さになっています。ライトゲームやエギングのように1回あたり50cm〜1.5mしか使わない釣りなら、30m巻きで20回以上は組めます。
一方、ショアジギングなどの遠投が求められる釣りでは、50m巻き以上の長さが適切とされています(出典)。1回に2〜4.5m使ううえ、擦れによる交換頻度も高いためです。
号数によって巻量の設定が変わる点にも注意します。たとえばあるフロロリーダーでは、0.6号から3号までが30m袋タイプ、3.5号から7号が20m袋タイプ、8号が15m袋タイプ、8号以上の箱タイプが30m巻きという構成になっています。太くなるほど1巻きの長さが短くなるので、同じ「1巻き」でも使える回数は変わります。
判断のコツは、1シーズンで何回組み直すかを数えることです。月2回の釣行で毎回2組み直すなら、シーズンで24回。1回1.5mなら36m必要になる計算です。
価格はどれくらい見ておけばいいか
フロロリーダーの価格帯を、メーカー公式の希望小売価格で確認しておきます。あるフロロカーボン製ショックリーダー(マジカルピンク・50m巻き)では、3号(12LB)が2,650円、4号(16LB)が2,900円、5号(20LB)が3,100円、6号(22LB)が3,300円、7号(25LB)が3,550円、8号(30LB)が4,000円と公式に表記されています。10号・12号はオープンプライスです。
号数が上がるほど価格も上がりますが、上がり方は緩やかです。3号と8号の差は号数で2倍以上あるのに、価格差は1.5倍程度に収まっています。太番手を使う釣りをするなら、迷って細番手を買うより必要な号数を1巻き買った方が結果的に安く済みます。
ナイロン製ショックリーダーはフロロリーダーの半額以下とされているので、練習用や表層系の釣り用に1巻き足しておくのも手です。ノットの練習に何十回も使う前提なら、この差は効きます。
なお、実売価格は店舗やタイミングで変わります。ここで挙げたのはメーカーが公表している希望小売価格なので、実際の店頭ではこれと異なる場合があります。
| 素材・分類 | フロロカーボンライン(ソルトルアー用ショックリーダー) |
| 巻量・カラー | 50m/マジカルピンク(平行巻で表面の凹凸を低減) |
| ラインナップ | 3号(12LB)/4号(16LB)/5号(20LB)/6号(22LB)/7号(25LB)/8号(30LB)/10号(35LB)/12号(40LB) |
| 向いている用途 | 初期低伸度設計でアクション伝達を重視する釣り(ジギング・プラッギング) |
交換のタイミングは「指で触ってザラつくか」
リーダーの寿命は時間ではなく、擦れの履歴で決まります。判断基準は単純で、指の腹で扱いてザラつきがあれば交換です。
根掛かりを強引に外したあと、魚を取り込んだあと、テトラや壁際を探ったあと。この3つのタイミングでは必ず触って確認します。特に歯の鋭い魚を釣ったあとは、ルアーの直近30cmに歯の跡が入っていることがあります。
やりがちな失敗は「見た目がきれいだから大丈夫」と判断することです。フロロは硬質でキズがつきにくい素材ですが、それは「傷が入らない」という意味ではありません。細かい擦れは目視では分かりにくく、指の感触の方が確実です。
迷ったら切る、が正解です。リーダー1mの原価より、ルアー1個と魚1匹の方がはるかに高くつきます。
ナイロンのミチイトが余っています。これをリーダーに転用できますか?
素材としては同じナイロンなので結束はできます。ただしリーダー用のナイロンは低吸水性設計や耐摩耗性を意識した製品が多く、ミチイト用とは設計思想が異なります。短期の代用と割り切り、擦れの多い釣りではリーダー用の製品を使ってください。
リーダーの色は魚に見えますか?クリアの方が有利でしょうか。
クリアが定番ですが、色つきの製品もあります。ピンク系のカラーは、魚から見えにくい色の波長に関する研究データをもとに設計されたと説明されており、釣り人からの視認性と魚からの見えにくさを両立させる狙いです。まずはクリアから使い、見えにくさが気になる場面で試すとよいでしょう。
スプールの巻きグセが強くてクルクルしてしまいます。
ソフトタイプのフロロなら、シワは引っ張って除去できる仕様の製品もあります。必要な長さに切ってから、両端を持って数回ゆっくり引くと直りやすくなります。それでも戻る場合は、そのスプールの内側部分まで使い切っているサインです。
まとめ|ショックリーダーとは、PEの弱点を1mで埋める部品
最初の一歩としておすすめしたいのは、釣り場に行く前の夜に、自宅の机で電車結びを10回練習することです。明るい部屋で座って組めば、巻き付け5〜6回の感覚と、湿らせてから締め込む手順が体に入ります。この2つさえ再現できれば、暗い堤防や揺れる船の上でも組み直せるようになります。号数と長さは、この記事の早見表から自分の釣りの行に合わせて選べば大きく外しません。
※製品スペック・価格・ラインナップは変更されることがあります。購入前に各メーカーの公式サイトで最新情報をご確認ください。
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