落とし込みの仕掛けは、釣り物のなかでも消耗の早いパーツです。青物にハリを伸ばされ、根魚に幹糸を擦られ、ベイトを外すときに枝スが縮れる。1枚が使い物にならなくなるたびに財布が軽くなるので、「これ、自分で巻けないのか」と考えるのは自然な流れです。
結論から書くと、落とし込みの仕掛けは自作できます。船用の6本バリでも、材料を揃えて巻けば1枚230円程度で作れるという報告があり、市販の完成仕掛けが1個税込み800円程度することを考えると差は小さくありません。ただし、自作の本当の価値はコストではなく「ハリの間隔とハリスの太さを自分の釣り場に合わせられること」にあります。
この記事では、船の青物狙いと堤防のクロダイ狙いという2つの「落とし込み」を分けたうえで、材料・号数・結び方・組む順番を数字で整理します。市販品との比較、失敗しやすい箇所、保管の仕方まで、最初の1枚を巻き切るために必要なことだけを順番に並べました。
・船の落とし込みと堤防のヘチ釣り、自作で必要になる材料の違い
・枝ス5~14号・幹糸7~18号という号数が、狙う魚でどう決まるのか
・外掛け結び・8の字結び・ハーフヒッチの3つで6本バリを組む手順
・市販品297円~5,605円と自作230円程度の、本当の比較ポイント
落とし込み仕掛けを自作すると、何が変わるのか

自作に踏み込む前に、どこが変わるのかをはっきりさせておきます。安くなるのは事実ですが、それだけを目的にすると途中で面倒になって続きません。
船と堤防、同じ「落とし込み」でも中身は別物
まず整理しておきたいのは、落とし込みという言葉が2つの釣りを指している点です。船の落とし込みは、サビキ仕掛けで生きたベイトを掛け、その小魚をそのまま泳がせてフィッシュイーターを狙う釣り。九州・玄界灘が発祥とされ、青物(カンパチ、イナダ、ヒラマサ)やマハタ、アコウなどの根魚が相手になります。九州の船では例年10月~12月が盛期とされますが、海況で前後します。
一方、堤防で落とし込みと呼ばれるのはヘチ釣り・前打ち釣りのことで、壁際にイガイやカニ、モエビを落として、それらを捕食しているクロダイ(チヌ)を狙います。つりハックの解説でも「堤防の壁際にエサを落とし、貝類やカニなどを捕食しているクロダイを狙う釣り方」と定義されています。
この2つは、必要な材料も号数も別系統です。「落とし込み 仕掛け 自作」で検索して出てきた手順をそのまま真似すると、堤防用の情報で船の仕掛けを巻こうとして噛み合わなくなります。自分がどちらをやるのかを先に決めてください。
堤防側のヘチ釣りそのものの入門は、こちらで先に押さえておくと仕掛けの意味が分かりやすくなります。

堤防の壁際にエサを落とすだけ、という説明を読んで「本当にそれで釣れるのか」と思ったことはないでしょうか。遠投もせず、ウキも使わず、足元1本を上から下まで探るだけ…
市販品297円~5,605円に対して、自作は230円程度
コスト面を先に片付けます。落とし込み用のサビキ仕掛けは市販品が297円~5,605円と価格帯が広く、5枚~10枚のセット販売が主流です。単品で見ると1個税込み800円程度という水準が一般的で、一方で材料から巻いた場合は230円程度で作れたという例が公開されています。
差が出る理由は単純で、市販品の価格にはハリの選別・結束・パッケージングの手間が乗っているからです。自作ではその手間を自分の時間で肩代わりします。つまり「安くなる」のではなく「時間と引き換えに安くなる」が正確な表現です。
ここで初心者がやりがちなのが、最初から10枚分の材料をまとめ買いして、3枚巻いたところで飽きてしまうパターンです。ハリやフロロは余っても次に使えますが、モチベーションは戻ってきません。最初は2~3枚分の材料に絞り、巻き上がりを実釣で試してから買い足す方が結果的に無駄が出ません。
| 項目 | 自作 | 市販の完成仕掛け |
|---|---|---|
| 1枚あたりの目安 | 230円程度 | 1個税込み800円程度(流通価格は297円~5,605円と幅がある) |
| ハリ間隔・ハリス号数 | 自由自在に調整できる | 規格が決まっている |
| 準備の手間 | 手間と時間と経験が要る | 開けてすぐ使える |
| 品質のばらつき | 結束の腕に左右される | 統一されている |
実は、自作の狙いはコストより「ハリ間隔とハリスの太さ」
意外と知られていないのですが、自作を続けている人がいちばん価値を感じているのは節約ではありません。市販の落とし込み仕掛けについて「手間と時間と経験が必要ですが、慣れたら簡単で自分好みに針間隔やハリスの太さを自由自在に調整できます」と説明されているとおり、調整の自由度こそが本体です。
なぜ調整が効くのかというと、落とし込みはベイトの種類とサイズで最適解が変わる釣りだからです。イワシが薄い日と小サバが湧いている日では、ハリに掛けたいベイトの大きさも、掛かったベイトが暴れる幅も違います。市販品は最大公約数で作られているので、その日の群れに寄せたい場合は自作が早い。
具体的に差が出るのは、ベイトは掛かるのに本命が食わない日です。枝スが長すぎてベイトが自由に泳ぎ回り、幹糸に絡んで死んでしまう。こうなると仕掛け全体が沈黙します。枝スを数cm詰めるだけで生き残る時間が延びるので、現場で1枚だけ短い仕掛けを持っておくと比較ができます。
判断の目安はシンプルで、回収した仕掛けのベイトが「掛かったまま元気か」を毎回見ること。弱ったベイトばかり上がってくるなら、枝ス長かハリのサイズを疑います。
材料は5点だけ|買う前に決めておく3つの数字
船用の6本バリを想定すると、買い物リストは意外と短く済みます。ここで決めておく数字は「狙う魚」「ハリ数」「全長」の3つです。
フロロカーボンは幹糸用と枝ス用で2種類
ラインはフロロカーボンを2種類用意します。公開されている自作例では、幹糸用に10号、エダス用に8号という組み合わせが使われています。フロロを選ぶ理由は根ズレに強く、水中での視認性が低いから。青物の歯や根のある場所を通す落とし込みでは、この2点が効きます。
号数が2種類必要なのは、幹糸と枝スに求められる役割が違うからです。幹糸は仕掛け全体を吊るして魚の引きを受け止める背骨で、枝スはベイトと本命の両方を掛ける現場の糸。同じ号数で巻くと、切れてほしくない側が先に飛ぶことがあります。
フロロは8号クラスで624円~2640円と価格に幅があります。安いほうが悪いわけではありませんが、ハリス用として売られている短尺の巻きは単価が高くなりがちなので、自作前提なら大きめの巻きを1つ持っておくほうが結果的に安く上がります。
注意したいのは、買ったまま何年も放置したフロロを使うこと。紫外線と熱で劣化した糸は、結束部から静かに飛びます。巻き癖が強く出るようになったら交換のサインです。
ハリは「平打ち加工」と書かれたものを選ぶ
ハリは落とし込み専用として売られているものを使うのが確実です。専用バリはフトコロ幅がチヌバリ5号程度と狭く設計され、平打ち加工で強度を確保しています。さらにホログラムシートやスキン、フラッシャーで「きらめき」を持たせてあるのが特徴です。
狭いフトコロには理由があります。落とし込みのハリはまずベイトの口や体に掛からなければ始まらないので、小魚が吸い込める幅に収める必要がある。一方で掛かった後は青物の引きを受けるため、線径を細くするわけにいかない。その矛盾を平打ち加工(ハリの軸を潰して断面を広げる処理)で解決しています。
堤防のクロダイ狙いなら話は別で、チヌバリ2~5号(標準は4~5号)を使い、大型を見据えるなら海津バリ9~15号まで上げる選択肢もあります。チヌバリは100本セットで500~1000円程度のものもあり、1本単位でも買えます。
フラッシャーとスキンは、地域で使い分けが分かれる
装飾素材は好みの世界に見えて、地域差がはっきり出るパーツです。関東ではスキンや魚皮が有効とされ、九州ではフラッシャーなど光る素材が効果的とされています。同じ落とし込みでも、ベイトの種類と水色の傾向が違うためです。
自作の利点はここでも出ます。市販品は1枚のなかで素材が統一されていることが多いのですが、自作なら6本のうち上3本をスキン、下3本をフラッシャーにして、どちらにベイトが掛かるかを1流しで確かめられます。答えが出れば次の1枚は片側に寄せればいい。
失敗しやすいのは、装飾を盛りすぎてハリのフトコロを埋めてしまうケースです。フラッシャーの束が太いと、ベイトが吸い込んでもハリ先まで届きません。束は「ハリ先が隠れない量」が上限だと考えてください。
サルカンと、買う前に決める3つの数字
残りはサルカンとスナップサルカンです。上部に道糸と繋ぐサルカン、下部にオモリを付け替えるスナップサルカンを結びます。このスナップが安物だと、オモリ交換のたびに開いて仕掛けごと落とすので、ここはケチらないほうが安全です。
材料を買う前に、次の3つを先に決めておくと迷いません。1つ目は狙う魚。2つ目はハリ数で、船の落とし込みは6本が標準です。3つ目は全長で、2.5~4.0mの範囲に収めます。この3つが決まれば、必要なフロロの長さもハリの数も自動的に決まります。
| ライン | フロロカーボン/幹糸用10号・エダス用8号(自作例) |
| ハリ | フトコロ幅チヌバリ5号程度・平打ち加工・フラッシャーまたはスキン付き |
| ハリ数と枝ス | 6本が標準/エダス長は約10cm、枝スは15cm以内 |
| 全長 | 2.5~4.0m |
| 接続金具 | 上部にサルカン、下部にスナップサルカン |
ハリ選びでつまずく人が多い、たったひとつの理由

落とし込みのハリは、他の釣りのハリと設計思想が違います。ここを理解しないまま号数だけ真似すると、ベイトが掛からない仕掛けが出来上がります。
1本のハリが2つの仕事を掛け持ちしている
落とし込みの最大の課題は、ハリが2つの役割を担うことです。小魚を掛ける擬餌バリと、大型魚を掛ける本命バリの両立が必要になる、と船釣りマガジンの解説でも指摘されています。サビキ釣りのハリでもなく、泳がせ釣りのハリでもない、その中間に立つ特殊な設計です。
擬餌バリとして見れば、小さく軽く、きらめきがあるほど有利。本命バリとして見れば、太く強く、開かないほうが有利。この正反対の条件を1本でまとめるために、専用バリはフトコロを狭めたうえで平打ち加工を入れています。
だから「手持ちのサビキ仕掛けで代用しよう」は成立しにくい。ベイトは掛かっても、青物が食った瞬間にハリが伸びます。逆に泳がせ用の太軸を使えば、ベイトがそもそも掛かりません。
号数を上げすぎる失敗が、いちばん多い
初めて自作する人がやりがちな失敗の1つ目が、対象魚に合わせてハリの号数を上げてしまうことです。「ヒラマサを狙うのだから大きいハリを」と考えると、ベイトが吸い込めないサイズになり、そもそも1匹も掛からないまま1日が終わります。
原因は、落とし込みのハリサイズがベイト基準で決まるという前提が抜けていること。相手が何kgの青物でも、最初に掛けるのはイワシや小サバ、小アジといった小魚です。専用バリのフトコロ幅がチヌバリ5号程度に収められているのは、この順番を守るためです。
対策は、ハリのサイズは動かさず、糸の号数で強度を確保すること。大型狙いで上げるのは枝スと幹糸であって、ハリの号数ではありません。この切り分けができると、仕掛けの設計がぐっと楽になります。
堤防と船で、選ぶハリはここまで違う
同じ落とし込みという呼び名でも、堤防と船ではハリの選択が分かれます。堤防のヘチ釣りはチヌ鈎の2~5号程度を使い、フロロカーボンの1.5~2号前後のハリスに結ぶのが基本です。エサはイガイやカニ、モエビで、ベイトを掛ける工程がありません。
つまり堤防側のハリは最初から本命バリ一本槍。エサをしっかり保持して、クロダイの吸い込みで掛かることだけを考えればよい。だからフトコロの狭さや平打ち加工といった船用の要件は必須ではなくなります。
| 用途 | ハリと号数 | 結ぶハリス |
|---|---|---|
| 堤防のヘチ釣り(標準) | チヌバリ2~5号(標準4~5号) | フロロカーボン1.5~2号 |
| 堤防で大型を見据える場合 | 海津バリ9~15号 | フロロカーボン1.5~2号を基準に調整 |
| 船の落とし込み | フトコロ幅チヌバリ5号程度・平打ち加工 | 枝ス5~14号(狙う魚で選択) |
枝スと幹糸の号数は、狙う魚だけで決まる
号数表を丸暗記する必要はありません。「何を掛けたいか」から逆算すれば、枝ス5~14号・幹糸7~18号という幅のどこに立つかは自動的に決まります。
そもそも枝スと幹糸は、どこを指す言葉か
自作の解説を読んでいて最初に引っかかるのが用語です。ここを取り違えると、太い号数を細い側に巻いてしまいます。
幹糸=仕掛けの背骨にあたる1本の糸。上のサルカンから下のスナップサルカンまでを貫き、魚の引きとオモリの重さを受け止める。
枝ス(エダス)=幹糸から横に出る短い糸で、先端にハリが付く。落とし込みでは15cm以内の短さが特徴。
枝スが短いのは、ベイトを掛けたまま泳がせるためです。長いとベイトが自由に動きすぎて幹糸や隣の枝スに絡み、弱って本来の役割を果たせなくなります。自作例ではエダス長を約10cmに揃えており、これなら6本が並んでも互いに干渉しにくい。
イナダクラスとヒラマサ狙いで、号数はここまで上がる
具体的な数字を置きます。イナダクラスを想定するなら枝ス5~8号、幹糸7~12号。ヒラマサ狙いまで見るなら枝ス14号前後、幹糸16~18号まで上げます。同じ6本バリでも、糸の太さは倍以上違ってきます。
なぜ幹糸のほうが常に太いかというと、幹糸には6本分のハリと、掛かった魚と、底を取るオモリの負荷が同時に乗るからです。枝スが飛べばハリ1本を失うだけですが、幹糸が飛べば仕掛け全体が海に残ります。
迷ったときの考え方は、船宿から指定がある場合はそれに従うこと。指定がなければ、その海域で想定される最大サイズに合わせるのではなく、実際に多く掛かるサイズに合わせて、1段階だけ余裕を持たせるのが現実的です。太すぎる仕掛けはベイトの掛かりが落ちます。
全長2.5~4.0mをどう割り振るか
仕掛け全長は2.5~4.0mが標準的な範囲です。この長さを6本のハリで割ると、ハリ間隔は自然と決まります。短めに組めばベイトの群れが薄い日でも一点を集中して探れ、長めに組めば広いタナを一度に探れます。
気をつけたいのは、船の高さと取り込みの動線です。長い仕掛けは、魚が付いた状態で抜き上げると手が届かない位置にハリが残り、隣の釣り座まで振り回してしまうことがあります。同船者との距離が近い乗合では、短めに組むほうが安全です。
自作なら、この全長とハリ間隔を自分の船・自分の身長に合わせて刻めます。市販品では選べない部分なので、2枚目以降は長短を1枚ずつ作って比べてみてください。
6本バリを組む手順|覚える結びは3つだけ

結び方は無数にありますが、落とし込みの自作で必要になるのは外掛け結び・8の字結び・ハーフヒッチの3つです。これ以上は当面いりません。
外掛け結び|ハリとハリスを繋ぐ基本
ハリとハリスの接続は外掛け結びを使います。ある程度の太さのハリスに向いているので、大物釣りでも基本の結びとされています。巻き数は約5回前後が目安です。
太いハリスに向く理由は、締め込んだときにハリの軸へ巻きが均等に並びやすいからです。枝ス14号のような太糸は、細糸向きの結びでは締まりきらずに滑ります。より強く締め込みたい場合は、マクラ付き外掛け結びという強化版もあります。
失敗しやすいのは締め込みの加減です。しっかり締め込まないとすっぽ抜け、逆に細いハリスで締め込みすぎると強度低下の可能性があります。締める前に結び目を水か唾で湿らせ、ゆっくり力を掛けるのが基本動作です。
8の字結び|枝を上向きに出すための結び
幹糸に枝スを固定するのは8の字結びです。ダイワの結び方解説では「誰でも比較的簡単に、かつ他の結び方にも引けを取らない強度になる結び方」と説明されており、サルカンなどの接続具にも使えます。
基本手順は、糸の先端を二重に折り返す→半分のところで折り返して輪を作り、その中に二重にした先端を通す→ゆっくり引っ張って8の字形を作り、輪が2~3cm程度になるまで締める、という流れです。8の字枝結びにすると、枝を間違いなく上向きに出せます。
枝が下向きに出てしまうと、ベイトが幹糸に沿って下に潜り、絡みの原因になります。巻き終わったら6本すべてを上向きに揃えて、指で弾いてみてください。1本だけ向きが違うことがよくあります。
ハーフヒッチ|枝スを直角に立てる仕上げ
最後にハーフヒッチで枝スを幹糸に対して直角に調整します。この一手間で、枝スが幹糸に寝るのを防げます。地味な工程ですが、絡みの発生率が変わるので省略しないでください。
直角が効くのは、落とし込みが「止めて待つ」釣りではなく、常に仕掛けが動いている釣りだからです。潮を受けて幹糸が斜めになっても、枝スが立っていればハリとベイトが幹糸から離れた位置を保てます。
1枚目は「測って巻く」、2枚目から「感覚で巻く」
手順そのものは単純ですが、1枚目で崩れるのはハリ間隔の均等さです。目分量で巻くと、上3本が詰まって下3本が間延びした仕掛けになり、ベイトの掛かり方に偏りが出ます。
対策は、机に定規かメジャーをテープで固定し、幹糸を伸ばした状態で結ぶ位置に印を付けてから巻くこと。エダス長も約10cmで揃え、切り出してから結ぶと迷いません。2枚目からは手の幅で当たりが付くようになります。
仕掛け自作の作法そのものは、他の釣り物でも共通します。より簡単な仕掛けで手を慣らしたい人は、こちらから入ると挫折しにくいはずです。

堤防のヘチ仕掛けは、たった3点で完成する
船用を先に見ると身構えてしまいますが、堤防のクロダイ狙いは拍子抜けするほど単純です。自作の第一歩としてはこちらから入るほうが早い。
ウキも目印も付けない、極軽量の仕掛け
チヌの落とし込み釣りは、小さいもので0.5g(Bサイズ)のガン玉と釣り針とエサだけの極軽量の仕掛けで、ウキも目印も付けません。Honda釣り倶楽部の解説でもそう整理されています。
なぜこれで成立するかというと、狙うのが足元の壁際で、アタリは糸の動きと手元で取るからです。ウキを介さないぶん、エサが自然に落ちる。クロダイはイガイやカニが壁から剥がれて落ちる動きに反応しているので、余計な浮力は不利に働きます。
組み方はハリのチモトにペンチを使ってガン玉を噛ませるだけ。ハリスの号数と長さ、ガン玉のサイズだけが調整項目になります。自作という言葉が大げさに感じるくらい、材料が少ない仕掛けです。
ガン玉はB~3Bが基本|重さ早見表
ガン玉はB~3B程度の範囲で調整するのが基本です。軽いオモリほど食いが良くなりますが、強風時には重めのオモリが必要になります。潮が速い場合は重めを、そうでなければ軽めを選択する、という使い分けです。
実際のグラム数を把握しておくと、風や潮に合わせた交換の判断が速くなります。以下は公開されているガン玉の重さを海釣りの教科書で一覧に整理したものです。
| サイズ | 重さの目安 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 1号 | 約0.1g | 無風・潮が緩く、落下を極力ゆっくり見せたいとき |
| B | 約0.5g | 標準域の下限。食いを優先したい場面 |
| 2B | 約1.0g | 軽い風や緩い流れが出てきたとき |
| 3B | 約1.5g | 標準域の上限。壁際の流れが効いている場面 |
| 4B | 約2.0g | 風と潮が重なり、糸が持って行かれるとき |
| 5B | 約2.5g | 速い潮に対応する上限側の選択肢 |
ガン玉は複数サイズがセットになったものが約100~200円程度で手に入ります。1種類だけ持っていくと、その日の条件に合わせられません。
オモリの号数とグラムの対応を全体として押さえておくと、ガン玉以外の釣りでも判断が速くなります。

船宿の予約ページに「オモリ80号統一」と書いてあった。ネットで買おうとしたら商品ページの表記は「300g」だった。同じものなのか、別物なのか——海釣りを始めて最…
ハリスは1.5号を標準に80~100cm
堤防側のハリスは、フロロカーボン1.5号を標準に80~100cmの長さを取るのが基本です。より繊細な状況では細くて1号まで落とす調整もできます。根ズレに強い素材を選ぶ理由は、狙う場所が壁際でカキ殻や貝類が付いているからです。
ミチイトは蛍光グリーンなど視認性の高い2号ナイロンを50~100m巻きで使います。糸の動きでアタリを取る釣りなので、見えることが性能になる。竿は2.4~2.7mで、8対2という極先調子が使われます。
リールはギヤ比1対1のタイコ型リールが定番です。スピニングリールなどに比べて大幅に軽く、親指ひとつでスプールを回転させてイトを送り込めます。この「送り込み」がヘチ釣りの核心なので、道具立てもそこに最適化されているわけです。
堤防のヘチ仕掛けを組む前に、合わせる竿の長さと調子の基準も押さえておくと準備がそろいます。

自作でつまずく場所と、タイプ別の組み方
ここまでの手順どおりに巻けば形にはなります。最後に、巻いた後に起きるトラブルと、読者タイプ別の落としどころを押さえておきます。
すっぽ抜けの9割は、締め込みの加減で決まる
自作でいちばん多い失敗の2つ目が、ハリ結びのすっぽ抜けです。しっかり締め込まないとすっぽ抜け、逆に細いハリスで締め込みすぎると強度低下の可能性がある、という両面があります。
起きる状況は決まっていて、巻き上げ途中に急に軽くなり、回収するとハリだけがない。結び目の先端が真っ直ぐ伸びていれば締め込み不足、結び際が白く変色していれば締めすぎを疑います。
巻き上げた6本のうち1本だけハリが消えていたら、その枝スの結びを疑ってください。1本抜けるということは、残り5本も同じ癖で巻かれている可能性が高いという意味です。船上で気づいたら、その仕掛けは予備と交換し、帰ってから全部巻き直すのが安全です。
タイプ別|自作をどこから始めるか
読者の状況で、最初に巻くべき仕掛けは変わります。これから船の落とし込みに初めて乗る人は、自作は帰ってからにして、1枚目は市販品を使うのが無難です。船宿指定の号数を確認してから、同じ構成を自作で再現するほうが遠回りに見えて確実です。
堤防でクロダイを狙う人は、いまこの瞬間から自作で構いません。ハリ・ハリス・ガン玉の3点だけなので、チヌバリ4~5号とフロロ1.5号、ガン玉のセットがあれば足ります。
すでに船の落とし込みを何度かやっている人は、枝ス長とハリ間隔を変えた比較用の仕掛けを作る段階です。市販品と自作を交互に使って、掛かり方の差を見てください。
ヒラマサクラスの大型を狙う人は、枝ス14号前後・幹糸16~18号という太さを結べる手が先です。太糸は細糸と同じ感覚では締まらないので、家で数回練習してから本番に持ち込みます。
巻きだめと保管|盛期前にまとめて作る
自作の効率が上がるのは、シーズン前にまとめて巻く運用です。九州の船では例年10月~12月が盛期とされるので、その前に数枚を用意しておけば、釣行のたびに慌てずに済みます。
保管で気をつけるのは、6本のハリが互いに絡まないようにすること。仕掛け巻きに順番どおり巻き取り、枝スの向きを揃えて留めます。フラッシャーが潰れると光り方が変わるので、押し込みすぎないこと。
自作が向かない場面もある
最後に正直に書いておくと、自作が常に正解ではありません。釣行前日の夜に慌てて巻いた仕掛けは、結束が甘くなりがちです。時間がないときは市販品を使い、余裕のある日に巻きだめしておく。この切り分けができる人が、結果的に自作を長く続けています。
また、初めて行く船宿で指定号数が分からない場合も、自作は保留が無難です。ハリ数や全長にローカルルールがあることもあり、独自に作った仕掛けが使えないことがあります。予約時に確認してから巻けば、材料が無駄になりません。
まとめ|落とし込み仕掛けの自作は、号数と結び3つで完成する
落とし込みの自作でつまずく人の多くは、号数表を先に覚えようとして手が止まっています。順番は逆で、狙う魚を1つ決めれば、枝スと幹糸の号数はその時点で決まり、ハリは専用バリのまま動かさない。残るのは結びの練習だけです。まずは堤防のヘチ仕掛けを1組、ハリ・ハリス・ガン玉の3点で組んでみてください。船用の6本バリは、外掛け結びが安定してからで十分間に合います。
※号数の指定や仕掛けの決まりは船宿・釣り場ごとに異なり、価格も変動します。釣行前に最新情報を公式の案内でご確認ください。

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