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江ノ島の釣りは釣り禁止エリアの見極めが9割|湘南大堤防と表磯・裏磯の歩き方

江ノ島で釣りをしようと調べ始めると、最初にぶつかるのは「結局どこで竿を出していいのか」という壁です。観光地のど真ん中にある島なのに、釣り場情報サイトごとに書いてあるポイントが違い、過去には全面釣り禁止になった時期の記事も検索結果に残っています。魚の話にたどり着く前に迷ってしまう人が多い場所です。

結論から言うと、江ノ島の釣りは「湘南大堤防を起点に、禁止エリアの境界を覚えてから広げる」のが最短ルートです。島内には釣りができる場所と、はっきり禁止されている場所が混在していて、その境界はバリケードと看板で示されています。ここを外さなければ、あとは足場の良し悪しと装備の問題に整理できます。

この記事では、島内で釣りが禁止されているエリアの具体的な場所から始めて、湘南大堤防・西浦漁港・表磯・裏磯という性格の違う釣り場の使い分け、磯靴とライフジャケットの基準、車で行くときに効いてくる駐車場と夜間の車両規制、そして仕掛けの号数と毒魚の扱いまでを、自治体・国土交通省・駐車場運営元の公開情報をもとに順番に整理します。

💡 押さえておきたいポイント

この記事でわかること
・江ノ島で釣りが禁止されているエリアと、その境界の見分け方
・湘南大堤防・西浦漁港・表磯・裏磯の性格の違いと選び方
・磯靴とライフジャケットの基準、島の駐車場と夜間の車両規制
・オモリ号数の換算とノットの覚える順番、毒魚への触り方

目次

江ノ島の釣りで最初に決まるのは、魚ではなく「立てる場所」

江ノ島は漁港・ヨットハーバー・観光施設・磯場が一つの島に詰まっています。だから「島に着いてから釣り座を探す」やり方だと、気づかないうちに禁止エリアに入ってしまう危険があります。行く前に境界を頭に入れておくほうが、結果的に釣りの時間が長く取れます。

漁港とヨットハーバーの間は釣り禁止。境界はバリケードと看板

島内でまず覚えるべきは、北緑地公園(オリンピック公園)と湘南大堤防の間にある漁港・ヨットハーバーエリアが釣り禁止だということです。ここは漁業とセーリング競技の運用がされている区域で、遊漁のための場所ではありません。境界は現地のバリケードと看板で示されます。

なぜここが厳しいかというと、係留中の船やロープ、出入りする艇と釣り糸が干渉するからです。仕掛けが係留索に絡めば、回収のために作業が止まります。魚がいるかどうかとは無関係に、そもそも竿を出す前提がない場所だと理解しておくのが正しい整理です。

初心者がやりがちな失敗は、「柵があって足場がいいから」という理由だけで釣り座を選んでしまうことです。江ノ島では足場の良さと釣りの可否が一致しません。柵の内側でも禁止区域はあります。判断のコツは、看板を探してから荷物を降ろすこと。看板が見つからない場所は、開放されている釣り場と決めつけないほうが安全です。

テトラポッドに乗る釣りは禁止。表磯と大堤防の間が該当する

もう一つの禁止ラインが、テトラポッド帯です。表磯と呼ばれるエリアと湘南大堤防の間にはテトラポッドが並んでいますが、ここはテトラに乗って釣りをすることが禁止されています。テトラの上は釣り座に見えても、釣り場として開放されている場所ではありません。

テトラが危険なのは、表面が濡れて滑ることに加えて、ブロックとブロックの間に大きな隙間があるからです。落ちた場合、水面まで落ちるのではなく隙間に挟まる形になり、自力で這い上がれません。単独で入っていれば発見も遅れます。禁止されているのは景観の都合ではなく、事故が起きたときの回収が極端に難しいからです。

ありがちなのは、混雑した堤防を避けてテトラ側に降りてしまうパターンです。「人がいない=穴場」と読み替えてしまうと、禁止区域に入る確率が上がります。判断のコツは単純で、コンクリートブロックの上に降りる行為そのものを選択肢から外すこと。テトラ帯は歩くための構造物ではありません。

藤沢市には「海・浜のルールブック」がある

意外と知られていないけれど、藤沢市は海と浜の使い方について公式のルールブックを作っています。市の説明では、「マリンレジャー愛好者同士のトラブルや漁業者とのトラブルが懸念されることから、海・浜の秩序ある利用を図るためのルールを策定しました」とされています。釣り人だけを対象にした資料ではなく、サーフィン・ボード・漁業を含めた海の利用者全体の交通整理です。

この存在を知っているかどうかで、現地での振る舞いが変わります。江ノ島周辺の禁止事項は「釣り人が嫌われているから」ではなく、複数の利用者が同じ水面を使うための線引きとして決まっている、という前提が持てるからです。理屈がわかれば、看板の意図も読み取りやすくなります。

具体的な条文まで暗記する必要はありません。押さえておきたいのは、江ノ島は「誰でも自由に竿を出していい海」ではなく、ルールが文書化された海だという点です。現地で他の利用者と動線が重なったときは、漁業とマリンスポーツの運用が先にあることを思い出して、こちらが場所を譲る判断をしてください。

タコを狙えるのは大堤防だけ。共同漁業権という見えない線

江ノ島には、看板がなくても存在する線があります。共同漁業権です。島内でタコ釣りができるのは湘南大堤防だけで、磯場エリアや西浦漁港でタコを狙うのは共同漁業権の侵害になります。西浦漁港について釣り場解説では「この場所でのタコ釣りは共同漁業権の侵害になるためNG」と明記されています。

共同漁業権は、地元の漁業協同組合が特定の水産動植物を採る権利を持つ制度です。対象種は場所ごとに決まっていて、対象種を遊漁者が採ると権利侵害になります。タコやアワビ、サザエのように岩場に張り付く種類は対象になりやすく、「拾っただけ」でも侵害と判断されます。

失敗しやすいのは、エギングでアオリイカを狙っているときに底でタコが乗ってしまうケースです。狙って釣ったわけではなくても、持ち帰れば結果は同じになります。判断のコツは、磯場や漁港でタコが掛かったらその場でリリースすると決めておくこと。狙っていい種類は場所ごとに違う、と覚えておいてください。

湘南大堤防が江ノ島の釣りの入口になる理由

江ノ島の釣りを始めるなら、まずは湘南大堤防です。足場が広く、駐車場とトイレが近く、釣り方の幅も広い。初回の釣行でここ以外を選ぶ理由は、混雑を避けたいときくらいしかありません。

沖に張り出した堤防だから潮が動く

湘南大堤防が釣り場として成立している理由は、その形にあります。釣り場解説では「沖に張り出した堤防は潮通しがよく、回遊魚の接岸が期待でき、初心者でも安心して楽しめる釣り場です」と説明されています。岸から沖へ突き出した構造物は、潮の流れをまともに受けます。

潮通しがいいことが釣果につながるのは、回遊魚が流れに乗って移動するからです。アジ・サバ・イワシのような群れで動く魚は、止水域よりも流れのある場所を通ります。堤防の先端付近は、その通り道に人間の側から近づける貴重な足場になります。潮が動かない時間帯は反応が落ちる、という裏返しもここから説明できます。

初心者がつまずくのは、潮止まりの時間に釣れないことを「腕のせい」だと考えてしまうことです。原因は場所でも腕でもなく、時間帯です。判断のコツは、竿を出す前に潮汐を確認して、動く時間に釣り座に立てるよう逆算すること。江ノ島は電車でも行けるので、時間の使い方の自由度は比較的高い場所です。

📋 プロフィールカード

釣り場タイプ 沖に張り出した堤防型/足場は良好で初心者向け
内向きの釣り方 サビキ釣り、ちょい投げ、足元の探り釣り
先端・外海側の釣り方 エギング、ジグサビキ、ショアジギングなどのルアー
主な対象魚 アジ、サバ、イワシ、クロダイ、メジナ、カワハギ、アオリイカ、カマス、青物

内向きはサビキ、外海側はルアー。立ち位置で釣り方が変わる

同じ堤防でも、内側と外海側では成立する釣りが違います。内向きはサビキ釣り・ちょい投げ・足元の探り釣りが中心で、先端や外海側はエギングやジグサビキ、ショアジギングといったルアーの釣り場になります。同じ日に両方をやろうとすると荷物が倍になるので、行く前に決めておくほうが動きやすくなります。

この使い分けが生まれる理由は、水深と流れの強さです。内向きは流れが緩く、コマセが効いて魚が溜まりやすいのでサビキが機能します。外海側は流れが強く、コマセが一瞬で流れてしまうため、こちらから動いて探すルアーのほうが噛み合います。道具の優劣ではなく、水の条件に釣り方を合わせているだけです。

失敗しやすいのは、外海側の先端に立ってサビキを振り、コマセだけ消費して終わるパターンです。判断のコツは、家族連れやサビキ狙いなら内向き、青物やアオリイカを狙うなら先端側と、入る前に立ち位置を決めておくこと。なお先端の白灯台側は釣り座が海面からかなり高い位置になるため、子ども連れには向きません。

魚種がいちばん増えるのは10月

江ノ島周辺で狙える魚の種類がいちばん多くなるのは、例年10月です。この時期はアジ・サバが豊富に回り、島全体で11種類以上を対象にできるとされています。春から初夏はアジ・イワシ、秋は青物や回遊魚、冬はカサゴやタイなどの根魚と、季節ごとに主役が入れ替わる釣り場です。

秋に魚種が増えるのは、夏の間に育った小魚が接岸し、それを追う魚が入ってくるからです。水温が下がりきる前の時期は、表層の回遊魚と底の根魚が同時に狙える珍しい期間になります。逆に真冬は表層が寂しくなるぶん、足元を丁寧に探る釣りへ比重が移ります。

ここで注意したいのは、年によって数週間ずれることです。水温の下がり方が遅い年は盛期が後ろにずれます。判断のコツは、月で決め打ちせずに直近の釣果情報で確認すること。ある釣果アプリの江ノ島エリアでは「最近1ヶ月はカサゴ、シーバス、タイ、フグが釣れています」といった形で直近の傾向が出ています。

📍 湘南大堤防

住所 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島2丁目
営業時間 24時間開放
アクセス 小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩約15分、江ノ電「江ノ島」駅から徒歩約20分
駐車場 複数駐車場が近接(江ノ電駐車センター徒歩3分以内)
公式サイト 公式サイト

砂浜・表磯・裏磯。性格の違う3つの釣り場をどう使い分けるか

大堤防に慣れてくると、他の場所も気になります。ただし江ノ島の他の釣り場は、大堤防とは要求される装備と経験が違います。同じ島の中でも、危険度は別物だと考えてください。

西浦漁港は島で唯一の砂浜。キス・カレイの投げ釣り向き

西浦漁港は、江ノ島で唯一砂浜がある海岸です。藤沢市の観光情報では「江の島で唯一砂浜がある海岸で、静かな海岸線で、釣り船がない場所です。ボード・釣り・カヌー着地点として使用されています」と紹介されています。狙える魚はキス、カレイ、クロダイ、イシダイ、アジ、ハゼ、メゴチ。冬季は白魚やウナギも対象になります。

砂地が広がっているので、投げ釣りとの相性がいい場所です。キスやメゴチのように砂に潜る魚は、岩礁帯の釣り場では狙えません。江ノ島で投げ釣りをしたいなら、ここが現実的な選択肢になります。観光客が少なく、晴れた冬の日には富士山が見え、夕景も良好という副産物もあります。

注意点は二つあります。一つは、堤防・ブレイク・破波帯は釣れるものの、テトラ区間は釣り禁止かつ滑落の危険があること。もう一つは、ここは共同漁業権の対象水域なのでタコは狙えないことです。アクセスは中見世通り側の狭い路地を抜けて入る形になるため、長い投げ竿を持って歩くときは通行人への配慮が必要です。

📍 西浦漁港

住所 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島2丁目1-17
営業時間 24時間開放
アクセス 小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩約17分。中見世通り・ベンザイテン商店街の狭い路地(春栄食堂と岩本旅館の間)を抜けて進入
駐車場 付近にコンビニ等あり(専用駐車場なし)
公式サイト 公式サイト

表磯はウキフカセの練習場。ただし足元は磯そのもの

表磯は、江ノ島の磯場の中では中級者向けとされるエリアです。岩礁が多く、狙いはクロダイとメバル。ウキフカセ釣りや磯竿を使った釣法が中心になります。堤防釣りからフカセ釣りへ移りたい人が、渡船に乗らずに練習できる数少ない場所という位置づけです。

「中級者向け」と書かれていても、磯であることは変わりません。岩の上は濡れれば滑り、潮位が上がれば足場が減ります。堤防のように平らでもなければ、逃げ道が背後にあるとも限りません。堤防で釣れる魚と同じ魚を狙っていても、必要な装備は堤防とは別物になります。

判断のコツは、初回は潮が引いている時間に入って、明るいうちに地形を覚えることです。暗い時間に初めて入る磯は、経験者でも道を間違えます。なお表磯を含む磯場エリアは共同漁業権の対象で、タコ釣りはできません。

📍 表磯

住所 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島
営業時間 24時間開放
アクセス 江ノ島観光地内。中程度の難易度
駐車場 江の島なぎさ駐車場、江ノ電駐車センター等利用

裏磯は「いつ水難事故が起きてもおかしくない場所」

裏磯は、扱いを分けて考えるべきエリアです。岩屋洞窟方面にあたる島の裏側で、ライトショアジギングやエギングで青物・メジナを狙う人が入りますが、水難救助の専門家は「江ノ島の裏磯は地元で通称『裏磯』と呼ばれるとても有名な危険エリアで、いつ水難事故が起きてもおかしくないような場所です」と指摘しています。

危険の中身は、足場の悪さとルートの厳しさです。釣り座まで行くこと自体が体力を使い、たどり着いたあとも平らな場所が少ない。加えて外洋に面しているので、うねりが直接入ります。堤防なら「波を被った」で済む状況が、磯では転倒と滑落に直結します。

ここに入るなら、磯靴とライフジャケットは選択ではなく前提です。装備を持っていない、あるいは単独で初めて入る、という条件が一つでも当てはまるなら、その日は大堤防に切り替えてください。釣り場のグレードを上げる順番を守ることが、この島でいちばん効く安全対策です。

📍 裏磯

住所 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島(岩屋洞窟周辺)
営業時間 24時間開放
アクセス 江ノ島の裏側(岩屋洞窟方面)。ライトショアジギング、ルアー釣り拠点
駐車場 江ノ島観光駐車場利用
📊 違いを比較

項目 湘南大堤防 西浦漁港 表磯・裏磯
足場 広く平坦。柵あり 砂浜と小規模な堤防 岩礁。裏磯はルートも険しい
主な釣り方 サビキ・ちょい投げ・ルアー 投げ釣り中心 ウキフカセ・ライトショアジギング
主な対象魚 アジ・サバ・イワシ・アオリイカ・青物 キス・カレイ・ハゼ・メゴチ クロダイ・メバル・メジナ・青物
タコ釣り 島内で唯一可能 不可(共同漁業権) 不可(共同漁業権)
向いている人 初めての人・家族連れ 投げ釣り派・静かに釣りたい人 磯装備を持つ経験者

初めて・家族連れ・磯狙い。タイプ別の入り方

初めて江ノ島で釣る人と家族連れは、湘南大堤防の内向きでサビキ一択にしてください。柵があり、足場が平らで、トイレと駐車場が近い。子どもがいる場合は先端側の高い釣り座を避け、内向きの低い位置を選ぶだけで安全度が変わります。

投げ釣りをしたい人や、混雑を避けて静かに竿を出したい人は西浦漁港です。砂地なので根掛かりが少なく、キスやメゴチのような数釣りができる魚が相手になります。ただし専用駐車場がないので、島内の駐車場から歩く前提で荷物を減らしてください。

フカセやショアジギングで磯に入りたい人は、表磯から始めて、装備と経験が揃ってから裏磯を検討する順番になります。逆にしてはいけません。磯釣りそのものの組み立て方は、次の記事で仕掛けの構成から整理しています。

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装備で安全マージンが決まる。磯靴とライフジャケットの基準

江ノ島の磯場で装備の話を後回しにすると、釣りの前に事故の話になります。逆に言えば、装備さえ揃えば選べる釣り場が増えるということでもあります。ここは投資対効果がはっきりしている部分です。

磯靴のソールはフェルト+ラバー+スパイクの三層構造

磯で使う靴は、専用の磯靴を選びます。磯靴のソールはフェルト素材をベースに、吸盤状のラバーとスパイクピンを配置した構造になっていて、濡れた岩・コケや海藻が付いた岩・乾いた岩それぞれに対してグリップを稼ぐ設計です。素材が一つではないのは、磯の路面条件が一定ではないからです。

専門メディアの解説では、磯場の岩肌は「立っているだけでも滑る」ほどで、普通のスニーカーでは踏ん張りがきかないと指摘されています。ゴム底のスニーカーは平らな乾いた路面向けの設計なので、海藻の膜が乗った岩の上では接地面が水膜で浮きます。滑るのは注意力の問題ではなく、素材の問題です。

判断のコツは、磯に上がる予定があるかどうかで靴を決めること。堤防だけならスニーカーで問題ありませんが、「ついでに磯も覗いてみよう」が起きるのが江ノ島です。表磯に降りる可能性が少しでもあるなら、最初から磯靴を履いて島に入るほうが安全です。

⚠️ 失敗しやすいポイント

観光ついでにスニーカーで表磯へ降りてしまうケースが典型的な失敗です。原因は「堤防と同じ島だから同じ装備でいい」という思い込みで、実際には濡れた岩の上でソールが水膜に乗り、荷物を持った状態では姿勢を立て直せません。対策は、磯に降りる可能性がある日は磯靴で島に入ること。手ぶらで下見だけする日と、竿を出す日を分けるのも有効です。

船に乗るなら桜マーク。基準は浮力7.5kg

江ノ島周辺から乗合船に乗る場合、ライフジャケットの着用は義務です。国土交通省は、船長には「小型船舶の船室外に乗船するすべての者に対して、国の安全基準への適合が確認されたライフジャケットを着用させる義務がある」としています。2018年2月1日から、小型船舶の船室外に出る全員が対象になりました。

基準になる性能は、浮力7.5kg以上と、顔を水面上に保つ能力です。この基準に適合していることの証が「桜マーク」で、タイプA・D・F・Gに分かれ、航行区域によって使えるタイプが変わります。タイプAは外洋・沿海区域向けで最も適用範囲が広く、タイプDは限定沿海・沿岸・平水区域向けです。

ここで初心者が混乱しやすいのが、通販で買った浮力材入りベストと桜マーク付きの違いです。見た目が似ていても、桜マークがなければ義務を満たしません。船長が着用を徹底しなかった場合には、累積違反で最大6ヶ月の免許停止という罰則もあります。乗合船に乗る予定があるなら、購入前にマークの有無を確認してください。

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磯を降りる基準を、竿を出す前に決めておく

裏磯のような場所で効くのは、装備よりも「引き返す基準」です。波が上がってきた、潮位が上がって足場が減った、風向きが変わった——このいずれかが起きたら撤収する、と決めてから入ります。現場で判断しようとすると、釣れているほど判断が遅れます。

理由は単純で、磯では退路が先に消えるからです。行きは渡れた場所が、帰りには波を被る。堤防なら足元が濡れるだけの変化が、磯では通行不能を意味します。だから「危なくなったら帰る」ではなく「この条件になったら帰る」という形で、観測できる基準に落とし込んでおく必要があります。

単独釣行なら基準をもう一段厳しくしてください。転倒しても誰も気づかないからです。行き先と帰る時刻を家族に伝えておくだけでも、事故が起きたときの発見までの時間が変わります。

🔧 見極めの手順

Step1:出発前に波・風の予報と潮汐を確認し、満潮の時刻と撤収の時刻を決める
Step2:現地で看板とバリケードを確認し、開放されている範囲の中に釣り座を取る
Step3:磯なら退路の岩を目で追い、波が乗る位置を覚えてから荷物を降ろす

江ノ島は駐車場が最初の関門。料金と時間の仕組みを知る

釣り場の話が決まったら、次は行き方です。江ノ島は電車でも行けますが、竿とクーラーを持つと車を選びたくなります。ただし島周辺の駐車場は観光地の料金体系なので、事前に構造を知らないと想定外の出費になります。

江ノ電駐車センターは入庫4:00~23:00で早朝に強い

朝マヅメを狙うなら、江ノ電駐車センターが現実的な選択肢です。運営元の公表情報では年中無休で、入庫は4:00~23:00、出庫は24時間可能。収容台数は202台(うち障害者用4台)です。料金は普通車で通常期が30分200円、土日祝・繁忙期が30分300円となっています。

早朝から開いていることが釣りにとっては決定的です。観光向けの駐車場は朝の開場が遅く、日の出前に釣り座を取りたい人とは時間が噛み合いません。入庫時刻の下限が早い駐車場を押さえておくことは、狙える時間帯そのものを広げることになります。

注意点は、繁忙期の料金が上がることと、大型車は60分1,500円の予約制で8:00~17:00のみという制約があることです。ハイエースクラスのサイズを扱う場合は、事前に運営元の公式ページで車両条件を確認してください。

江の島なぎさ駐車場は1時間400円。島の入口に近い

島側に近いのが江の島なぎさ駐車場です。料金は400円/時間、障害者手帳を持っている場合は200円/時間。2階建てで最大327台を収容し、現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応、トイレもあります。参道や仲見世通りに近く、島内へのアクセスが短いのが利点です。

営業時間は7月・8月が6:00~21:00、その他の月は7:30~21:00で、出庫は24時間可能です。つまり夏以外は朝7:30より前に入庫できません。朝一番から釣りたい季節ほど、この駐車場は入口として使いにくくなります。

車両規格の制限もあります。高さ2.1m以下、幅1.8m以下、長さ5.2m以下が対応範囲で、ルーフボックスを付けた車や大きめのバンは入りません。ロッドを車内に積むタイプの人は問題ありませんが、車高を上げている場合は公式ページで寸法を確認してから向かうのが確実です。

📊 違いを比較

項目 江ノ電駐車センター 江の島なぎさ駐車場
入庫できる時間 入庫4:00~23:00/出庫24時間可能 7月8月は6:00~21:00、その他の月は7:30~21:00/出庫24時間可能
普通車の料金 通常期30分200円/土日祝・繁忙期30分300円 400円/時間(障害者手帳は200円/時間)
収容台数 202台(障害者用4台を含む) 327台(2階建て)
最大料金 なし なし
釣りでの使いどころ 朝マヅメ狙いの早朝入庫 島の入口に近く、荷物を持つ距離が短い

※各駐車場の運営元公表情報より作成(海釣りの教科書調べ)

午後10時~午前5時は車で島に入れない

夜釣りを計画する人が見落としがちなのが、江ノ島大橋の夜間規制です。午後10時~午前5時は夜間騒音対策で門扉が閉まり、原則として車両で島内へ入ることはできません。島の外に駐車して歩いて渡る形になります。

この規制がある理由は、江ノ島が住民の生活圏でもあるからです。深夜に車が行き来すれば、住宅に音が届きます。釣り人だけを狙った規制ではなく、島の生活を守るためのルールです。だからこそ、時間になれば例外なく門扉は閉まります。

影響は「入れない」だけではありません。夜のうちに島内に車を置いていた場合、出るのは可能でも入り直せません。判断のコツは、夜通しの釣行を計画するなら車を島外に置くこと、そして門扉が閉まる時間の前に一度移動の判断をしておくことです。忘れ物を取りに戻れない前提で荷物を組んでください。

実は、最大料金がないことが長時間釣行では効いてくる

意外と知られていないけれど、江ノ島周辺の主要駐車場には最大料金の設定がありません。江ノ電駐車センターも江の島なぎさ駐車場も、公表されている料金体系に打ち止めがないため、停めた時間だけ料金が積み上がります。観光地の駐車場としては珍しくない設計ですが、釣りとは相性が悪い部分です。

観光なら数時間で帰りますが、釣りは潮を待って粘る行動です。「あと1時間だけ」を繰り返すと、駐車料金は釣行費の中で無視できない比率になります。特に朝マヅメから夕マヅメまで通しで狙う日は、コストの読み方が変わってきます。

対策は二つあります。一つは、電車を使って駐車料金の変数自体を消すこと。江ノ島は駅から歩ける釣り場なので、荷物を絞れば十分成立します。もう一つは、釣行時間を先に決めて、その時間で釣り方を組み立てること。撤収時刻が決まっていると、装備も釣り座選びも自然に絞り込まれます。

📍 江ノ電駐車センター

住所 〒251-0031 神奈川県藤沢市片瀬
電話番号 要確認
営業時間 入庫4:00~23:00、出庫24時間可能
定休日 年中無休
アクセス 片瀬江ノ島駅に近接
駐車場 202台(障害者用4台含む)
公式サイト 公式サイト
📍 江の島なぎさ駐車場

住所 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島
電話番号 要確認
営業時間 7月8月は6:00~21:00、その他の月は7:30~21:00。出庫24時間可能
アクセス 中見世通りに最も近い。参道・仲見世通りに最も近く、江の島観光の中心地として最適
駐車場 2階建て。最大327台収容。車両規格:高さ2.1m以下、幅1.8m以下、長さ5.2m以下
公式サイト 公式サイト

仕掛けは号数で決まる。オモリとノットの基準値

釣り場と行き方が決まったら、あとは仕掛けです。江ノ島は堤防・砂浜・磯が揃っているので、それぞれで必要なオモリの重さが変わります。号数の意味を理解しておくと、現地での調整が速くなります。

オモリは1号が3.75g。号数×3.75gで換算できる

オモリの号数は、日本の尺貫法で使われていた質量の単位「匁(もんめ)」に由来します。1匁が3.75gなので、オモリも1号=3.75gとして扱われます。換算は号数×3.75gで、5号なら18.75g、10号なら37.5g、20号なら75gです。

この対応を覚えておくと、ルアー用のグラム表記やオンス表記との行き来ができます。ルアーの世界では1oz≒28gで、1/16ozが1.8g、1/4ozが7gという刻みです。江ノ島の大堤防では、内向きのサビキと外海側のジグを同じ日に扱うことがあるので、単位の翻訳ができると仕掛けの選択が速くなります。

小さいオモリには別の呼び名があります。ガン玉はBが0.55g、5Bが1.75g。さらに小さいジンタンはG8が0.07g、G1が0.45gです。表磯でウキフカセをやるなら、この極小の刻みで仕掛けの沈み方を調整することになります。

📊 違いを比較

表記 重さ 江ノ島での使いどころ
1号 3.75g 大堤防内向きのサビキ(1~2号が標準)
5号 18.75g 流れが出た日のちょい投げ・オモリ増し
10号 37.5g 西浦漁港の投げ釣りで距離を出す場面
20号 75g 重量級。堤防の遊びの範囲を超える重さ
ガン玉B/5B 0.55g/1.75g 表磯のウキフカセで沈下を微調整

※号数×3.75gの換算式をもとに、島内の釣り場条件と対応づけて作成(海釣りの教科書調べ)

サビキは1~2号、投げ釣りは2~4号から始める

実際の使い分けは、釣り方でおおよそ決まります。サビキ釣りでは1~2号が標準、キス狙いの投げ釣りでは2~4号あたりが起点です。堤防の釣りでは1~3号が一般的な範囲で、そこから流れの強さに応じて足していくのが基本の考え方になります。

重要なのは、グラム数だけで選ばないことです。オモリは海底の条件と釣り方に合わせて決めるもので、同じ重さでも形状が違えば沈み方も底の切り方も変わります。砂地の西浦漁港と、根が荒い磯場では、同じ号数でも根掛かりの頻度が別物になります。

初心者がやりがちなのは、根掛かりが増えたときにオモリを軽くして対処しようとすることです。軽くすると流されて、結果的に根に入ります。判断のコツは、流されて根に入っているのか、その場で沈んで挟まっているのかを見極めること。前者なら重くする、後者なら形状を変えるか立ち位置を変える、が正解です。

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ノットはトリプルエイト→ユニノット→FGの順で覚える

PEラインを使うなら、リーダーとの結束が避けて通れません。順番としては、トリプルエイトノット、ユニノット、FGノットの順で習得していくのが現実的です。いきなりFGから入ると、現地で結べずに釣りの時間を失います。

トリプルエイトノットはライトゲーム向けで、PEとリーダーを約20cm束ねて輪を作り、3~4回ねじるだけで組めます。ユニノットはルアーやスナップと糸を結ぶ基本のノットで、ラインメーカーの解説でも「釣り初心者はまずこの結び方から」と位置づけられています。この二つが結べれば、大堤防でのアジングやエギングは成立します。

FGノットは摩擦系と呼ばれ、真っすぐのリーダーにPEを編み込むため結びコブができないのが利点です。ライトゲームから大物釣りまで対応しますが、習得には練習が必要です。青物を狙って裏磯や外海側に立つ段階になったら取り組んでください。なお、どのノットも唾液や海水で湿らせてから締め込むと結び目が強くなります。

📖 用語チェック

共同漁業権=地元の漁業協同組合が、決められた水域で特定の水産動植物を採る権利。江ノ島では磯場エリアと西浦漁港がこの対象で、タコを採ると権利侵害になります。漁業権の対象外なのは湘南大堤防だけです。「釣った」か「拾った」かは問われません。

釣れた魚に手を出す前に。毒魚と持ち帰りの線引き

江ノ島は魚種が多い釣り場です。それは裏返せば、狙っていない魚が掛かる確率も高いということ。針を外す前のひと呼吸が、そのまま安全につながります。

アイゴ・ハオコゼ・ゴンズイ・アカエイは素手で触らない

相模湾で警戒すべき毒魚の筆頭がアイゴです。各ヒレの棘条に毒があり、背ビレだけでなく腹ビレ、肛門ビレにも毒棘が隠れています。刺されると激痛が走り、温暖化の影響で関東以北へ分布を広げているとされています。堤防でも磯でも掛かる魚です。

他にも、最大10cmほどのハオコゼ、背ビレ・胸ビレ・肩棘に毒を持つゴンズイ、尾に強大な毒棘があるアカエイが、この海域では現実的な遭遇相手になります。共通するのは、いずれも見た目が地味で、暗い時間には正体がわかりにくいこと。夜釣りでは「よく見えないまま手が出る」ことが事故につながります。

対処の基本は、毒魚は手で触らずフィッシュグリップで処理することです。大型はタモですくうか、ハリス部分をハサミで切ってリリースします。刺されてしまった場合の初期対処は42~45℃のお湯に15~45分ほど浸すこととされていますが、症状が続く場合は医療機関を受診してください。

⚠️ 失敗しやすいポイント

釣れた毒魚を針から外して堤防に放置する行為が、二次事故の原因になります。原因は「死ねば毒は消える」という誤解で、実際には死んだ個体も毒は残ったままです。裸足の子どもや後から入った釣り人が踏むと、同じ被害が起きます。対策は、フィッシュグリップで掴んでその場でリリースすること。持ち帰らない魚を陸地に置いたまま帰らない、と決めておいてください。

食べると危険な魚は「持ち帰らない」で統一する

触ると危険な魚とは別に、食べると危険な魚がいます。フグ毒を持つキタマクラ、成長とともに毒化するイシガキダイ、パリトキシン様毒を持つアオブダイ、そして体長10cm程度でフグ毒を含むヒョウモンダコ。いずれも江ノ島周辺で遭遇しうる相手です。

これらについて、当サイトでは可食可否の判断をしません。加熱で無毒化できるか、どの部位なら安全かといった話は、種の同定を誤った時点で成立しなくなるからです。同定は専門家でも写真だけでは難しく、似た姿の別種が混ざります。安全側に倒すなら、迷った魚は持ち帰らないのが唯一の正解です。

判断のコツは、釣り場でスマホの検索結果を見て決めないこと。検索で出てくる情報には個人の食体験も混ざります。名前がわからない魚、食べていいか迷った魚は、その場でリリースしてください。食べられる魚だけを持ち帰るほうが、クーラーの容量も有効に使えます。

神奈川県のルールは罰則つき。イセエビとアワビは特に注意

装備と魚の知識に加えて、県のルールも押さえておく必要があります。神奈川県では、アワビ・ナマコ・シラスウナギ(13cm以下)の採捕が禁止されています。イセエビは6月1日~7月31日が禁漁期で、卵を持っている個体と体長13cm以下は通年で採捕禁止です。

船から釣る場合は、さらに細かい規定があります。定置漁業保護区域では船の係留と釣りが禁止され、まき餌籠は「外径5.5cm以下、長さ16cm以下、1仕掛けにつき1個」と決められています。違反した場合の罰則は1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金です。

磯場で岩に張り付いた貝を見つけても、手を出さないでください。「1個だけ」でも密漁は密漁です。ルールの全文は県の公式ページで公開されているので、船釣りを始める前に一度目を通しておくと安心できます。

Q
江ノ島は電車と車、どちらで行くのが釣りに向いていますか?
A
日中の短時間釣行なら電車が向いています。島周辺の駐車場には最大料金がなく、長時間停めるほど費用が積み上がるためです。一方、朝マヅメから入りたい日は入庫4:00~23:00の江ノ電駐車センターが使えるので車が有利になります。ただし午後10時~午前5時は江ノ島大橋の門扉が閉まり車では島内に入れないため、夜通しの釣行を考えるなら島外に停める前提で組んでください。

まとめ:江ノ島の釣りは「境界を覚えてから広げる」

⚡ この記事の結論

江ノ島の釣りは湘南大堤防が起点です。禁止エリアの境界を覚えてから、装備に応じて磯へ広げてください。

✅ 要点チェック

  • 禁止エリア:漁港・ヨットハーバーとテトラ上は不可
  • 入門の釣り場:足場が広い湘南大堤防の内向き
  • 磯の装備:磯靴とライフジャケットは前提条件
  • 駐車場:早朝は入庫4:00~23:00の駐車場を選ぶ
  • 毒魚:素手で触らず、放置せずリリースする

まず一度は、湘南大堤防の内向きにサビキで入ってみてください。オモリ1~2号、足場は平坦、トイレと駐車場が近い。この条件で一日過ごすと、潮の動く時間帯や混雑の出方、風の当たり方といった、この島特有の感覚が身につきます。そこで得た感触が、次に西浦漁港へ投げ釣りに行くのか、磯靴を買って表磯に降りるのかの判断材料になります。江ノ島は観光地であると同時に、漁業とマリンスポーツが動いている現役の海です。看板とバリケードを探してから荷物を降ろす習慣さえ作れば、この島は長く通える釣り場になります。

※釣り場の開放状況・駐車場の料金と営業時間・遊漁のルールは変更されることがあります。釣行前に現地の掲示と各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

海釣りの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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