三保で釣りをするとき、いちばん最初につまずくのが「どこに立てばいいのか分からない」という問題です。三保半島は砂浜も堤防も灯台まわりも全部まとめて「三保」と呼ばれるので、釣り場情報を読んでも自分が行く場所とかみ合わない。結果として、青物が回っている日に遠浅の場所へ入ってしまう、という取りこぼしが起こります。
結論から書きます。三保の釣りは「外洋側か内海側か」ではなく「岸からどれくらいで深くなるか」で選ぶと、狙う魚と釣り方がほぼ自動的に決まります。岸から40m地点で14〜16mある離岸堤前と、同じ40m地点で3.5〜4mしかない真崎灯台周辺では、同じ日に同じ仕掛けを投げても釣れる魚が違います。
この記事では、三保の主要ポイントを水深と潮流の数字で並べ直したうえで、青物のショアジギング、秋と春に来るタチウオ、砂浜の投げ釣りという3本柱の狙い方を整理します。あわせて、静岡県の海面遊漁ルールと、養浜工事で立入禁止区間ができる三保特有の事情も確認しておきます。釣れる場所の話より先に、入っていい場所の話をします。
・三保の主要4ポイントの水深・潮流と、それぞれが向いている釣り方
・青物ショアジギングの時期とタックルの基準、混雑する時間帯の考え方
・タチウオが秋と春の2回狙える理由と、電気ウキのウキ下設定
・静岡県の海面遊漁ルール(使える漁法・採捕禁止・体長制限)と立入禁止区間の見分け方
三保の釣り場が「一つの釣り場」ではない理由
三保半島は、清水港の内側に向かって細長く伸びた砂の半島です。同じ半島の中に、駿河湾の外洋に真正面から向いた面と、港の内側を向いた面が同居しています。この二面性が、三保の釣りを分かりにくくしている最大の原因です。
駿河湾の急深地形が、岸から青物を狙える理由をつくっている
三保で岸から青物が狙えるのは、駿河湾の急深な地形が理由です。砂浜からわずかな距離でストンと深くなるため、本来なら沖にいる回遊魚が岸のすぐ近くまで入ってきます。釣り場情報でも、三保海岸は潮通しの良さが特徴で急深な地形が形成されている、と説明されています。
遠浅の砂浜であれば、青物は岸から数百m沖の深場を回遊してしまい、ショアからは届きません。三保の場合は岸から40m前後で10m以上の水深に届く場所があり、キャストで届く範囲が青物の通り道と重なります。ブリ・カンパチ・イナダ・ソウダガツオ・シイラ・サワラといった顔ぶれが、堤防やサーフから現実的なターゲットになるのはこの地形のおかげです。
初心者がやりがちなのは、「三保は青物が釣れる」という情報だけを持って、たまたま空いている遠浅の場所に入ってしまうことです。空いている場所には空いている理由があります。三保に入るときは、看板や駐車場の名前ではなく、自分が投げる先の水深を先に把握してください。
外洋側は潮通し、内海側は「荒れた日の逃げ場」という役割分担
外洋側と内海側は、優劣ではなく役割が違います。外洋側は潮が動くぶん回遊魚が入りやすく、そのかわり風と波の影響を正面から受けます。内海側は波が立ちにくく、外洋が荒れた日の避難場所として使われます。真崎海岸は三保半島の内側に位置し、外洋が荒れた時の避難場所として人気がある、と紹介されているとおりです。
この使い分けを知らないと、予報が悪化した日に「せっかく来たから」と外洋側で粘ることになります。三保は風が上がると一気に波が高くなるので、外洋側で釣りにならない日は内海側へ移動する、という判断を最初から選択肢に入れておくと釣行そのものが無駄になりません。
判断の目安はシンプルで、外洋側で足元まで白波が押し寄せている、ラインが風でふけて着底が取れない、この2つのどちらかが出たら移動のサインです。粘って足場の悪い場所へ寄っていくのが、三保でいちばん危ない行動になります。
富士山が見える砂浜、でも足元の地形は年々変わっている
三保は投げ釣りのポイントから富士山が見える立地で、それ自体が釣行の動機になる場所です。ただし、風景は変わらなくても水中は変わります。三保海岸は浸食対策として砂を入れる養浜が続いており、その影響で遠浅化が進んでいる区間があります。
静岡県の清水海岸のページでは、砂浜を保全するために養浜を行っているが、波の作用による海浜形状のサイクルの1つとして「浜がけ」と呼ばれる地形がどうしても発生してしまう、と説明されています。つまり、砂を入れれば安定するのではなく、入れた砂が波で動き続けるということです。
古い釣り場情報の水深をそのまま信じると、実際より深いつもりでジグを選ぶことになります。数年前の記事に「深場」と書かれていても、いまは浅くなっている区間がある。三保では、水深の情報こそ賞味期限が短いと考えてください。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保 |
| 営業時間 | 24時間開放 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 東名清水インターから約30分、清水駅からバスで約30-40分 |
| 駐車場 | あり(複数の無料駐車場) |
| 公式サイト | 公式サイト |
主要4ポイントの水深と潮流を並べると、狙う魚が見えてくる
ここからが実務です。三保の代表的な4ポイントを、水深・潮流・向いている釣り方で横並びにします。地図では隣同士に見えても、水中の条件はまったく別物です。
| 項目 | 三保飛行場 | 三保離岸堤 | 三保灯台周辺 | 真崎灯台周辺 |
|---|---|---|---|---|
| 水深の目安 | 駐車場前は約6m/岬先端付近40m地点で11〜12m | 岸から約40m地点で14〜16m(西側は7.5〜8m) | 岸から50mで7〜8m程度(以前は10m以上) | 岸から40m地点で約3.5〜4m |
| 潮・波の傾向 | 駐車場前は穏やか/岬先端は速い | 駆け上がりが岸から20m前後 | 砂の堆積で底の構造が変化 | 内海側で波が立ちにくい |
| 主なターゲット | イナダ・ブリなどの青物、アジ、サバ、シロギス、ヒラメ、マゴチ | 青物、タチウオ、アオリイカ、カワハギ | ブリ、ワカシ、イナダ、タチウオ、アオリイカ、カワハギ、シーバス | ブリ、カンパチ、タチウオ、シーバス、クロダイ |
| 向いている人 | エサ釣りもルアーも試したい人 | 青物・タチウオを本命で狙う人 | 最新の底の変化を読みたい人 | 初心者、荒天時の代替を探す人 |
飛行場前は「駐車場正面」と「岬先端」で別の釣り場になる
三保飛行場前は、三保半島で最も人が集まるポイントです。ただし同じ飛行場前でも、駐車場の正面と岬の先端では条件が変わります。駐車場前は水深が約6mで潮の流れが比較的穏やか、岬先端付近では40m地点で11〜12mまで深くなり、潮の流れも速くなります。
この差がそのまま釣り人の分布に出ています。飛行場駐車場正面付近は潮の流れが穏やかでエサ釣りの人が比較的多く、大きな岬の先端付近は潮の流れが速いためルアーマンに人気のエリア、と整理されています。つまり、カゴ釣りやサビキで安定して数を釣りたいなら駐車場正面、ジグを流して青物を待つなら先端寄り、という住み分けです。
失敗しやすいのは、先端の潮の速さを見ずに軽いジグで入ることです。流れが速い場所で軽いルアーを使うと、着底が分からないまま流されて手前の駆け上がりに乗り上げます。先端に入るなら、まず1投目でしっかり底を取れる重さかどうかを確認してから釣り始めてください。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保 |
| 営業時間 | 24時間開放 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 東名清水インターから約30分 |
| 駐車場 | あり(無料) |
離岸堤前は40m先で14〜16m、三保でいちばん深い一等地
離岸堤前は、三保の中でも水深の条件が突出しています。岸から約40m地点で14〜16m、西側でも7.5〜8m。しかも急斜面の駆け上がりが岸から20m前後にあり、深場と浅場の境目が足元に近い位置にあります。青物とタチウオが同じ場所で成立するのは、この地形が理由です。
釣り場情報でも、離岸堤前では青物、タチウオ、アオリイカ、カワハギなどが狙え、秋から春先にコノシロやサヨリの群れがまとまって清水港周辺に入ってくると大型のシーバスや青物が釣れるチャンスもある、とされています。1年を通して何かしらのターゲットが成立する、三保の主戦場です。
注意点は根掛かりです。駆け上がりと構造物が近いぶん、底を引きずる釣り方をすると仕掛けを失います。予備の仕掛けを多めに持参することが前提の釣り場だと考えて、当日の消耗分を最初から荷物に入れておくのが現実的です。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保 |
| 営業時間 | 24時間開放 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 三保飛行場駐車場から |
| 駐車場 | あり(広いスペース、盛期は混雑) |
実は三保灯台前は、以前より浅くなっている
意外と知られていないのが、三保灯台前の変化です。かつては水深10m以上あった場所が、砂の堆積が進んで岸から50mの地点で7〜8mまで浅くなった、と報告されています。底面の構造が大きく変わったため、釣果の出方も以前とは変わっています。
これは三保という釣り場の性格をよく表しています。養浜と波によって砂が動き続けるため、「去年よく釣れた場所」が今年も同じとは限らない。深場狙いのつもりで重いジグを持ち込んだのに、実際はライトな釣りのほうが合っている、ということが起こります。
逆に言えば、浅くなったぶんヒラメやマゴチのようなフラットフィッシュ、カワハギのような根まわりの魚には有利に働く場面もあります。古い情報の「深場」という言葉に引きずられず、当日の着底までのカウントで自分の目の前の水深を測り直す。これが三保灯台前での正しい入り方です。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保 |
| 営業時間 | 24時間開放 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 三保半島先端 |
| 駐車場 | あり(清水灯台駐車場) |
真崎灯台周辺は40m先で3.5〜4m、初心者と荒天日の受け皿
真崎灯台周辺は、岸から40m地点で水深約3.5〜4mと遠浅気味です。外洋側は15m以上あることを考えると、同じ三保でも別世界の数字になります。内海側なので波が立ちにくく、居やすく釣りやすい場所として初心者にも向いています。
浅いから釣れないわけではありません。秋から春先にかけては「コノシロパターン」と呼ばれる時期があり、この小魚を追うシーバスや青物が浅場まで差してきます。ブリ・カンパチ・タチウオ・シーバス・クロダイと、ターゲットの幅は十分にあります。
使い分けの考え方はこうです。家族連れや釣りを始めたばかりの人、風が強い日に釣行が決まっている人は最初から真崎側。青物を本命に据えて朝マズメから入る人は外洋側。同じ日に両方を見て回れる距離感なので、天候が読み切れない日は「内海側に逃げられる」ことを前提に計画を立てると失敗しません。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保 |
| 営業時間 | 24時間開放 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 三保半島内側 |
| 駐車場 | あり |
青物のショアジギングは、時期と立ち位置で釣果が決まる
三保に通う人の多くが本命にしているのが青物です。ここでは時期・タックル・立ち位置の3点を、数字で押さえます。
最盛期は夏から秋、冬はヒラメとシーバスに切り替わる
青物の最盛期は夏から秋、おおむね8月から11月です。夏から秋にかけてアジ、サバ、各種青物が回遊し、冬はシーバスやヒラメが狙えると整理されています。年による前後はありますが、この時期の外洋側は回遊のチャンスが増えます。
ここで大事なのは、シーズンが終わったら三保が終わるわけではないという点です。冬はフラットフィッシュとシーバスにターゲットを切り替えれば、同じ場所で釣りが成立します。青物だけを狙って冬に空振りを繰り返す人は、この切り替えができていないことが多いです。
時間帯はマズメ、特に朝と夕方が中心になります。ただし回遊魚なので日中に回ってくることもあり、「朝だけ釣って帰る」より「潮が動く時間に投げられる状態でいる」ほうが結果につながります。潮止まりで人が減った時間に回ってくる、という展開は珍しくありません。
PE1〜1.5号にリーダー30lb、ジグは40gを軸に組む
タックルの基準はシンプルです。PEラインは1〜1.5号を軸にし、PE1.5号ならリーダーは30lb(フロロカーボン6号前後)が基本とされています。ジグはライトショアジギングの標準である40gをメインに、20〜60gの範囲で潮と風に合わせて上下させます。
ロッドは40g程度のジグを無理なくキャストできる9〜10フィートクラス、リールはドラグ性能に優れるハイギアの中型スピニングが扱いやすい組み合わせです。三保の場合、岬先端のように潮が速い場所ではジグを重めに、駐車場前のように穏やかな場所では軽めに、と同じ日でも使い分けが効きます。
号数を上げすぎるとキャスト距離が落ち、下げすぎると底が取れない。どちらも三保では致命傷になります。判断のコツは、着底までのカウントが取れているかどうか。カウントが取れないほど流されるなら重く、着底が早すぎて根掛かりが増えるなら軽く。この往復で当日の正解に寄せていきます。

青物シーズンの朝夕は、飛行場前も灯台下も駐車場が満車になることがあります。到着が遅れて空きスペースを探すうちに、すでに人が並んでいる列へ無理に入るとトラブルとオマツリの原因になります。原因は「マズメに間に合わせる」ことを優先しすぎること。対策は、暗いうちに着いて場所を決める、間に合わないと分かった時点で潮が動く日中の時間帯に狙いを切り替える、この2択を最初から用意しておくことです。青物は日中も回遊します。
立ち位置は「駆け上がり」を基準に決める
投げる方向より先に決めるべきなのが立ち位置です。離岸堤前のように急斜面の駆け上がりが岸から20m前後にある場所では、駆け上がりの上に立つのか、その手前を通すのかでヒット率が変わります。ベイトが駆け上がりに沿って動くため、ジグをその斜面に絡めて通せる位置に立つのが基本です。
逆に、駆け上がりを完全に越えた深場だけを引いてくると、ベイトの通り道から外れたところをずっと引いていることになります。飛距離が出ているのに反応がない日は、遠投しすぎている可能性を疑ってください。
安全面での注意も立ち位置に直結します。波が高い日に水際ぎりぎりまで出るのは危険です。特に浜がけができている区間は足場が崩れる恐れがあるため、一歩下がって投げる。飛距離を数m稼ぐために足元の安全を削る判断は、三保では取るべきではありません。
タチウオが狙えるのは秋だけではない、春にもう一度来る
三保のタチウオは、秋のイメージが強い魚です。ただ実際には年に2回チャンスがあり、これを知っているかどうかで釣行計画の幅が変わります。
秋9〜11月と春3〜5月、2つのシーズンがある
タチウオは9月から11月ごろの秋シーズンと、3月から5月ごろの春シーズンが狙いやすいとされています。最盛期は秋ですが、春も同じ場所で成立します。年間で見れば6月から12月にかけて釣れる時期があり、秋に集中しているだけ、という整理が実態に近いです。
この2シーズン制を知らないと、11月に釣れなくなった時点で「今年のタチウオは終わり」と判断してしまいます。実際には冬を挟んで春にもう一度チャンスが来るので、秋に仕掛けを揃えた人はそのまま春まで使えます。
主戦場は離岸堤前です。秋のハイシーズンには釣果情報が広まるため、マズメ時間帯や夜間は混雑します。人が多い時間に無理に入るより、平日や潮が動く別の時間帯を狙うほうが、結果的に落ち着いて釣りができます。
電気ウキはウキ下2〜3ヒロから、エサはキビナゴかサンマの切り身
三保で定番になるのが電気ウキ釣りです。堤防から狙うタチウオはほとんどの場合、浅ダナをメインに狙うため、ウキ下は2〜3ヒロ程度にセッティングするのが基本とされています。深い場所だからといって、いきなり底近くを探る必要はありません。
エサはキビナゴやサンマの切り身が定番で、ワイヤーハリスにフックがついたタチウオ専用の仕掛けを使います。タチウオは歯が鋭く、通常のハリスでは一撃で切られます。ワイヤーハリスを面倒がって普通の仕掛けで通すのは、最初の1匹を確実に逃す選択です。
反応がないときの調整は上下です。ウキ下を浅くして表層寄りを探るか、少しずつ深くして反応の出る層を探す。タチウオは日によって回遊層が変わるので、同じ深さで粘るより、30分反応がなければ深さを変えるほうが早く答えが出ます。
狙い目は夕まずめ16〜20時、朝まずめ4〜6時
時間帯の目安は、夕まずめが16〜20時、朝まずめが4〜6時です。特に秋は夜釣りが中心になるため、暗くなってからの時間をどう使うかで釣果が変わります。日没前に現地入りして、明るいうちに足元と背後の地形を確認しておくのが前提です。
暗くなってから初めての場所に入るのは、三保では避けるべき行動です。波消ブロックや突堤まわりは足元の凹凸が大きく、暗がりで踏み外すと大事故につながります。ヘッドライトがあっても、初見の地形を夜に把握するのは無理があります。
時間帯の使い分けとしては、日没前後の1〜2時間で集中して数を稼ぎ、反応が止まったら深夜に粘らず切り上げる、というのが現実的です。翌朝のマズメまで通しでやるなら、仮眠と防寒をセットで準備してください。
離岸堤前は根掛かりが多く、予備の仕掛けを持たずに入ると1〜2回のロストで釣りが終わります。原因は、駆け上がりと構造物が近く、底を意識しすぎて引きずってしまうこと。対策は2つで、まず予備仕掛けを想定の倍持つこと。そしてタチウオなら底べったりを避けて浅ダナ中心に組み立てること。暗い時間に仕掛けを組み直す手間を減らすため、明るいうちに替えの仕掛けをセットして準備しておくと復帰が早くなります。

青物以外で1日を組み立てる、サーフの投げ釣りとイカ・カワハギ
青物やタチウオが回らない時間は必ずあります。その空白を埋められるかどうかが、三保で1日を楽しめるかの分かれ目です。
シロギスは春から夏、ヒラメ・マゴチは砂底を狙う
三保の砂浜は投げ釣りの舞台になります。シロギスは春から夏が盛期で、投げ釣りの定番ターゲットです。ヒラメとマゴチは砂底を好むため、サーフが続く三保の地形と相性がよく、シーズンによって狙える幅が広がります。
飛行場前は投げ釣りでシロギス、ヒラメ・マゴチが狙え、シーズンにはワカナゴ・カンパチ・サバ・シイラ・アジなどが釣れる、と紹介されています。ルアーで青物を狙いながら、投げ竿を1本置いてシロギスを拾うという組み立てが成立する釣り場です。
やりがちな失敗は、青物のタックルのまま砂浜を延々と探ってしまうことです。ジグを投げ続けても、その日ベイトが入っていなければ反応は出ません。反応がない時間に投げ釣りへ切り替えられるよう、竿を1本追加しておくと1日の密度が変わります。
アオリイカとカワハギは、灯台前と離岸堤前が舞台
アオリイカとカワハギは、三保灯台周辺と離岸堤前の両方でターゲットに挙がる魚です。どちらも青物のように広く回遊するのではなく、地形やベイトに付く釣りなので、条件が合えば時間帯を選ばず成立します。
アオリイカのエギングは、深さと沈下速度の関係を押さえるのが要です。三保灯台前のように砂の堆積で浅くなった区間では、深場向けの重いエギだと着底が早すぎて根掛かりが増えます。当日の水深に合わせてエギを選び直すのが基本です。
カワハギは、離岸堤前や灯台前の底の変化に付きます。エサ取りが上手い魚なので、アタリが小さく感じたら仕掛けを短くして感度を上げる。青物待ちの時間に足元を探る釣りとしても組み込みやすく、ボウズ回避の保険になります。

コノシロパターン=秋から春先にかけて、コノシロという体高のある小魚の群れが港周辺にまとまって入り、それを追う大型のシーバスや青物が岸近くまで差してくる状況のこと。三保では清水港周辺にコノシロやサヨリの群れが入ると、内海側の浅い場所でも大型が狙えるチャンスが生まれます。ベイトが大きいぶん、普段より大きめのルアーが有効になるのが特徴です。
季節ごとに「本命」を入れ替えると、三保は年中釣り場になる
三保を1年通して見ると、春はタチウオとシロギス、夏から秋は青物とサーフのフラットフィッシュ、秋から冬はタチウオとアオリイカ・カワハギ、冬から春先はコノシロパターンのシーバス、という流れになります。空白の月がほとんどありません。
この組み立てができていないと、「青物が回っていないから今日はダメだった」という結論になりがちです。実際には同じ日に別のターゲットが成立していることが多く、タックルを1つ足しておくだけで結果が変わります。
判断のコツは、現地に着いてから決めることです。海の色、波の高さ、鳥の有無、先行者が何を投げているか。この4つを見れば、その日に何を本命にすべきかはおおよそ絞れます。家を出る前に決めた本命に固執しないほうが、三保では釣果が安定します。
三保釣り行の前に確認する、静岡県のルールと禁止区域
釣れる場所の話をひととおりしたので、ここからは入っていい場所とやっていいことの話です。三保は世界文化遺産の構成資産に隣接する海岸で、行政の工事も入る場所です。ルールの確認は後回しにできません。
静岡県の海面遊漁で使える漁具・漁法は決まっている
静岡県の海面で遊漁者が使える漁具・漁法は、「たも網又はさで網、やす、は具、くまで、投網、さお釣又は手釣、徒手採捕、ひき縄釣」と定められています。竿釣り・手釣りは当然この中に入るので、通常の釣りは問題ありません。
ここに書かれていない方法は使えない、という読み方が正しい理解です。また、火光を利用する場合は静岡海区漁業調整委員会の承認が必要とされています。集魚灯を使う釣りを考えている人は、事前に確認が必要です。
詳細は静岡県の海面での遊漁のルール(水産資源課)で公開されています。三保に限らず静岡県内の海で釣りをするなら、一度目を通しておく価値があります。
あわび・なまこは採捕禁止、いせえびには期間と体長の制限がある
採捕が禁止されている水産動物もあります。静岡県では「あわび、なまこ、うなぎ稚魚をとってはいけません」と明記されています。磯遊びの延長で手を出すと違反になるので、対象を正確に覚えておいてください。
禁止期間と体長制限がある種もあります。数値は下の表のとおりです。釣りの対象そのものではなくても、たまたま獲れてしまったときの判断基準として知っておく必要があります。
| 項目 | いせえび | さくらえび | あゆ |
|---|---|---|---|
| 禁止期間 | 5月15日から9月15日まで | 6月11日から9月30日まで | 10月1日から翌年5月31日まで |
| 体長制限 | 眼の付け根から尾端まで13cm以下は採捕禁止 | 記載なし | 記載なし |
| そのほかの制限 | あわび・なまこ・うなぎ稚魚は採捕禁止 | うなぎは全長13cm以下が採捕禁止 | あさりは殻長2cm以下が採捕禁止 |
養浜工事で先端が立入禁止になる年がある
三保で最も見落とされやすいのが、工事による立入禁止です。三保松原の浸食対策として海岸先端部から砂を運ぶ工事が例年行われ、その区間はロープ等で立入禁止になります。場所も期間も年によって変わるため、過去の情報では判断できません。
釣り場情報でも、釣り場は場合によって立ち入り禁止などになっていることがあるため現地の表示確認が重要、とされています。改修工事で釣り場の形そのものが変わることもあるので、地図と現地が食い違うのは三保では珍しいことではありません。
判断の基準はシンプルです。ロープ・柵・看板があればその先には入らない。「去年は入れた」「他の人が入っている」は理由になりません。規制区域・禁止区域に入らないこと、行政・漁協・管理団体等の指示・ルールを守ることは、釣り場の基本マナーとして明示されています。
三保松原の敷地では、火気とゴミと駐車のルールがある
釣りの行き帰りに使うことが多いのが三保松原の駐車場と施設です。ここは世界文化遺産・富士山の構成資産で、国の名勝でもあります。松原では火気を使用しないこと、松原内にゴミ箱がないためゴミは自宅に持ち帰ることが公式に案内されています。
釣り人に直接関係するのは、駐車と休憩です。羽衣公園駐車場は無料で24時間利用でき、松原自体は門や柵がないため出入りは自由です。観光文化施設「みほしるべ」は9:00~16:30で年中無休、多目的トイレも備わっています。足湯は冬季の土日祝に9:30~16:30で利用できます。
ただし、ここは観光地でもあります。松原内での走行・駐車は禁止されており、羽衣の松周辺は遊泳禁止です。釣り場として案内されているエリアではないので、駐車と休憩で立ち寄る場所と割り切るのが正しい使い方です。
| 住所 | 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保1336ほか |
| 電話番号 | 054-340-2100(みほしるべ) |
| 営業時間 | 9:00~16:30(みほしるべ)、松原は24時間開放 |
| 定休日 | 年中無休(みほしるべ) |
| アクセス | 東名清水インターから約30分 |
| 駐車場 | あり(無料24時間) |
| 公式サイト | 公式サイト |
装備と危険箇所、この2つを外すと三保は危ない
三保は砂浜が中心の穏やかな釣り場に見えますが、突堤や波消ブロック、浜がけといった危険箇所が点在します。装備と近づかない場所を先に決めておきます。
ライフジャケットは「持っていく」ではなく「着る」
水に接する時には常にライフジャケットを身に着けることが命を守ることであり、堤防からの落水も多いため着用が重要だと、公益財団法人日本釣振興会の安全啓発でも示されています。三保の釣り場情報でも、釣行時は安全のためライフジャケットを必ず着用するよう案内されています。
大事なのは着け方です。荒磯の釣りでは固定式のライフジャケットが有力で、各部のベルトを体にフィットさせるようにしっかり締めて固定することが重要とされています。緩く着ていると、落水時に浮力体だけが浮き上がって体が抜けることがあります。
三保のような砂浜でも油断はできません。急深な地形は、足を取られたときに深みへ引き込まれやすいということでもあります。車に積んであるだけでは意味がないので、竿を出す前に着る、という順番を習慣にしてください。

L型突堤・波消ブロック・浜がけには近づかない
静岡県の清水海岸の安全情報では、危険箇所が具体的に示されています。L型突堤は、突堤付近は波が打ち寄せられて滑りやすく、ブロックの凹凸や隙間につまづいたり足を挟んでしまう危険があるとされています。
波消ブロックはさらに危険度が高く、ブロックは滑りやすく付近の海流が複雑で、ブロックに打ちつけられたりブロックの間に挟まる等、命の危険があると明記されています。海が荒れた時には波をかぶることもあります。
浜がけは、斜面が不安定な状態にあり崩れ落ちる恐れがあること、落差が大きいところもあり転落の危険もあるため近づかないように、と案内されています。詳細は静岡県 清水海岸の安全対策で確認できます。釣り座を探して砂の崖の縁を歩くのは、三保で最も避けるべき行動です。
持ち物は「装備」「安全」「快適」の3系統で揃える
三保の釣行で必要な持ち物は、ライフジャケット、帽子、サングラス、プライヤー、救急セットが基本になります。帽子は紫外線対策と頭部保護、サングラスは紫外線対策に加えて水面の反射光をカットし、飛んでくるルアーなどから目を守る役割があります。
プライヤーは魚に飲み込まれた針を外すため、そして魚の鋭い歯から手を守るために使います。タチウオを狙う三保では必需品です。救急セットは、毒のある魚やウニ、鋭い歯による怪我に備えるためのもので、夜釣りが多い釣り場ほど必要度が上がります。
夏場は水分を多めに。三保の砂浜は日陰がなく、夏の日中は熱中症のリスクが上がります。駐車場や松原内にはトイレが複数あり、近くにコンビニもあるため補給はしやすい環境ですが、釣り座から戻るのに時間がかかることを前提に、最初から多めに持っておくのが安全です。
三保で釣りをするのに遊漁券や許可は必要ですか?
静岡県の海面での遊漁について、竿釣り・手釣りは遊漁者が使える漁法として定められており、通常の釣りに遊漁券の記載はありません。ただし火光を利用する場合は静岡海区漁業調整委員会の承認が必要です。また採捕が禁止されている種や、禁止期間・体長制限のある種があります。詳細は静岡県水産資源課の公開情報で確認してください。
初めて三保に行くなら、どのポイントから入るのがいいですか?
波が立ちにくく釣りやすい内海側の真崎灯台周辺か、駐車場正面が水深約6mで潮の流れが穏やかな飛行場前が入りやすい選択です。青物を本命にするなら潮通しのよい外洋側ですが、初回は明るい時間に地形と立入禁止区間を確認することを優先してください。
三保の釣りのまとめ|水深で選び、掲示で確かめる
三保がほかの砂浜と違うのは、岸からわずかな距離で水深が大きく変わる点です。だからこそ、同じ半島の中で青物もタチウオもシロギスも成立します。逆に言えば、水深を知らずに入ると「なぜ釣れないのか」が最後まで分からないまま終わります。まず狙う魚を1つ決めて、その魚に合う水深の場所を選ぶ。この順番にするだけで、三保の釣りは組み立てやすくなります。最初の一歩としては、明るい時間に現地へ行き、駐車場から釣り座までの動線と立入禁止区間を自分の目で確認しておくことをおすすめします。夜のタチウオ狙いは、その下見が済んでからで十分間に合います。
※釣り場の状況・工事による立入禁止区間・県の規則は変更されることがあります。釣行前に現地の掲示と各公式情報で最新の内容をご確認ください。
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