船に乗らないと行けない釣り場は、それだけで一段ハードルが上がります。初島漁港もそのひとつで、「行ってみたいけれど、船賃はいくらか」「島に着いてから何を釣ればいいのか」「そもそも自由に釣っていい場所なのか」で足が止まっている人は少なくありません。
先に結論を書きます。初島漁港の釣りは、熱海港からの定期船(往復2,900円・所要約30分)と、帰りの最終便の時刻で1日の組み立てがほぼ決まります。そのうえで、夜間の磯釣りが全面禁止であること、磯釣り禁止区域があること、静岡県の海面遊漁ルールでイセエビやサザエにサイズ制限があることを押さえておけば、初めてでも迷いません。釣り物は年間を通してメジナが軸で、夏から秋にかけてイサキやタカベ、アジが加わります。
この記事では、島へのアクセスと駐車場、守るべきルール、季節ごとの狙い分け、港で通用する仕掛けの4系統、手ぶらで行くためのレンタルと餌の入手先までを、熱海市・静岡県・島の公式情報をもとに整理します。「釣れる・釣れない」の前に「入っていい場所か、守ることは何か」から順番に確認していきましょう。
・熱海港から初島漁港までのアクセス、定期船の運賃と始発・最終便の時刻
・夜間の磯釣り禁止、磯釣り禁止区域、静岡県の遊漁ルールとサイズ制限
・春夏秋冬で入れ替わる釣り物と、港で通用する仕掛け4系統の号数の目安
・手ぶらで行く場合のレンタル竿・餌の入手先と、帰りの便から逆算する時間割
初島漁港は熱海港から約30分の第1種漁港|島にある2つの港の性格

船でしか行けないから、休日でも竿を出す場所が残っている
初島漁港は静岡県熱海市の初島にある第1種漁港で、熱海市が管理し、施設の機能強化事業を進めている現役の漁港です。相模湾に浮かぶ島の港なので、陸続きの堤防と決定的に違うのは「歩いて来る人がいない」こと。定期船の便数がそのまま来島者の上限になるため、休日でも堤防が人で埋まって竿を出せない、という状況になりにくいのが特徴です。
一方で、島だからこその制約もあります。渡れる時間が定期船のダイヤに縛られること、島内に釣具店がないため忘れ物を現地調達しにくいこと、天候が荒れれば船が止まって帰れなくなること。この3点は、陸続きの港では起きない種類のリスクです。逆に言えば、この3点さえ事前に潰しておけば、初島漁港は「移動時間の割に落ち着いて釣りができる場所」になります。
初めて渡る人がやりがちなのは、地元の堤防と同じ感覚で装備を組んでしまうことです。島では車を横づけできません。港から歩く前提で、竿は2本まで、クーラーは自分で担げるサイズに絞る。この判断が、当日の行動範囲をそのまま決めます。
漁港の管理者や整備状況は熱海市の公式ページで確認できます(熱海市公式:初島漁港)。
| 住所 | 〒413-0004 静岡県熱海市初島 |
| 電話番号 | 0557-86-6215 |
| 営業時間 | 立入自由(ただし夜間磯釣り禁止) |
| 定休日 | なし(通年利用可能) |
| アクセス | 熱海港からフェリーで約30分。熱海駅からタクシーで熱海港まで約10~15分 |
| 駐車場 | 熱海市営駐車場(熱海港隣接、有料)、臨時駐車場あり(2026年4月10日~12月28日、163台) |
| 公式サイト | 公式サイト |
初島港と初島第二港、混み方も狙う魚も違う
島の釣り場は大きく2つに分かれます。定期船が着く初島港と、そこから徒歩10~15分の初島第二港です。初島港は船を降りてすぐ竿を出せるので人が集まりやすく、カゴ釣りやウキフカセ釣りでメジナを狙う人が多いエリア。堤防先端の周辺には居着きの大型メジナが見えることもあり、テトラポッド周りは足元の変化がそのままポイントになります。
初島第二港は、歩く距離がある分だけ釣り人が少なく、のんびり竿を出したい人向けです。こちらもメジナがメインターゲットになります。「先端が空いていないから今日は釣りにならない」と諦める前に、歩いて移動できる選択肢がもう1つあると知っているかどうかで、1日の内容が変わります。
選ぶ基準はシンプルです。潮通しと足場の広さを優先するなら初島港、人の少なさと落ち着いた釣り座を優先するなら初島第二港。ただし、どちらへ移動するにも荷物を担いで歩くことになるので、着いてすぐ荷物を全部広げてしまうと動けなくなります。最初の30分は場所を決める時間と割り切って、必要な道具だけ出すのが失敗しないコツです。
実は「何が釣れる島か」より「どこに立てるか」で結果が変わる
初島は石鯛・真鯛・メジナ・イサキ・ブリ・タカベ・カサゴなど、季節ごとに多彩な魚が釣れる島として紹介されます。ただ、魚種の多さだけを見て道具を欲張ると、たいてい中途半端に終わります。意外と知られていないのは、島の釣りで結果を分けるのが魚種の知識ではなく「立てる場所の少なさ」だという点です。
島全体が釣り場に見えても、実際には磯釣り禁止区域があり、南側一帯やフィッシャリーナ周辺は釣り禁止と案内されています。つまり、竿を出せるのは限られたエリアだけ。そこに定期船の到着時刻で人が一度に集まるので、良い釣り座は先着順になります。
だから優先順位は「魚に合わせて仕掛けを増やす」ではなく、「入れる場所で成立する釣りを1つ決め、それを軸に予備を1系統だけ持つ」。たとえばウキフカセを軸にして、状況が合わなければサビキに切り替える、という組み方です。荷物が減れば移動が速くなり、移動が速い人ほど良い場所に立てるという、単純な循環があります。
| 漁港種別 | 第1種漁港(熱海市が管理・施設機能強化事業を実施) |
| 主な釣り座 | 初島港(堤防・テトラポッド周り)/初島第二港(徒歩10~15分) |
| アクセス | 熱海港から定期船で約30分(往復2,900円・小人1,450円) |
| 主なターゲット | 通年:メジナ・イカ/夏~秋:イサキ・タカベ・アジ・カワハギ |
| 大きな制約 | 夜間の磯釣りは全面禁止/磯釣り禁止区域あり/島内に釣具店なし |
帰りの便から逆算する|熱海港からのアクセスと駐車場の決め方
定期船は熱海発7:30から17:20、初島発は8:00から17:50
初島へ渡る定期船は熱海港から出ています。運賃は往復で大人2,900円、小人1,450円、所要時間は約30分です。ダイヤは熱海発が7:30から17:20まで、初島発が8:00から17:50まで、それぞれ14便が設定されています(運航は季節・天候で変わります)。
この時刻が釣りの設計図になります。始発で渡って最終便で戻れば島にいられる時間は最大に近くなりますが、実際には片付けと乗船待ちの時間が必要です。竿をたたみ、コマセ周りを洗い、荷物をまとめ、港まで歩いて戻る一連の作業は、慣れていても思ったより時間を食います。最終便の時刻から逆算し、「片付け開始時刻」を先に決めておくと安全です。
初めての人が見落としがちなのは、初島第二港まで歩いて移動した場合の帰り時間です。徒歩10~15分の距離を、荷物を担いだ状態で、しかも疲れた体で戻ることになります。移動先で釣る場合は、港で釣る場合より片付け開始を早める。これだけで乗り遅れのリスクはほぼ消えます。時刻と運賃は運航会社の公式ページ(初島航路の運賃・時刻表)で最新を確認してください。
車で行くなら、駐車場は熱海港周辺で先に押さえる
車で熱海港へ向かう場合、駐車場は熱海市営駐車場が基本になります。料金は8時間まで30分ごとに110円、8時間以上16時間までは1,760円、16時間以後は1時間ごとに110円という体系です。朝から夕方まで釣って戻る日帰りなら、時間単位の加算より1日分の上限額で考えたほうが計算しやすくなります。
2026年は4月10日から12月28日まで、旧熱海港の場所に163台の臨時駐車場が開設されています(大型車は不可)。熱海は観光地で、休日の午前中は港周辺が混みます。始発の便に乗るつもりなら、駐車と乗船券の手続きに要する時間を見込んで到着時刻を決めておくのが確実です。
電車で向かう場合は、熱海駅から熱海港までタクシーで約10~15分が目安になります。竿ケースとクーラーを持って公共交通で移動するなら、この区間だけは割り切ってタクシーを使うほうが、乗り継ぎの不安がなくなります。駐車場の位置と料金は熱海市の観光情報サイト(熱海市営駐車場の案内)が一次情報です。
| 住所 | 静岡県熱海市(複数箇所) |
| 電話番号 | 0557-82-0451 |
| 営業時間 | 24時間(施設によって異なる可能性あり) |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 熱海港隣接 |
| 駐車場 | 11箇所、計600台以上(東駐車場、駅前駐車場など) |
| 公式サイト | 公式サイト |
荷物は「自分で担いで歩ける量」が上限になる
島の釣りでは、車から釣り座までの距離という発想が通用しません。荷物はすべて船に持ち込み、港から自分の足で運びます。目安として、クーラー1つ・バッカン1つ・竿2本・タックルバッグ1つを片手ずつで持てるかどうかを、家を出る前に一度確認しておくと判断を誤りません。
特に重くなりがちなのがコマセと氷です。オキアミのブロックを複数持ち込むと、それだけで移動が苦しくなり、結果として釣り座の選択肢が減ります。餌は島の直売所でも購入できるので、無理に全量を持ち込む必要はありません。
もう1つ、帰りの荷物が行きより重くなる点にも注意が必要です。魚を持ち帰れば当然重くなりますし、濡れた道具や海水で流したバッカンも重量が増えます。行きに「ちょうど持てる量」だと、帰りは持てません。行きの時点で少し余裕を残しておくのが、島の釣りの荷造りの基本です。
夕方に魚が動き出すと「あと10分だけ」を繰り返しがちですが、島では最終便を逃した時点で帰れません。原因は納竿時刻を決めずに釣り始めること。対策はシンプルで、釣り始める前に納竿時刻をアラームで設定し、鳴ったら結果に関係なく仕掛けを回収することです。片付けと徒歩移動には想像より時間がかかると考えて配分しましょう。
初島漁港で釣る前に確認したい禁止事項とサイズ制限

夜間の磯釣りは全面禁止、磯釣り禁止区域もある
初島で釣りをするうえで最初に確認すべきは、時間と場所の制限です。島の公式サイトでは「磯釣り禁止区域がありますのでご注意ください」「夜間の磯釣りは全面禁止です」と明記されています。つまり、電気ウキで夜通し粘るような釣り方は、磯では想定されていません。
釣り情報サイトでは、島の南側一帯やフィッシャリーナ周辺が釣り禁止エリアとして案内されています。地図上で線を引ける話ではないので、現地の掲示と立入禁止表示を必ず確認してください。「以前は入れた」「他の人が入っている」は根拠になりません。ルールは更新されますし、区域の境界は現地表示が最終的な判断材料です。
初めての釣り場で禁止区域に入ってしまう原因の多くは、事前に地図で場所だけ調べ、現地の看板を読まずに歩き出すことにあります。船を降りたら、まず掲示物を一通り読む。この数分が、トラブルと後味の悪い1日を防ぎます。島の釣りに関する案内は島の公式サイト(初島区事業協同組合:釣り)にまとまっています。
静岡県の海面遊漁ルールで、使える漁法は決まっている
初島を含む静岡県の海では、遊漁者が使える漁法が県のルールで定められています。認められているのは、さお釣または手釣(から釣を除く)、投網(船舶を使用する場合を除く)、たも網またはさで網、やす、は具、くまで、徒手採捕、ひき縄釣です。これ以外の方法での採捕は認められていません。
特に注意したいのが潜水器の使用禁止です。素潜り用の装備を使って貝や甲殻類を獲る行為は、遊漁として認められた方法から外れます。「泳いで手で獲るだけだから大丈夫」という自己判断が、規則違反につながる典型例です。判断に迷う採捕方法は、やらないのが正解です。
また、遵守事項としてライフジャケットの常時着用、漁業施設への係留禁止、定置網付近での釣り禁止が挙げられています。これらは「推奨」ではなくルールとして書かれている項目です。詳細は静岡県の公式ページ(海面における遊漁のルールについて)で確認できます。
アワビ・ナマコは採捕禁止、イセエビとサザエにはサイズと期間の制限
島の海には食材として魅力的な生き物がいますが、獲っていいものと絶対に獲ってはいけないものが明確に分かれています。あわび、なまこ、うなぎ稚魚は特定水産動植物として採捕が禁止されており、一般の遊漁者は獲れません。ここは例外のない線引きです。
イセエビは、眼の付け根から尾端まで13cm以下のものが採捕禁止で、さらに5月15日から9月15日までが禁止期間に設定されています。サザエは殻蓋の径3cm以下が採捕禁止です。テングサにも11月1日から3月31日までの禁止期間があります。サイズと期間の両方を満たして初めて持ち帰れる、という構造を理解しておきましょう。
ありがちな失敗は「小さいから逃がす」の逆で、サイズを測らずに持ち帰ってしまうことです。禁止サイズかどうかは目分量では判断できません。計測できる道具を持たないなら、そもそも採捕対象にしない。これが最も確実な自衛策です。
漁港は漁業者の職場であることを忘れない
初島漁港は観光施設ではなく、漁業のために整備された第1種漁港です。係留されている船、網、ロープ、荷揚げの動線はすべて仕事の道具であり作業スペースです。仕掛けを引っかけたり、通路に荷物を広げて作業を止めたりすることは、そのまま漁業の妨げになります。
具体的には、船やロープの周囲にキャストしない、荷揚げ場の前に釣り座を作らない、作業中の船が近づいたら仕掛けを回収する、という3つを守るだけで大半のトラブルは避けられます。県のルールでも漁業施設への係留禁止と安全距離の確保が求められています。
そして、釣り場が閉鎖される原因の上位は常にゴミと駐車問題です。コマセを流した跡を海水で洗い、切れたラインとエサの袋を必ず持ち帰る。この積み重ねが、次に来る人が竿を出せるかどうかを決めます。釣り座を離れる前に足元を一度見回す習慣をつけましょう。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 夜間の磯釣り | 全面禁止 | 島の公式サイト |
| 禁止区域 | 磯釣り禁止区域あり(現地掲示で確認) | 島の公式サイト |
| 使える漁法 | さお釣・手釣、たも網、やす、くまで、徒手採捕、ひき縄釣ほか | 静岡県 |
| 採捕禁止 | あわび・なまこ・うなぎ稚魚 | 静岡県 |
| イセエビ | 眼の付け根から尾端まで13cm以下は禁止/5月15日~9月15日は禁止期間 | 静岡県 |
| サザエ | 殻蓋の径3cm以下は禁止 | 静岡県 |
| 安全・マナー | ライフジャケット常時着用/漁業施設への係留禁止/定置網付近での釣り禁止/潜水器使用禁止 | 静岡県 |
春夏秋冬で入れ替わる魚|季節ごとの狙い分け
春はメジナとアオリイカ、乗っ込みの気配を読む
春の初島で軸になるのはメジナです。あわせてアオリイカ、イシダイ、アジも対象になります。水温が上がり始める時期は、魚が浅場に寄るタイミングと、まだ冬の状態が残るタイミングが日替わりで入れ替わるため、「同じ場所で同じ仕掛け」が通用しにくい季節でもあります。
理由は水温の立ち上がり方にあります。相模湾は黒潮の影響を受けるため、同じ4月でも年によって海の中の進み方が変わります。だからこそ、春は釣り方を1つに固定せず、ウキ下を深めから浅めへ探る、あるいは足元とやや沖の2か所を試す、といった探り方が有効です。
初心者がつまずきやすいのは、春を「暖かくなったから釣りやすい季節」と考えてしまうことです。実際には海の中はまだ冬の延長にあることが多く、朝一番は特に反応が鈍くなります。日が高くなってから魚の反応が出ることも珍しくないので、序盤で見切りをつけないことが釣果につながります。
夏はイサキとタカベ、そしてアジ。数を狙える季節
夏はイサキ、アジ、カサゴ、アオリイカ、タカベが並びます。特にタカベは夏から釣れる魚で、群れが入れば数が伸びます。イサキも夏の代表格で、電気ウキを用いた釣りが紹介されることがありますが、初島では夜間の磯釣りが全面禁止である点を必ず踏まえてください。
夏に数を伸ばす鍵はコマセの使い方です。撒きすぎると魚が散り、足りなければ寄りません。1投ごとに少量を同じ場所へ入れ続け、潮の流れで仕掛けとコマセが同調する位置を探す。これが夏のカゴ釣り・フカセ釣りの基本動作になります。
注意したいのは暑さそのものです。島の堤防は日陰がほとんどなく、水分と塩分の補給が追いつかないと午後に動けなくなります。帽子と日除け、飲料を多めに。釣果より先に、自分の体調を管理できるかどうかが夏の島釣りの前提条件です。
秋はイサキが狙い目、カワハギとアジも加わる
秋はメジナ、アジ、カワハギ、イサキが対象になり、なかでもイサキは狙い目の季節とされています。水温が高い状態が続きながら魚の活性が安定するため、初めて島で釣る人にとっても結果が出やすい時期です。
秋に効くのは「同じ場所で釣り続けない」判断です。カワハギのように餌取りが上手な魚が混じると、仕掛けを入れても餌だけ取られる展開になります。餌の取られ方を観察して、針を小さくするか、仕掛けを張り気味にしてアタリを取るか、狙う魚そのものを切り替えるか。この見極めが釣果の差になります。
また、秋は台風シーズンと重なります。波と風の予報で定期船が欠航すれば、そもそも島に渡れません。前日の予報だけでなく、当日朝の運航状況を確認してから家を出るのが、この季節の鉄則です。
冬はメジナ本番、ヤリイカやイシダイも視野に入る
冬は水温が下がり、メジナが本格的なシーズンを迎えます。ヤリイカ、イシダイ、そしてテトラや岩の隙間を狙う穴釣りの対象魚も冬の選択肢です。魚の数は減りますが、1匹の型が上がるのが冬という季節の性格です。
冬に有効なのは、仕掛けをゆっくり見せることです。水温が下がると魚の動きが鈍くなるため、速く動く仕掛けには反応しにくくなります。ウキ下を深く取り、潮に乗せてゆっくり流す。手返しを増やすより、1投を丁寧に流すほうが結果につながります。
装備面では、風を防げるアウターと手先の保温が優先です。島は遮るものが少なく、海からの風が直接当たります。指がかじかむと仕掛けの結び直しができなくなり、糸を切っただけで釣りが終わってしまうこともあります。予備の仕掛けを事前に作っておくと、この事態を避けられます。
| 季節 | 主な釣り物 | 向いている釣り方 |
|---|---|---|
| 春 | メジナ、アオリイカ、イシダイ、アジ | ウキフカセ、エギング |
| 夏 | イサキ、アジ、カサゴ、アオリイカ、タカベ | カゴ釣り、サビキ、穴釣り |
| 秋 | メジナ、アジ、カワハギ、イサキ | カゴ釣り、ウキフカセ、ちょい投げ |
| 冬 | メジナ、ヤリイカ、イシダイ | ウキフカセ、穴釣り |
※季節は例年の傾向で、年による変動があります。夜間の磯釣りは全面禁止です。
港で通用する仕掛けは4系統|何を軸に組むかで荷物が決まる
カゴ釣り:沖の潮目まで届かせてイサキ・アジ・タカベを狙う
初島港はカゴ釣りでメジナを狙う人が多い釣り場です。カゴ釣りの強みは、コマセを仕掛けと一緒に沖まで運べること。堤防から数十メートル沖の潮目まで届かせられるので、足元に魚が寄らない状況でも成立します。夏から秋のイサキ・アジ・タカベにも向きます。
組み方の目安は、遠投磯竿3号前後に大型スピニングリール、道糸はナイロン4~5号かPE2号前後、その先にウキとカゴ、ハリスは2~3号を2ヒロ程度。号数を上げるほど飛距離と強度は出ますが、仕掛けが重くなり扱いが難しくなります。まずは自分が振り切れる範囲に収めるのが先決です。
ありがちな失敗は、コマセを詰め込みすぎてカゴが重くなり、キャストのたびに仕掛けが絡むこと。カゴは八分目までにして、投げるリズムを一定に保つ。飛距離は腕力ではなく振り抜きの安定で決まります。潮上に投げて仕掛けを潮に乗せる、という基本を守れば、初日でも形になります。
ウキフカセ:メジナを狙うなら最も分がある釣り方
堤防先端付近には居着きの大型メジナが見えることがあり、こうした魚を狙うならウキフカセが本命です。軽い仕掛けをコマセと同調させて自然に流すので、警戒心の強い魚に口を使わせやすいのが理屈です。
基本は磯竿1.5号前後にレバーブレーキ付きリール、道糸2~2.5号、ハリスはフロロ1.5~2号、ウキは0号からB程度。潮が速ければ号数を上げ、食いが渋ければ軽くする。この調整を現場で繰り返すのがフカセの本質です。仕掛けの構造と浮力の考え方は下の記事で詳しく整理しています。

初心者がつまずくのは、ウキ下を固定したまま流し続けることです。魚がいる層は潮と時間で動くため、同じタナで反応がなければ深さを変える必要があります。3投ごとにウキ下を調整する、というルールを自分に課すだけで、当たり外れの幅が小さくなります。
サビキとちょい投げ:家族連れと「まず1匹」に効く
数を釣って楽しむなら、サビキ釣りが最も確実です。アジやタカベのような群れで回る魚が入れば、仕掛けを下ろすだけで反応があります。竿は磯竿1.5~2号や3m前後のサビキ竿、リールは2500番前後、仕掛けは市販のサビキにアミコマセを組み合わせる形で十分です。
ちょい投げは、砂地や港内の底付近を探る釣り方です。天秤にオモリ、2本針の市販仕掛けで、キャストして少しずつ引いてくる。カサゴのような根魚や、底にいる魚の反応を確かめられます。港の中で狙う場合は、係留された船やロープの近くを避けるのが絶対条件です。
この2つが向いているのは、釣りに慣れていない人と一緒に行く場合です。仕掛けが単純で、根掛かりしても被害が小さく、待つ時間が短い。まず1匹を釣って感覚を掴んでから、フカセやカゴへ進むという順番のほうが、島での1日が充実します。
エギング:アオリイカとヤリイカを足で探す
春のアオリイカ、冬のヤリイカを狙うならエギングです。エギを沈めてしゃくり、イカに抱かせる釣り方で、コマセを使わないため荷物が軽く済むのが島の釣りとの相性の良さです。竿1本とエギ数本、そしてライフジャケットだけで移動できます。
基本はエギングロッド8.6ft前後にPE0.6号、リーダーはフロロ2号前後、エギは3.5号を軸に、潮が速い場所や深い場所では重いタイプへ切り替えます。号数と沈下速度の関係は、下の記事で号数別に整理しています。

注意したいのは、探るために歩き回る釣りである点です。初島には磯釣り禁止区域があり、夜間の磯釣りは全面禁止です。「イカは夕方から」という一般論をそのまま持ち込むと、ルール違反につながりかねません。時間帯と場所の制約を先に確認したうえで、日中に成立する釣り方として組み立ててください。
コマセ=魚を寄せるために海中へ撒く餌のこと。オキアミやアミエビが代表的で、初島では島の直売所でも購入できます。同調=撒いたコマセと自分の仕掛けを同じ流れに乗せること。カゴ釣りもフカセ釣りも、この同調ができているかどうかで結果が変わります。ウキ下=ウキから針までの長さ、つまり餌を届ける深さのこと。魚のいる層を探す最大の調整項目です。
手ぶらで渡るなら|レンタル竿と餌は島の直売所で揃う
初島漁協の直売所で竿を借りられる
島に釣具店はありませんが、釣り道具が何もなくても釣りができる仕組みがあります。初島港のすぐそばにある初島漁業協同組合の直売所(蓄養部)で、釣り竿のレンタルと釣り餌の販売を行っているためです。延べ竿に仕掛けと餌がセットになった形で貸し出され、2時間1,200円で利用できると案内されています(料金や貸出状況は変わることがあるので、現地で確認してください)。
営業時間は7:30~16:30、定休日は水曜です。定期船の始発が熱海発7:30であることを考えると、島に着いてすぐ借りて、最終便の前に返す流れが自然に組めます。ただし水曜に渡る場合は、レンタルも餌の調達もできない前提で道具を用意する必要があります。
向いているのは、旅行のついでに少しだけ竿を出したい人や、子どもと一緒に短時間だけ釣りたい人です。逆に、メジナやイサキを本気で狙うなら自前のタックルが必要になります。「手ぶらで行けるか」ではなく「何を狙うか」から逆算して決めるのが正解です。
| 住所 | 〒413-0004 静岡県熱海市初島209-1 |
| 電話番号 | 0557-67-1405 |
| 営業時間 | 7:30~16:30 |
| 定休日 | 水曜 |
| アクセス | 初島港から徒歩(詳細は要確認) |
| 駐車場 | 不明 |
| 公式サイト | 公式サイト |
餌は島で買える。持ち込む量を減らせるのが大きい
直売所ではオキアミやアミコマセといった釣り餌を販売しています。これは島の釣りにおいてかなり大きな意味を持ちます。コマセは重く、保冷も必要で、荷物の中で最も扱いに困る存在だからです。現地調達できるなら、持ち込む量を最小限にできます。
とはいえ、在庫は無限ではありません。混み合う時期や時間帯によっては希望の種類が残っていない可能性もあります。「島で買えるから手ぶらでいい」と完全に依存するのではなく、最低限の予備は持ち込みつつ、追加分を現地で買うという二段構えが安全です。
また、直売所ではサザエやイセエビといった島の海産物も扱っており、通販にも対応しています。釣果が振るわなかった日でも、島の魚を持ち帰る選択肢が残っているのは、家族で渡る場合に効いてきます。
買い物と食事のタイミングも先に決めておく
島での買い物は、帰りの便の前に済ませるのが基本です。荷物が増えるので釣りの前に買うと移動が苦しくなりますし、ぎりぎりに動くと乗船に間に合いません。納竿時刻を決めるときに、買い物の時間も一緒に組み込んでおきましょう。
初島漁業協同組合には購買部もあり、磯のりや天草などの海藻類を扱っています。営業時間は7:30~17:00で年中無休です。釣り道具ではなく、島の産物を持ち帰りたい場合はこちらが選択肢になります。
釣った魚を持ち帰るなら、氷と保冷の準備が前提です。夏場は特に、締めた魚をそのままクーラーに入れておくだけでは鮮度が落ちます。海水氷を作って魚を浸す、あるいは氷が直接魚に当たらないようにする、といった基本の下処理を島でできるように準備しておくと、家に着いてからの満足度が変わります。
安全とマナーで釣りの質が決まる|島だからこそ効く3つの基準
ライフジャケットは常時着用が前提
静岡県の遊漁ルールでは、ライフジャケットの常時着用が遵守事項として挙げられています。堤防でも磯でも、着ていることが前提だと考えてください。島の釣り場は救助までの時間が陸続きの港より長くなる可能性があり、落水時に浮いていられるかどうかが結果を分けます。
選ぶときは、国土交通省の型式承認を受けた桜マーク付きを基準にするのが確実です。膨張式は動きやすく夏でも暑くなりにくい一方、定期的な点検が必要で、磯場では擦れによる破損リスクがあります。固型式は点検が不要で信頼性が高い反面、かさばります。歩く距離が長い島では、この使い分けが効いてきます。

子ども連れの場合は、サイズが体格に合っているかを必ず確認してください。大人用を着せると水中で脱げてしまい、意味をなさないことがあります。股ベルトのあるタイプを選び、陸上で一度締め具合を確かめておきましょう。
風と波の予報を、前日と当日の2回見る
島の釣りで最も怖いのは、荒天で船が欠航して帰れなくなることと、波を被る場所に立ってしまうことです。前日の予報だけで判断せず、当日朝にもう一度確認するのが基本です。特に台風シーズンと冬の季節風の時期は、半日で状況が変わります。
判断の目安として、波が高い日は堤防の外側やテトラ帯に立たないこと。波は一定ではなく、時折大きなものが入ります。「さっきまで平気だった」は根拠になりません。足元が濡れている範囲は、すでに波が届いた証拠だと考えてください。
また、単独での釣行はリスクが高くなります。特に磯場は、転倒しても誰も気づかない可能性があります。単独で渡るなら、行き先と帰りの便を家族に伝えておく。これだけでも、万一のときの初動が変わります。
ゴミとコマセ跡の処理が、次に来る人の釣り場を守る
釣り場が閉鎖される理由の多くは、魚がいなくなったからではなく、人の振る舞いが原因です。放置されたゴミ、切れたライン、洗い流されないコマセ。これらは漁業者の作業環境を直接汚します。漁港は仕事の場である以上、迷惑が積み重なれば釣り禁止という判断が下されます。
やることは3つだけです。コマセをこぼした場所を海水で流す。切れたラインと餌の袋を必ず持ち帰る。釣り座を離れる前に足元を見回す。どれも数分で終わり、道具も要りません。
初島には夜間の磯釣り禁止や磯釣り禁止区域といった明文のルールがあります。ルールが明文化されているということは、過去にそれが必要になる出来事があったということでもあります。ルールを守る釣り人が多数派であり続ける限り、この島で竿を出せる場所は残ります。
事前にネットの釣り場情報だけを見て、現地の看板を確認せずに釣り座へ向かうと、禁止区域に入ってしまうことがあります。原因は「情報サイトの地図=現在のルール」だと思い込むこと。区域や時間制限は更新されます。対策は、船を降りたらまず掲示物を一通り読み、立入禁止・釣り禁止の表示を自分の目で確認してから移動先を決めることです。掲示と情報サイトが食い違う場合は、必ず現地の掲示が優先されます。
・家族で渡る人:初島港でサビキ中心。レンタル竿と現地の餌を使い、荷物を最小限に
・メジナ狙いの人:ウキフカセを軸に、混雑を避けるなら初島第二港まで歩く
・数を釣りたい人:夏~秋のカゴ釣りでイサキ・アジ・タカベを沖の潮目で狙う
・荷物を軽くしたい人:エギング1本に絞り、禁止区域と時間の制約を確認したうえで日中に探る
まとめ:初島漁港の釣りは「便の時刻」と「ルール」から組み立てる
初島漁港は、熱海港から定期船で約30分という近さでありながら、船に乗らないと行けないぶん釣り座に余裕が残る場所です。狙える魚は通年のメジナを軸に、春のアオリイカ、夏のイサキ・タカベ、秋のカワハギ、冬のヤリイカと季節で入れ替わります。最初の一歩としては、始発の便で渡り、初島港でサビキかウキフカセを1系統だけ試して、島の地形と混み方を自分の目で確かめるのがおすすめです。次に渡るときの組み立てが、格段に速くなります。
※定期船のダイヤ・運賃、駐車場の料金、直売所の営業時間、釣り場のルールは変更されることがあります。お出かけ前に各公式サイトと現地の掲示で最新情報をご確認ください。

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